▲ある日、不可解な現象が目の前で発生する。
そこで、その現象がどうして生ずるのかと考える。
なぜ、そんなことが必要かと言うと、吉村昭さんの小説「漂流」に見られるごとく、秋になってアホウドリ達が飛び立つという「目の前を流れる現象の根底にある」、「アホウドリは渡り鳥」だから—という「核心」をつかまないと、長吉達は、その冬には餓死していたから。
<因みに、理系出身の人間は、殆ど痴呆症にはならないのだそうな。上のような余計なことを考えていきているからだろうな>
<因みに、理系出身の人間は、殆ど痴呆症にはならないのだそうな。上のような余計なことを考えていきているからだろうな>
で。
いま、「ロシアの高官が粗雑な言い方をする」という現象が発生する。
では。なぜ、こういう現象が発生するのだろうか。
ロシア人って、頭の回転が鈍いというか、どうしても洗練されない民族だ。
そのことは、どこらに核心があるのだろうか。
これは。
おそらく、中国と同じで「実際の識字率が低いのだろう」
ネットでロシアあたりをみていると、90%以上とは書いてある。
中国だって、そうだ。
90%を超えた「外向けの数字」と、実際というか現実では、せいぜい30%強という「実状の数字」との間に乖離があるのだ。<要するに、虚飾というか、外向けのコケオドシ・ハッタリだ>
ロシアもそうなのだろう。
ロシアの現在時点での現実の識字率を推定する手がかりがないが、ロシア革命(20世紀始め)の頃で、1割以下ぐらいでは—という話があるので、上の中国と大差はないような感じがする。
せいぜい、今でも実状40%位ではないのか。<ロシアの場合、ツァーリズムというモンゴル帝国の制度がそのまま継承され、国民が農奴という状況だったから、教育等は貴族だけだったのだろう>
そう考えると、現在のロシアの人口とgnp
のバランスのようなものが納得できる。
また、ロシア高官の「粗雑な言い方」の理由が理解できるような気がする。
ちょいと、ロシアの人口とgnp の額を見てみようか。
人口 1.4億人 gnp(2016)140兆円 ぐらいだから、一人当りのgnp がほぼ、100万円ぐらい。
gnp
は、収入も意味するから、子ども・老人を含めて100万円/1人の年収ということだ。
日本人の4~5分の1くらいに相当するのか。
で。
日本とロシアとのこの「差」ってなんだ? と思わないか。
筆者は、上でふれたようにこれが「識字率」の差であろうと推定する。
以下、新聞から抜粋。
2017年09月05日
ロシアのモルグロフ外務次官はインタビューに応じ、南クリル諸島(北方領土)における露日共同経済活動の展望を語り、ロシアは日本が第2次世界大戦の結果を認めるよう努力していくと述べた。
日本は北への圧力強化をロシアに呼びかけている 上月駐ロ大使
モルグロフ外務次官は、平和条約問題におけるロシアの姿勢に変更はなく、第2次世界大戦の結果を日本が認めるよう一貫して努力していくと述べた。
さらに、ロシアはクリル諸島の主権に関する原則的な姿勢を崩すつもりはなく、ロシア法を前提にしていくと強調。
それに加えて、経済協力の強化や首尾よく実現した共同活動の経験が、露日両国の信頼と友好を最大限に高め、平和条約締結につながる一歩となるとの見解を示した。
2016年12月15日、16日にかけて行われたプーチン大統領の訪日は、平和条約と南クリル諸島という2つの主要テーマと、2国間の経済協力に捧げられた。
会談の結果、プーチン大統領と安倍首相は共同声明を行い、南クリル諸島における日本とロシアの共同経済活動に関する協議開始が、平和条約締結への重要な一歩になり得ると指摘。
さらに、ロシアと日本は60以上の様々な合意書に調印した。
8月23日、メドベージェフ首脳が南クリル諸島における先行社会経済発展区(TOR)「南クリル」の創設を承認。
▲補足、感想など
プーチンさんのこのところの「曖昧」な姿勢の根底にあるものはなんだろうか。
おそらく。
原油価格の将来へ向けての「予想」だ。
--ここから--
バレル当り、米ドル
2017 9月 48.09
2017 10月 48.92
2017 11月 48.02
2017 12月 49.44
2018 1月 48.82
2018 2月 47.76
2018 3月 46.08
2018 4月 47.30
2018 5月 47.77
2018 6月 47.94
2018 7月 46.21
2018 8月 43.90
2018 9月 44.20
2018 10月
42.83
2018 11月
40.69
2018 12月
41.67
2019 1月 42.45
2019 2月 40.94
2019 3月 38.90
2019 4月 36.95
2019 5月 36.37
2019 6月 37.70
2019 7月 39.58
2019 8月 41.56
2019 9月 40.66
--ここまで--
原油価格は、将来に向かって、少しづつ低下しているのだ。
ロシアは、原油、天然ガス等を主力の輸出品としている。
ロシアは、今の電気自動車への世界的な傾斜により、徐々に収入が減っていく国家なのだ。
そう考えると、上の記事でのロシア高官の話の意図が見えてくる。
要するに、「北方領土をどうするかは明確ではないが、安くては妥協しないよ」と、「安売りはしない」と強調しているのだ。
「安売りはしない」とロシア人か---。
まぁ、識字率40%程度の民族のセリフではある。
要するに、「目先のことしか」考えることができないのだ。「視野が狭い」のだ。
冒頭で識字率にふれた。
識字率が低いことが、現在、年間100万円の世界に甘んじている理由だろうと書いた。
いや、識字率がどうこうという前に、ロシア人は、「教育の大事さ」を理解していないのだろう。
だから。
シベリア鉄道を、樺太を経由して北海道へ接続なんぞという、アホらしい提案をするのではなくて、大人も含めて勉強できるようなインターネット(ないしは、衛星)を利用した「学習方法」の開発に協力してほしい—とかの提案の方が、もっと意味があるのではないのか。
早急にロシア人の識字率を上げる方が、シベリア鉄道をどうこうするより、ロシア全体のgnp
を上げる、より有効な手段ではないのか。
ロシア人は、視野の狭い提案をするな。
即、金になりそうな—というだけの提案をするな。
いくら、安売りはしない—と思ったって、日本側も「原油価格の情報」など、充分にはいる。
ロシアの将来へ向かっての「苦しさ」なんて、充分に知った上で交渉に臨むさ。
視野の狭い、識字率40%程度という民族の本性を見透かされるような、目先のことだけを考えた愚かしい提案をするな。