▲表題は、中国人のいいだ。
中国経済のバブル崩壊を目前として、日本の過去でもほじくり返そうという話かもしれない。
ただ。
こういう中国人の問いの記事は、どうも、中国人のもつ日本への劣等感とか、返って、中華思想によるふんぞりかえりなどが入り混じり、奇妙なものとなりがちだ。
さて、さて。
以下、中国の新聞から抜粋。
2016-10-29
明治維新は世界的に見て、もっとも成功を収めた近代化革命の1つと認識されている。
長期に渡って鎖国を続けていた日本が明治維新からごく短期間で世界有数のの大国に数えられるまでの発展を遂げたことからも、成功の大きさを見て取れる。
一方、清の国でも西洋の文化などを取り入れ、国力増強を目指す洋務運動が行われたものの、大きな成功は収められず、頓挫したと考えられている。
中国メディアは、清の国の洋務運動が失敗に終わる一方で、明治維新が成功した背景を考察する記事を掲載。
記事は、日本が明治維新を通じて近代化と工業化に成功した理由について考察し、明治維新をきっかけに日本が古い体制を捨て、「急進的な改革」を成し遂げることができた「強大な力」を考察。
その理由の1つとして、福沢諭吉の脱亜論を挙げ、西欧諸国に敗れた中国を「師と仰ぐ」ことを止め、西欧に学ぶよう日本人に働きかけた人物こそ福沢諭吉であり、その思想こそ脱亜論だと論じた。
さらに、災害が多く、天然資源の少ない日本の「危機感」と「劣等感」も近代化を助けた強大な力の1つであると主張、また倒幕に成功したことによって改革の抵抗勢力を最小限にできたことも「急進的な改革」を成し遂げることができた「強大な力」の1つであると指摘。
記事が明治維新という日本の改革に注目したのは、経済の先行きが不安視される中国がこれから先進国を目指して成長を続けるうえでの参考となる点を見出すためだろう。
福沢諭吉のような先を見通す眼力のあるリーダー、国民の利益に真にかなった政策、また中国を成長させなければならないという国民1人1人の強い気持ちが必要であることを、記事は読者に訴えてかけている。
▲補足、感想など
福沢諭吉ねぇ。
それもあるだろうが--。
核心は、幕末・明治始めでの「識字率の高さ」だ。
70~80%程度はあったのだろうな。
中国人は、どうしても、こういう記事を書く時、識字率にふれることができないのだな。
中国人って、19世紀末なら、5%とかそこらだろう。
記事に書いてある洋務運動たって、国民の識字率が5%程度では国民が動く訳があるまい。
要するに、字の読める人間が少ないと、どうこうしたって国民が理解できないということだ。
繰り返そうか。
日本の明治維新の成功は、当時の日本人の識字率70~80%にのっかったものだ。
これなくして、成功などしなかった。
そして、明治維新から約70年で、日本人は、戦艦大和を建造し、ゼロ戦をつくったのだ。
これは、漢字かな交じり文という形式を採用している世界最強言語「日本語」によってだ。
つまり。
明治維新の成功とは、日本人自体が「成功」を望んでいた—ということが大事なのだ。
福沢さんが、なにを言ったかなんて、大したことではない。
一個人がどうこういったから—という問題ではない。
中国人の感覚では、識字率30%強の無学文盲の国民が多い中、それこそ、トウ小平さんのような指導者が、無知蒙昧な国民へ方向性を与え、ひっぱっていく—というイメージが強いのだろうな。
そうでなくては、国民がついてこないのだろう。
日本では違う。
日本の識字率の高さの結果として、「国民が勝手に考え」て、「勝手な方向へ進んでいく」のだ。
そのテンデバラバラに国民が考え・選択した方向が、富国強兵であり、近代化だったのだ。
だから。
明治維新は成功したのだ。