▲いや、妙な表題となった。
もう、かなり昔、中国で万里の長城というものをみた。
万里の長城の作った目的は、北からの騎馬民族の侵攻を防ぐためだ。
まぁ、意味としてはもっていた。
ただ。
筆者も技術屋の端くれだから、この万里の長城の施工の仕方のおかしさというものにも気がついた。
一番、おかしいな—と感じたのは、「連続」した構造体であるということだ。
なぜ、連続していなければならないのだ?
騎馬民族の侵攻を防ぐなら、進入路というか、幹線の部分を防げばいいことではないか。
山の天辺を馬にのって乗り越えてくる訳がない。そんなに高い構造物にする必要もない。
いや、日本の「ひよどり越え」にようなことがあるかもしれない。
でも、それは例外中の例外だ。
まず、幹線道路を押さえ、予備的にところどころを押さえていけば充分ではないか。
この長城の工事。目的のためには、無駄・無理が多すぎる。
で。
中国の官僚の選抜方法である、「科挙」という制度を考えてみると、選抜される科目が「文系」ばかりだということに気がつく。
つまり、万里の長城の建設を命令した人間は、皇帝及び「科挙」の試験を合格したものなのだ。
そこに技術的、工学的な発想というか、配慮のないことが分かる。
いや、長々と万里の長城にふれた。
これは韓国のなんとかトンネルという「お伽話」の記事を読んでいて、「あぁ、これは儒教的、万里の長城的」発想だな—と合点がいったためだ。
以下、新聞から抜粋。
2015年1月19日、中央日報は、日韓海底トンネルなどとりざたされる韓国の大型プロジェクトを紹介。
韓国から欧州までの直通鉄道。荒唐無稽に思えるこのプランが来月、韓国国会で「黄海・シルクロード推進トレンドと
戦略」討論会という名目で取り上げられる。
鉄道をフェリーに乗せ中国にまで運び、そのままはるか欧州へとつなぐという
壮大な計画だ。
もともと朴槿恵大統領はユーラシアを横断する経済協力ネットワーク「ユーラシア・イニシアチブ構想」を
公約としていた。
黄海・シルクロード計画はそれに合致するものとして注目されている。
韓国で取りざたされる巨大プロジェクトはこれだけではない。
済州島・ソウル間鉄道、中韓海底トンネル、日韓海底トンネルなど
さまざまな巨大プロジェクトの実現を目指して、さまざまな人々が声を上げている。
▲補足、感想など
いや、お伽話で、まぁ、聞いているだけなら面白い。
冒頭でふれたように、この話、技術的な配慮というものがない。
リスクの高さとか、経済性といったものへの気配りがない。
最初から、あぶない話だな、ということが丸わかりだ。
だから、こういうことを言いだす人って、「万里の長城」の建設を命令した皇帝とか、実際の工事の指揮をした文官達と「儒教的な常識」を共通して持つ人なのだろうな。
そういう言えば、万里の長城の山の斜面(麓部分)の巨大さ—と想い出す。
あの急勾配の長城の重量をどのようにして支えただろうか。さぞかし、難工事であったろう。
本来なら、幹線道路部分を遮るように谷あいを埋める施設とし、道路部分だけ開閉式にすれば充分であったろうに--。
核心はなんだろう。
中国といい、韓国といい、実際に石積みなどの肉体労働をする「職人」達の地位が低かったのだろうな。
彼らには発言する場が与えられていないのだろう。
だから。
地図に皇帝とか大臣が一本、線を引いて、ここに壁のようなものを築けとか命令すると、そのまま、万里の長城のようなものになるのだろう。
韓国のトンネル話もそうだ。
大統領とか、その下の文官達が、技術的な常識というものをもたずに、地図に一本、線を引くように思いつきで言い出すのだろう。
<最近、話題の平昌の冬季オリンピックの計画も同様の発想に基いているのだろう>
<最近、話題の平昌の冬季オリンピックの計画も同様の発想に基いているのだろう>
だから、お伽話なのだ。