2018年1月27日土曜日

お笑い、建前とは嘘をついていることだとさ

どこらに核心があるのかなぁ。
 文化の「洗練度」というようなものに関連しているのだろう。

 京都の「ぶぶ漬け」の話と同じだ。
 ちょいと、説明文を転記しようか。

 --ここから--

 京都以外の人はよく京都人のことを“いけず”だと言います。
 いけずというのは関西の言葉で「意地が悪い」という意味です。
 京都の人は本音を出さないとか、京都の人の言葉には裏があるとか言われることが多いのです。

 京都人の気質を表すエピソードとしてよく語られるのが「京都のぶぶ漬け」の話です。
 ぶぶ漬けとはお茶漬けのことです。
 京都の人の家にお邪魔して用事が済んだ頃、「ぶぶ漬けでもどうどす?」と言われたので待っていると、ぶぶ漬けはいっこうに出てきません。
 これは「早く帰りなさい」と暗黙に伝える言葉であり、正直に待っている客を"空気の読めない無粋な人”と陰であざ笑うという、上方落語などのネタにもなっている話です。

 --ここまで--

 上の「ぶぶ漬け」の話を理解した上で、外国人からの「日本人の本音と建前」についての議論をみてみよう。

 以下、文章から。

※リトアニア女性
・建前以前に表情を表に出さない。感情を奥深くに隠してる。
・日本人は相手によって態度を変える。
・だから本当に会話したいのか判断するのが難しい。
・日本人は礼儀正しいから会話するけど、本当に会話したがってるとは限らないから。
・それに日本人は信用できない。感情を示さない人を信用するのは難しい。
・デートとかクラブとか、他人と接する状況のこと。

※アメリカ男性
日本の建前は、西洋では嘘をついてることになる。
・デートに誘って、”いつかねぇ”って言われたら、絶対に無いってことだから
・建前のせいで日本人の言うことが信じられないよ。
・本当のことを言わないほうが失礼だと思うよ。

※シンガポール男性
・アジア人だからか知らないけど、問題になったことはないよ。
・友人は1,2度話せばオープンになるし。
・お店とか仕事中の人は建前を使ってるのは分かるけどね。
・常に相手の立場で考える日本文化が好きだな。
・常に自分の意見を言うのが、そんなに良いことだとも思わない。

※日本とアメリカのハーフ男性
・一部日本人だから、自分も相手と対立したくないと思う。だから問題になったことはない。
・文化の一部だと思うことはあるけど、深く考えたこともない。

※アメリカ男性
・外国人が日本人とデートしたいと思って、インストグラムをフォローしあったとする。
・建前で来週どっか行こうとか言うわけさ。でも行かないで、ソーシャルメディアで他の人と楽しんでるのを見せられるわけさ。
・嘘ついたのを指摘すると。”ごめんねぇ。すごく忙しくてぇ”、とか言われるけど、嘘なのは分かってるから、もういいよってなるでしょ。

※リトアにア女性
日本人は外国人を動物だと思ってるんだよ。
・公衆浴場に行く外国人はルールを知らないと思ってるのに、日本人みたいに振る舞うことを要求する。
・だから外国人を禁止してるところもある。
・日本語で予約した旅館が日本人限定だったけど、文句は言われなかった。
・動物にならないくらいに日本文化に精通してると分かったから。

補足、感想など

 冒頭でふれた。
 文化の洗練度というものは、こういう「他者との対応の仕方」に具体的に現れるのだ。

 以下、上の文章についての外国人の書き込みをみてみよう。

 --ここから--

・日本に行く人は特別じゃないだから日本文化を尊重しないと。

・なんで外国人は日本で特別扱いされたがってるんだろう。

・↑自意識過剰の白人だけだよ。どこの国に行っても自分が特別だと思ってるけど。

・建前はヨーロッパでもよく使ってるけどね。特に都市部では。

・彼女の説明を聞いたら、俺も建前を使ってるわ。日本人でも日本に住んでるわけでもないけど、相手で態度を変えるのはやってるよ。仕事中に哲学者の側面を見せて変なことは言ったりしない。

・建前は日本だけのことじゃないよ。日本に単語が存在していて、文化的な意味合いが強いだけで。

・この人たちは建前の意図を完全に誤解してると思う。自分の文化の常識を他国に当てはめるのは間違ってることもある。それは、わがままな無知だよ。

・この女性はアホだよ。どこの国にもTPOによって態度を変える人は居るのに。

・じゃあ彼女は俺も信用しないんだね。日本人じゃないけど。一般化は悪いものでしかないよ。

・建前は文明社会を営む上で必要なものだよ。でも友人や恋人になれば無くなるはず。

・アメリカ人は速攻で拒否するけどね。はっきりそんな気分じゃないって言う人が多い。相手の顔を立てるようなことはしないね。嫌いな人が居ればそう言うか、友人にはならない。

・俺が日本に行ったらすごく問題になりそう。ドイツ人はめっちゃはっきり言うから。

・建前は武道に必要なんだよ。対立は命に関わる。丁寧に嘘をつかないとどうなるか。刀による文化に許しはない。騎士道の時代に庶民がどうしてたか調べてごらん。単にすごく古い風習ってだけ。

・まあ、文化に関係なく女性はみんな建前を使ってるけどね。特に男性をあしらうときには。

・日本人を信じたくなければ、信じなければいいよ。君を信じる必要はないんだし。

・↑だよね。アジアに来たからには空気を読まないと。西洋人は特別じゃないんだから。マジで。

・アジア人として、東洋文化に対する西洋人は笑えるよ。空気が読めれば、建前なんてぜんぜん気にならないのに。嘘をついてくれたほうが分かりやすいこともあるんだよ。

・他人がなんと言おうと、私は日本人が一番信用できる。

・俺は全然問題ないよ。大阪に住んでるから、もっとはっきり言うし自然で本音を語ってる感じ。東京に住んでた時は建前にガッカリしたけどね。

・建前に我慢できない外国人に対する日本人の意見を紹介してよ。

 --ここまで--

 他者との距離のとり方というようなものかな。
 未開であればあるほど、距離が小さくなるのだろう。
 文明に染まれば染まるほど、他者と1.5メートルくらいの距離を取りたがる。

 その距離のとり方が、「本音と建前」という形で表現されるのだろうな。
 表題に書いた、建前が嘘だとかいう人間は、まるで「土人」のごとき存在としかみえない。

 日本人は、洗練化されてしまい、誰もが「ぶぶ漬け」の意味合いを理解しているところまで達してしまったのだろうな。
 ぶぶ漬けって、千年も京都が日本の「都」であったがゆえの所産であろう。