2018年5月2日水曜日

再生エネルギーが、次世代エネルギー源の中心となるものだろうか


いや、なにかというと三菱重工の火力発電の仕事がなくなるという記事を読んで、頭をかしげた。
 原発はいやだ—という。ならば、火力か風力などの再生エネルギーかだ。
 ただ、再生エネルギーって、基本、補助的なものでしかない。恒常的にエネルギーを生み出すことができないからだ。

 そんな不完全なエネルギー源が主力となる—という見通しというか計画がどこかおかしくないか。
 ムリヤリ、国民からの反発の少ないものを「主力」とするという、為政者の「科学性」「合理性」を無視したお伽話ではあるまいか。

 三菱重工の経営者も、このまま火力発電が減少しっぱなしではあるまい—と考えているようだ。
 どういえばいいのかな。
 国民受けするというか、反発の少ない選択肢を選ぶということを優先して、科学性・合理性を無視ないし軽視していないか。

 要するに、必要なものはどうしても必要なのだ。
 再生エネルギーなるものは、まだ、不安的なあやふやなエネルギー源でしかない。
 キレイゴトばかりいう為政者を疑え。

 以下、新聞から抜粋。

三菱重日米で火力再編受注残20年に枯渇
 生産統廃合や配置転換

 三菱重工業が不振の火力発電機器事業でリストラに乗り出すことが1日、分かった。
 日米の工場で生産の統廃合や人員の配置転換を進める。
 再生エネルギー拡大や環境規制強化により火力発電の新設需要は大きく落ち込み、2020年には三菱重工も手持ちの受注がほぼ底をつく。
 コスト削減で乗り切る構えだがヽ市場が回復しなければ一段の構造改革は避けられない。
 一連のリストラ策は三菱重工が8日記発表する予定の20年度までの中期経営計画に盛り込む。
 手を入れるのは三菱重工と日立製作所が14年に統合した火力事業を手掛ける三菱日立パワーシステムズ(MHPS)だ。
 三菱重工が65%を出資する同社の連結子会社で、ガス・蒸気タービンやボイラーなど火力発電機器事業を担う。
 MHPSは米国に2工場を持つ。
 うちサバンナエ場(ジョージア州)から燃焼器など部品製造をオーランドエ場(フロリダ州)へ移管。
 サバンナエ場は19年度以降に新たに産業機械の生産設備を導入するほか、人員削減を検討するなど「非・火力」ヘシフトする。
 日立への遠慮があった」 (三菱重工幹部)ため手つかずだった国内生産拠点の再編にも踏み切る。
 複数の工場にまたがっていたガスタービンの製造を主力の高砂工場(兵庫県高砂市)に集約。
 日立工場(茨城県日立市)は蒸気タービンや水車、長崎工場(長崎市)は産業用プラントの関連機器など品目を絞る。
 横浜工場(横浜市)は火力発電機器の補修・サービスに特化する。

 生産再編で効率化し、余剰人員を自動車向け夕ーボチャージャー(過給器)など好調な三菱重工の他部門に配置転換したり、日立からMHPSに転籍した従業員の一部を日立本体に戻したりすることも検討。
 将来的には国内拠点5ヵ所の統廃合も視野に入る。
 「今のままではとても生きていけない」。
 中計の策定に当たり、宮永俊一社長はこう社内を説得して回った。
 同社としては異例の就任6年目に入った宮永社長は、営業利益の5割超を占める火力部門のテコ入れを改革の集大成に位置づける。
 念頭にあるのが2020年問題」だ。世界の火力発電の新設需要は当面、15年の約160ギガワットの2分の1から3分の1に落ち込む見通し。
 三菱重工も現状では過去の受注分の高水準な生産が続くが、新規受注が見込めず20年をメドに工場の稼働が大きく落ち込む。
 既に米ゼネラル・エレクトリック(GE)は電力部門で1万2000人、独シーメンスも火力発電事業を中心に6900人の削減を決めた。

 中長期的には新興国などで一定の需要が見込めるものの、三菱重工も20年を乗り切らなければ将来はないとの危機感がある。
 構造改革により20年度までにMHPSの固定費を全体の1割にあたる300億~400億円削減し、売上高営業利益率を6%台から14%前後へ引き上げる計画だ。
 三菱重工は今年に入りMHPSのドイツの拠点で従業員の3割に当たる300人の削減に乗り出したが、抜本的なリストラには慎重だ。
 「需要は2、3年で戻ってくる」(宮永社長)との前提で、今回の構造改革でも拠点再編や従業員の配置転換に力点を置いた。
 今後は発電所の稼働監視などのサービスや高効率な次世代ガスタービンで需要回復の機を逃さない考えだ。
 ただ火力発電の市場環境が厳しさを増すなかで、より踏み込んだ構造改革が必要になる可能性も残る。
 
欧米勢もリストラ
 化石燃料を消費する火力発電への逆風は一段と強まっている。
 独シーメンスは人員削減と同時に、ドイツ国内の工場2ヵ所を閉鎖。主力のベルリンエ場も規模を縮小する。
 米ゼネラルーエレクトリック(GE)も低迷する火力発電関連事業でリストラを進める。
 特に二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力への風当たりは強い。日本でもJパワーや関西電力などによる建て替えや新設案件が頓挫。
 インドでは1017年に564基の石炭火力(総出力452ギガワット分)の新設計画がキャンセルになったほか、126基(同81ギガワット分)の建設が一時的に止まっている。
 ノルウェー政府年金基金や仏保険大手アクサ、日本生命保険などの機関投資家が化石燃料関連からの投資撤退を相次いで表明。
 ESG(環境、社会、企業統治)投資が広がったことで、資金調達と計画の履行が難しくなったことが背景にある。
 安定的に電力を供給できるため、中長期的にはベース電源として新設需要が見込めるガス火力も足元では苦戦する。発電コストが下がった再生可能エネルギーに押されているからだ。

 国際エネルギー機関 (IEA)の試算では、温暖化ガス削減などの国際目標を達成した場合、化石燃料による発電量は現在の65%から40年に20%に低下するとみられる。火力の冬の時代は当面続く可能性がある。

補足、感想など

 麻生さんではないが、「なにか夢のようなことを言っている」という気がしてならない。
 再生エネルギーが中心となるためには、蓄電装置のようなものが必要になるだろう。
 単に、風力、太陽光を大量に設備すれば間に合うというようなものではあるまい。

 そこに無理がある。
 やはり、主力は原発(原子力)であろう。
 原発が中心となって、火力および再生エネルギーが補助的にエネルギーを供給するというのが、技術的・科学的に真っ当な発想だと思える。