2018年1月3日水曜日

日立製作所が、英国に原発を輸出

東日本大震災が2011年か。
 約7年を経過して、そろそろ、原発の新設の話がでるようになった。
 事故の混乱が収まって、原発新設の話がでるまで、これだけの時間が必要なのか—と思う。

 このブロクで何度もふれた。
 どこから、エネルギーをもってくるかというテーマは、その国の命運を左右する程のことだ。
 日本ももうすく原発を新設しなければならないタイミングがくる。
 そのためには、原発の建造技術を絶やしてはならないのだ。
 そのことを日本人は直視しよう。

 以下、新聞から抜粋。

 日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトに対し、3メガバンクと国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が、総額1.5兆円規模の融資を行う方針を固めた。
 事故などによる貸し倒れに備え、日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する。
 政府系の日本政策投資銀行は出資による支援を行うほか、中部電力など電力各社も出資を検討する。
 総額3兆円規模に上る原発輸出を、政府主導の「オールジャパン体制」で後押しする。
 JBICや政投銀による投融資も含めると、政府が巨額のリスクを抱える形となる。
 損失が発生すれば、最終的には国民負担を強いられる懸念もある。

 投融資の対象となるのは、日立の英国子会社が2020年代半ばの稼働を目指し、英中部アングルシー島で進める原発新設プロジェクト。
 日立は投資の最終判断を19年度に下す予定だが、リスクを1社で負うのは不可能として、日英両政府や金融機関と協議を続けている。
 国内金融機関と政府全額出資の日本貿易保険(NEXI)は昨年12月、日立の求めに応じ資金支援の意思を示す趣意書を提出した。

 関係者によると、日立は現時点で原発建設の事業費を3兆円程度と見積もり、うち1.5兆円程度を金融機関の融資、残りを出資で賄うことを見込んでいる。
 融資のうち、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは1行当たり千数百億円程度を拠出し、3行の融資総額は5000億円規模となる見通し。
 NEXIが債務を保証する。残りはJBICや、英国の民間金融機関が融資する。

 出資は政投銀が意向を日立に伝えたほか、日立製の原子炉を国内で使用する中部電力と日本原子力発電も検討に入った。
 日立は東京電力など他の電力会社や商社にも出資を打診しており、関連事業会社連合の協力でリスク分散を図る。
 原発新設を急ぐ英国政府もプロジェクトに出資する意向で、日英両エネルギー担当相は昨年12月、今後の協力に関する書簡を交わした。

 原発建設は、11年の福島第1原発事故後の安全コスト増大で世界的に採算が悪化しており、東芝の経営危機の原因にもなった。
 だが政府は「技術を絶やさないためにも、英国のプロジェクト獲得は必要」(経済産業省幹部)との立場で、全面支援の姿勢を示している。

補足、感想など

 記事の最後のところ。
 技術を絶やさないためにも—というところに注目して欲しい。
 まだ、原発に代替できるエネルギー発生装置は見つかっていない。
 日本で多少とも可能性があるものが、潮流発電であろうが、仮にこれが本命であるとしても、実用化するには、もう数十年の時間が必要だ。

 すると、実際に実用可能な原発に代替するエネルギー源ができるまでに、現在、再稼働中の原発の耐用年数が期限切れとなってしまう。
 ために、日常生活を維持するためのエネルギー確保には、原発を新設する以外に手段があるまい。

 だから。
 原発の建造技術を絶やしてはならないのだ。
 そのために、オール日本で、英国の原発新設を応援しているのだ。

 冒頭でふれた。
 エネルギー源を確保するということは、その国家の命運を左右するほどのことだ。
 先の大戦時に、日本が南進作戦を強行して、石油を確保した理由を考えてもみよ。

 石油の一滴は、血の一滴だなんてスローガンがなかったか。
 今もって、日本にはもともなエネルギー源がないという現状を直視せよ。

 メタンハイドレートというものもあるが、そういう新エネルギー源にも複眼的に実用化を図るべきであろう。

 メタンハイドレートの記事も掲載しておこう。

 --ここから--

 2018.01.02
 エネルギーの大半を輸入に頼る日本だが、世界のエネルギー産業の形を変えうる新技術の開発を進めている。しかも、この技術で使われる資源は日本の領海の海底に大量に眠っている。
 「燃える氷」と呼ばれるメタンハイドレートは、水とメタンが結合し、結晶化した物質で、米エネルギー情報部によると、世界全体の埋蔵量は少なくとも2800兆立方メートルに上る。
 メタンハイドレートは、北極の永久凍土の中、深い海底など、高圧・低温の環境にのみ存在し、世界の他のすべての化石燃料を合わせたよりも多くのエネルギーを含有している。

 しかし、これまでメタンハイドレートからのメタンガスの商業的生産に成功した者はいない。
 日本はメタンガスの商業的産出に取り組んでおり、経済産業省によると、日本政府は2002年から2017年までの16年間に、研究開発費として総額約10億ドルを支出した。
 日本政府がこの技術の実現を目指す理由は2つある、と明治大学のm氏は指摘。
 1つはエネルギー資源の確保だ。国内資源を利用できればエネルギー安全保障の向上につながる。
 もう1つは化石燃料からの二酸化炭素排出量の削減だ。天然ガスを燃焼させた時の二酸化炭素排出量は、石炭を燃焼させた時のおよそ半分だ。

 「燃える氷」
 この「燃える氷」は、一見、氷と大差ないが、多量の天然メタンガスを含んでおり、1立方メートル当たりのメタン含有量は164立方メートルに及ぶ。
 この氷にマッチ棒を近づけると、メタンガスが発火し、氷は溶ける代わりに燃える。
 問題はメタンハイドレートからのメタンガスの取り出しが困難な点だ。

 その前にメタンハイドレートを発見する必要があるが、m氏によると、日本は西太平洋および日本海東縁部の排他的経済水域に豊富に存在することが確認されていると。
 特に日本の技術者たちが注目しているのが南海トラフだ。
 南海トラフは中部沖50キロに位置する細く、長い溝で、採掘されたサンプルや地震のデータを分析した結果、このトラフの下には日本のガス需要の10年分に相当する1.1兆立方メートルのメタンが眠っている。

世界初のガス産出
 研究グループ、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)は、2013年に世界初のメタンガス産出試験を実施。
 MH21のフィールド開発技術グループリーダー、y氏のチームは、世界で初めて海洋におけるガスハイドレートからの天然ガスの産出に成功したが、パイプ内に砂が混入したため開始からわずか数日で停止を余儀なくされた。
 そして2017年、山本氏のチームは2回目の海洋産出試験を実施した。

 同チームはまず井戸を2つ作り、さらに砂の混入を防ぐためパイプを特殊なポリマーで覆った。
 2つの井戸のうち1つは今回も砂の混入で閉鎖されたが、もう1つの井戸ではガスが流れ続けた。  MH21によると、この2回目の産出試験で計23万5000立方メートルのガス産出に成功したが、山本氏は砂問題の確実な解決策はまだ見いだせていないとしている。

 --ここまで--

 潮流発電にせよ、メタンハイドレートにせよ、実用化までにはまだまだ時間が必要だということが理解できるだろう。
 原発の耐用年数は、40~50年程度であろう。
 つまり、代替エネルギー源の実用化前に、現在稼働中の原発は、期限切れとなるのだ。
 どうしても、原発の新設が必要となることを直視してほしい。