2019年6月30日日曜日

アメリカ・トランプ大統領が、北朝鮮・金委員長をホワイトハウスに招待する


トランプさんって、「やりて」だなぁ。
 北朝鮮の金委員長を、常識の通用する世界へ、合理性>>感情 の世界へ近づけたということだろう。
 中国といい、北朝鮮といい、どこか「根性のひねくれた・拗ねた」ような国家・民族を、中国の場合は、「第二の阿片戦争を仕掛けるという方法」で、北朝鮮の場合は、「ホワイトハウスに招待」するという方法で、「常識の通用する世界」へひっぱりこんでいるのだ。

 逆にいえば、トランプさんという人は、「アメリカの大きさ・能力の高さ」というものを十分に知っているということなのだな。
 アメリカの「大きさ」「余裕」という「能力」を十分にしって、いわば、ベアハッグのように相手側を「身動きできないほどの抱きしめて」、方向転換というか、常識の通用する世界へひきづりこもうとしているのだ。

 なるほどなぁ。
 こういうやり方があるのだな、と改めて認識した。
 前大統領であるオバマさんの場合、黒人出身ということもあって、もう一つ「アメリカのもつ能力」を使いこなすことができなかったのだろうな。

 あぁ、表題の記事を転記する。

 CNNテレビによると、トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長をホワイトハウスに招待した。

▲補足、感想など

 北朝鮮の金委員長は、アメリカ・ホワイトハウスへ向かっていくだろう。
 今まで、散々、キチガイのようなセリフを言っていたが、「えっ、そんなことを言った?」と知らぬ顔をして、紳士然としてトランプ大統領に挨拶するであろう。

 つまり、「世界の嫌われ者・拗(す)ね者」 → 「合理性>>>感情」の世界へ突入するということだ。
 これだけのお膳立てをしなければ、ひねくれものって、「常識の世界」へ入ってこないのだな。
 そのきっかけを易々とつくれるトランプ大統領って、能力者としかいいようがあるまい。

 ついでだ。
 日本の戦後レジーム崩壊についての文章をみてみよう。

 --ここから--

2016/11/10()

・戦後日本の終わり トランプにより強制的に「戦後レジーム」終了
 戦後日本は、吉田ドクトリンを忠実に守ってきた。それは「親米」・「軽武装」・「経済重視」の三点セットである。むろん、自民党の中の派閥によりこの度合いに幅はあるが、基本的には現在の安倍政権も、この流れから大きく逸脱することはなかった。
 しかし、公然と「日本から米軍を撤退する」等と宣言してはばからないトランプが大統領になると、この吉田ドクトリンの前提たる「親米」の部分が、向こう側から拒否されているのだから成立しなくなる。
 そして「アメリカとの蜜月」を前提としたアメリカからの庇護を前提とした、「軽武装」路線も当然成立しなくなる。
 「憲法を改正して吉田ドクトリンを破棄する」ことがある種の「戦後レジームからの脱却」なのだと保守派・改憲派はこれまで叫んできた。

 すると、「戦後レジームからの脱却」とは、日本側の努力ではなく、唐突に、トランプによって成就することになる。
 こうなるともっとも狼狽するのは、ヒラリー政権誕生によって「日米蜜月」が、まがいなりにも続くと考えてきた政権与党や、親米保守(保守主流)である。
 彼らは今、衝撃を通り越して恐慌しているだろう。
 トランプ政権誕生によって、戦後日本がひっくりかえる。いやもうひっくりかえってしまった。
 アメリカの同盟国、つまり韓国やオーストラリアも同様であろうが、とりわけアメリカに庇護を求める傾向にあった日本ほど、トランプ政権誕生による衝撃の度合いは大きい国はないであろう。

・進む憲法改正気運
 しかし、トランプ政権誕生による「アメリカの庇護の終わり」は、元来保守派が夢想してきた対米自立、自主独立、憲法改正の機運を、たちまち高めることになるのは自明である。
 これは日本にとって大きなチャンスと捉えることができる。「日本はアメリカの属国だ」などと様々な方向から揶揄され、自嘲気味に日本人はそう自らを呼称してきた。
 そして戦後70年以上、この国の保守派・右派は、常に日本側からの努力によって「その属国の鎖」を断ち切ることを夢想していた。

 が、その「属国の鎖」は、日本側からの努力ではなく、アメリカ側からの唐突の終焉によって断ち切られるだろう。
 「とりあえず日米同盟を強化し、漸次的にわが方の自主的防衛力を高めていく」などと悠長なことを、親米保守の多くは思っていた。だが、そんな夢想はもう通用しない。

 日本は、対中(対北朝鮮)抑止力を自前で(どの程度を自前で用意するのかは不明だが)早急に準備し、政治も外交もアメリカに頼ったり、アメリカの庇護を求めることなく、自分の意志で決めることを強いられる時代に突入するのだ。
 繰り返すように、これは困難な道だが、しかし長期的には日本や日本人にとって乗り越えるべき試練なのである。
 当然、トランプ政権が誕生しても、現実的には議会や共和党穏健派との協力は不可欠なので、これまでの言動が軟化する可能性は十分にある。
 だが、明らかに大きな方向として、トランプ政権下、アメリカは日本への関与を減らすだろう。
 「中国が攻めてきたから助けてほしい?知ったことじゃない。自分の国は自分で守れよ」と、トランプならそう一蹴してはばからないだろう。
 もう北朝鮮のミサイル発射にも、中国の海洋進出にも、あらゆる外交課題について日本はアメリカに頼ることはできない、と考えて臨むよりほかない。
 日本の後ろにもうアメリカは無いのだと覚悟するよりない。もう与野党で馬鹿な議論、誹謗合戦をしている暇はない。
 日米同盟を経済的な損得で考えることも難しくなった。挙国一致でアメリカを頼らない「自主防衛」の構築を、たとえ防衛費の負担が多かろうと、急がなければならない。

 しかしこれは、当たり前のことなのだ。自分の国のことを他国に憚らず自分で決め、自分で守るのは、トランプ(大統領)に言われることなく、自明の理屈なのである。
 アメリカに頼って、アメリカに守られながら生きる日本の時代、つまり「戦後」は、2016119日のきょう、終わったのである。

 --ここまで--

 戦後レジームの終焉 → 新レジームの世界 へ という感覚がよく分かる。
 「日本のつぎなる150年」という新レジームかもしれないな。