2016年10月19日水曜日

小泉元首相の「原発ゼロ」は机上の空論

小泉さんの講演に人が集まる—というのが筆者には不思議で堪らない。
 こんな非科学的なことを言って、他者を納得させることができるのか。

 原発ゼロと言いたくば言えばいえ。
 でも。
 じゃ、原発に代替できるだけのエネルギー発生源を示してみよ。

 原発に代替するだけのエネルギー発生源が見つかって、やっと、原発ゼロとするかどうか—という議論が始まるのだ。

 小泉さんの言っていることって、単なる夢物語を絶叫系で喚(わめ)いているだけだ。

 以下、新聞から抜粋。

 小泉純一郎元首相が、長野県で講演し、16日行われた新潟県知事選で柏崎刈羽原発再稼働に 慎重姿勢の新人が当選したことについて、「自民、公明、連合が支援した相手に勝ち、予想外の番狂わせだった。原発が危ない、安全でないと、国民が分かってきたのではないか」と感想を述べた。

 また、次期衆院選で野党が統一候補を立て、「原発ゼロ」を最大争点とした場合、 「自民党もどうなるか分からない」と述べ、新潟知事選の影響は大きいと強調。
 小泉元首相は、首相在任当時、専門家の意見を信じ、原発は必要だと考えていたといい、 「福島事故で、安全でクリーン、低コストだと言っていたのが全部うそだと分かった。

 過ちが分かったからには、 それを正し、償う意味で、『原発ゼロ』運動を始めた」と明かした。
 時折、首相時代のような絶叫調で 「原発ゼロはできるのになぜ(政府は)やろうとしないのか」「ピンチをチャンスに変える時だ」と熱弁をふるった。

補足、感想など

 小泉さんがなにを言っているのか—筆者にはさっぱり分からない。
 原発というものは、コンパクトで効率のいいエネルギー発生装置なのだ。
 現在のところ、この原発に代替できるだけのエネルギー発生装置は見つかっていない。

 それは候補はたくさんある。
 太陽光とか風力とか水力とか地熱発電とか、潮力とか---でも、実用化されるまでには、もう数十年かかるだろう。

 つまり、その間は、原発に頼るしか手段はない—ということなのだ。
 この部分を直視せよ。

 また、文系の人間は、技術者に向かって完全に安全なものとせよ—とか簡単にものを言う。
 でも、技術者に100%安全なんて、絶対言えない。
 100%に近づけるよう努力するとしかいいようがない。
 そのあたり、原発技術者達を信じてあげてほしい。

 技術者は、なんでも口にする、口のうまい政治家ではない。
 絶対に安全に--なんて言い方はできない。

 でも、100%に近づけるように努力するくらいは言える。
 そのあたり、技術者の熱意と努力を信頼してあげてほしい。