2016年10月7日金曜日

中国人のノーベル賞はこれからだ

うん、ウソではない。
 その通りだろう。

 ただ。
 中国人のものの見方には、感情がからみつく。
 情緒的にものを見る—とでも言えばいいのかな。

 軍人・兵隊にもっとも向かない民族だなと感じる。
 あの上司が気に食わないから、爆弾の数を多めに報告してやろう—とかやりかねまい。
 指揮官は、下からの報告を根拠として、判断する。ところが、爆弾の数が違っていれば、当然、うまくいかない。
 戦場でのこういうミスは、生死に直接関わる。

 だから。
 明治の初め頃、ヨーロッパからの軍事関係のお雇い教師達は、日本の軍人の卵達に向かって、感情を絡めるな、事実のみを言え、事実のみを報告せよ—と口が酸っぱくなるまで繰り返して教えたという。

 今の言葉で言えば、合理性を重んじよ、科学性を重んじよ---とでも言うことなのだろう。
 ところが、今の時点でも、中国の新聞などを読むと、感情を絡めた文章となっているのだ。

 もう、21世紀も20年近くも越えた時点でだぞ。
 上で例示した明治期の話は、1870年代の話だろう。

 これは、中国の教育がまともではない—ということを意味している。
 今持って、大人の世界で科学性・合理性というものが軽んじられる社会ってなんだろう。

 以下、新聞から抜粋。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は、2016年のノーベル医学・生理学賞を東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏に授与すると発表。日本人のノーベル賞受賞者数は計25人となった。
 中国メディアは、2000年からの17年間で日本が出した自然科学分野におけるノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界2位と伝え、「中国が日本のようにノーベル賞受賞者を輩出できる日は来るか」と投げかけた。

 まずは、中国の自然科学分野におけるノーベル賞受賞者が1人と指摘し、日本が数多くのノーベル賞受賞者を輩出できる理由を考察。
 1つ目は日本が教育を重視する国であることを挙げ、「江戸時代のころ、江戸に住む成人男性の識字率は70%以上に達し、ロンドンの20%、パリの10%未満を大きく上回っていた」と伝え、日本は教育に高い関心を持つ国民性であることを指摘。

 また、日本が基礎研究を重視していることもノーベル賞受賞者の輩出につながっていることを指摘し、日本政府が科学研究費を助成する制度のもとで、研究者たちは必ずしも経済的利益が見込めない分野でも研究を行うことができると紹介。
 体制としての保障があるからこそ、科学研究は尊厳と社会的な地位が保障されると指摘した。

 続けて、ノーベル賞の受賞には知識の蓄積が必要であり、現在の日本がノーベル賞受賞者を輩出できるのは1980年代から90年代にかけて行われた研究の成果であると指摘。
 一方で日本は近年、財政が逼迫し、研究開発に対する投資が減少傾向にあり、論文の数や質から見ても日本の研究開発能力は低下してきていると主張。

 一方で、中国では基礎教育が充実し、研究開発への投資も増えていることから、2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した屠ヨウヨウ氏に続く研究者が今後、続出するのではないかと期待を示した。

補足、感想など

 ふ~ん。
 じゃ、18世紀、中国人の識字率が5%ぐらい、現在の中国人の識字率は、40%強ぐらいだ—ということも指摘しろよ。

 自分の姿を鏡で見ることが怖い—というか、自分自身を直視できないということだろう。
 中国という国家は、6億人以上の「文盲」を国内に抱え込んでいるということか。
 彼らが足かせとなっているのだな。

 これでも、中国語が「欠陥言語」だということを認めようとしないということか。
 余計なことだが、中国語に日本語の「かな」を採用したらどうさ。
 日本の小学一年生は、さいた、さいた、さくらがさいた---という文章から始めるのだ。
 6才くらいなら、上のような文章から始めれば、すぐに自分の意志が文字として表現できる。

 対して、中国語では6才の時点で、漢字を教えるのか?
 そこに無理があるだろう。

 いや、話がどこかに行った。

 確かに、日本が豊かになると同時にノーベル賞の受賞者が増加した。
 日本の最初の受賞者は、湯川先生だが、貧乏な時代の日本を背景に、紙と鉛筆さえあればできる学問だったから—とか言われていたな。

 でも。
 お金さえかければ、学問が進歩するものではない。
 冒頭でふれたように、中国人には、「知的正直」を軽視するという悪弊がある。

 日本のノーベル賞受賞者の「顔」を見ていれば理解できるであろう。
 はったりなんて関係ない、虚飾もない、ただただ「事実をおっかける」ということしか考えていない—そういう顔だ。
 「知的正直」というものをそのまま、人間にしてしまった—そんな存在なのだ。

 中国人に、そのあたりのことが理解できるかな。