2015年4月3日金曜日

中国はアメリカを追い抜くか。アジアインフラ投資銀行との関係。

いや、なにかと言うと、イギリスなどの西欧諸国がなぜ、ヤクザ国家:中国主導のアジアインフラ投資銀行へ参加したか—という理由に関わると思うからだ。

 それは、日本がアジアインフラ投資銀行へ参加しなかった理由と裏腹の関係にあるようだ。

 まず、新聞から抜粋。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行の創立メンバーの募集が31日をもって締め切られた。
 募集の結果は48ヵ国・地域が加入を申し込んだ。
 アメリカに追随し、日本は孤立した立場に追い込まれた。
 誤算を指摘する日本のメディアの報道も多い。拾ってみよう。

 「日本の対処後手に」「英の参加誤算」「(日本の対応は)お粗末だった」「米国主導の従来の国際秩序を弱体化させることにつながる」「米国の孤立感は深まる」など。
 さらに、AIIB加入にたいする姿勢の対立も見られた。
 「米国とこじれると何をされるか分からない。それは避けたい」と財務省は、日米で主導するアジア開発銀行(ADB)のライバルのもとに走る選択肢は取りえなかった。

 一方、経済界からは、「インフラビジネスが不利になること」を心配しているという声が。

 ---中国が米国を抜く日が来るとは 絶対に思いたくない日本人---
 中国を見つめる日本人の目には焦りが滲み出ている。意固地さを露呈している。
 数年前に、もと外交官だった孫崎さんからエピソードを聞いた。
 講演に呼ばれる孫崎さんは、聴講者に対して、「中国は超大国としてアメリカを抜くと思いますか、思いませんか」と問う。
 70%から80%からは「中国がアメリカを抜くことはない」という答える。

 ある町村の幹部が集まる集会で同じ質問をしたら、「中国がアメリカを抜く」と手を挙げた人は、出席者20人の中1人だけだった。ほかの人は怪訝そうな表情で孫崎さんを見ていた。

 アメリカのリサーチ・センターが2011年、「中国は超大国としてアメリカを追い抜くか」という設問に関する調査を行った。
 「追い抜く」と思う被調査者と「追い抜かない」と思う被調査者のパーセンテージは次。

 ※前の数字が追い抜く、後の数字が追い抜かない。
 アメリカ 4645 イギリス6526 ドイツ6134 フランス7228 ロシア4530 中国6317 日本3760  

 日本人だけが「追い抜けない」と中国を見ている調査データを目にした孫崎さんは驚いた。
 そして、次のように警告した。

 「日本が正しくて、世界が間違っている」ならいいが、「世界が正しくて、日本だけが間違っているとすると、深刻です。隣に『世界で最も大きい、超大国が出現する』という事態を、日本人が予想していない」

 その原因を孫崎さんは、「まるで恣意的な力が働いているように『客観的な情報を分かち合おう』という姿勢はメディアから消えていた」と分析。

 専門家ではなくても、平々凡々な人間でも日中関係の赴く方向をもうすこし高い精度で予測できると信じる。
補足、感想など

 この記事、一体なんだ?
 筆者でも、中国がアメリカを追い抜くことはない—と思う。
 あんな知的正直を馬鹿にする民族が、繁栄する訳はない。

 別のブログで、最近の中国をみた—という記事があった。ご紹介したい。

--ここから--

 中国経済ということですが、都市を回った感じで大きな減速感があります。
 今回は遼寧省撫順、大連というような商工業の中心地を見た。
 実際に見てみれば経済状況がわかります。
 政府発表の数字より物流でわかる。

 鉄鋼は高炉を止めるわけにはいきませんから、在庫状況、造船は周囲の物の流れと人の動きを見れば一発です。
 明らかに流れが悪くなっています。
 中小企業は倒産か、あるいは間近という状況に間違いない。

 大連を訪れました。
 前回に比べ活況が感じられず、裏付けがでました。
 「韓国財閥のSTXグループ傘下のSTX大連は、2007年に誘致し、造船所を運営していたが3月19日破産手続きに入った。負債額は約3860億円」

 地方財政は破綻、シャドウバンキング問題はもう限界です。
 AIIBは自分のための組織作りであることは明らかで、常識的には参加はできない。
 日本メディアは参加をあおっていますが、それこそ危険の印です。

--ここまで--

 上掲の記事の人も、中国の不動産バブルの不良債権処理のための「アジアインフラ投資銀行」設立だと思っている。
 まぁ、この辺り、ちょいと事情を知っている人には、常識なのだろうな。

 福田元首相とか、維新の党の江田さんなど、訳も分からずに口出ししているのだろう。

 冒頭で中国の将来をどうみるか—というところで、ヨーロッパの諸国の判断にはいささかびっくりした。
 参加の判断の背景には、こんなものがあるのであろう。

 日本人の判断の方が正しかろうな。
 このことは、逆にこの世界規模の街金—アジアインフラ投資銀行があぶなくなった時に、世界でやっと理解されるさ。

※追記。
 元中国人の石平さんも投資銀行についてコメントしている。
--ここから--

 中国主導のアジア投資銀行は、本部を北京におき総裁は中国人が務める。
 参加諸国から常任理事を北京本部に置くこともしない。
 つまり経営は全部中国が牛耳ることになるから、どこの国に融資するのかは全部中国の国益で決める。
 他人の褌で相撲を取るとはまさにこういうこと。

 参加するEU諸国は阿呆だ。

--ここまで--
 なんどもふれた。
 中国国内の不動産バブル崩壊にともなって発生する不良債権も、この銀行を経由して、処理することを狙っているに違いあるまい。
 ご用心、ご用心。