2016年10月2日日曜日

我々は、我々とともに生きる人々を決める権利がある、とハンガリー

まさしく、正論であろう。
 この最も大事な部分を蔑ろにする共同体などというものは、お花畑思想そのものであろう。
 また、未来のないものだと思える。

 欧州連合という「おとぎ話」は、そろそろ賞味切れとなりそうだ。
 そして、賞味切れとなしたのは、軽挙妄動の女王であるドイツのメルケル首相であろう。
 難民受け入れなんぞという軽率な判断は、ドイツを、そして欧州連合というものを谷底に突き落とすような判断であった。

 長谷川慶太郎さんの本を読んでいると、近い将来、欧州連合が解体されユーロという共通通貨を廃止し、ドイツのマルクを通貨とする国々という形態へ移行するのでは—と書いてあったが、その可能性も高いと思える。

 ドイツを中心としてそれにもたれる国家群—とでも言えばいいのかな。
 世界を俯瞰してみれば、米-日-独-中 という並びに変化していくということか。

 以下、新聞から抜粋。

 欧州連合(EU)の「玄関口」のギリシャに留め置かれたシリアなどからの難民が、再び西欧を目指している。
 EU諸国の受け入れが進まず、北上するが、ハンガリーが設置したフェンスがセルビアとの国境に立ちはだかる。
 EUによる難民割り当ての是非を問う国民投票がハンガリーで行われるのを前に、国境地帯を歩いた。

 ◇受け入れの是非、2日国民投票
 高さ3メートル以上の鉄条網が設置され厳重に警備されたハンガリー国境前にテントが並んでいた。セルビア北部ケレビア。EUが「閉鎖」したはずの「バルカンルート」をくぐり抜けてきた難民たちがそこにいた。

 「私たちは動物ではない。人間なんです」。
 シリア出身のムハンマド・アリさん(38)は訴える。内戦下のシリアを出発したのは1月。
 兄妹は昨年、ドイツに到着しており、ムハンマドさんは金をためた後、妻と子供6人で後を追ってドイツを目指した。
 だがトルコからボートでギリシャに着いた3月、EUは国境を閉鎖。
 事態は動かない。7月、ついに前に進むことを決意。

 密輸業者を使い、ギリシャ国境を抜けた。子供を抱きながら山岳地帯などを2週間以上、歩き続けた。立ちはだかったのがハンガリーのフェンスだ。

 昨年、欧州に流入した難民らは100万人以上。
 EUはギリシャなどに入った難民を各国に割り当てることで合意。だが、ハンガリーは難民割り当てを拒絶し、国境から流入する難民らへの対策を強化。

 1日計30人しか通行を許さない。キャンプなどにいる約6000人。通過だけで数カ月待ちで、仮に通過しても「多くの人は拘束される」という。

 国境に侵入すると、警察が「弾圧」する。ドローン数台が監視し、難民らを見つけると、警察官が大型犬を放ち、難民らを警棒で何回も殴ったり、催涙スプレーを放ったりして、セルビア側に強制送還する。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)中欧事務所のバーバル広報官は「ハンガリーは難民の権利を制限し、問題を解決する気が全くない」と非難する。
 一方で、ハンガリーのコバチ政府報道官は「我々には自分たちとともに生きる人々を決める権利がある」と主張。

 ムハンマドさんが、ハンガリー国境前に到着して約2カ月がたった。連絡はまだない。
 シリアでは教師だった。「内戦から逃れるため、土地を売った。密輸業者にも金を払った。でも、今は雨漏りのするテントで暮らし、シャワーにも入れない。なぜこんなことになったのか」

 シリアから逃れたと伝えても、ハンガリーは難民として受け入れてくれないかもしれない。
 記者がそう話すと、ムハンマドさんは笑った。
 「家族を守るため、兄妹に会うためには前に進むしかない。シリアにはもう帰れないんですから」

補足、感想など

 ヨーロッパの国々に行くと、国旗の一部が赤く塗られている。
 これは、自ら「血を流して」、この領土を確保したのだ---という意味である。
 血で血を洗うような戦争をして、やっと確保した領土へ、「密輸業者へ金を払って」たかりに来ようとしている—とハンガリーの人々は、自称シリア難民を見ているわけであろう。

 この根源的な「拒否反応」を、理不尽だのどうだの言えるか。
 つまり、この部分で、もう欧州連合というものの「未来はないのだ」。
 冒頭でふれた。

 欧州連合の解体 → ドイツ・マルク圏というドイツにもたれた国家群 へ変容しようとしているのだろう。
 この欧州諸国の変化に向かって、日本の毎日新聞が社説でなんたら言っている。
 ご紹介したい。

 --ここから--

毎日新聞2016101日 

 中東からの難民を分担して受け入れようとする欧州連合の「割り当て」政策を受け入れるべきか。  
 ハンガリーで行われる国民投票は、欧州統合の基盤を掘り崩す危険性をはらんでいる。

 英国は6月の国民投票で離脱を決めた。一方、ハンガリーの国民投票は、EUにとどまりながら、EUの政策を「民意」を盾に拒否しようとオルバン政権が画策したもの。
 有権者の過半数が投票し、投票者の過半数が「受け入れ拒否」を支持すれば、政権の「勝利」となる。世論調査を見るとそうなる可能性が高い。

 欧州には昨年、100万人を超える難民が流入した。昨年9月、EUは約16万人の難民を各国に割り当てることを決めたが、現段階で受け入れられたのは約5000人にとどまる。
 東欧諸国が割り当てに反発していることが受け入れが進まない大きな理由だ。

 第二次世界大戦後、移民や難民を受け入れてきた西欧諸国に対し、冷戦終結後にEUに加盟した東欧諸国は難民受け入れの経験が乏しい。
 昨年は西欧を目指す難民の通過地となり、駅や道路が難民に占拠されるなど社会に混乱をもたらした。難民の多くがイスラム教徒で、キリスト教に根ざす伝統的な社会の変容を懸念する国民の不安も理解できる。

 とはいえ、東欧諸国はEU加盟で大きな利益を得てきた。EUの一員として「いいとこ取り」は許されまい。政権には、寛容な社会づくりへ国民を説得する責任があるはずだ。
 オルバン政権は違う。
 2010年の選挙で大勝し、ハンガリー民族の歴史と伝統の偉大さを前文にうたう憲法改正を実現した。難民の脅威を誇張して不安をあおってきた。
 経済政策の行き詰まりから国民の目をそらし、政治手法への批判をかわすために国民投票を政治利用しようとしているのであれば無責任だ。

 ハンガリー国民投票の結果は、欧州諸国の反EU勢力を勢いづける可能性もある。
 自国の主張を通すために、国民投票が各国で乱用されるようになれば、EUの結束は乱れ、難民政策にとどまらず、あらゆる統一政策が立ちゆかなくなる恐れもある。
 EUと加盟各国首脳は、こうした「自国エゴ」の連鎖を食い止めなければならない。
 ハンガリーには、EUに加盟した当時の理想と気概をもう一度、思い起こしてほしい。

 --ここまで--

 ふん、この社説、毎日新聞にいるevenki族工作員の文章であろう。
 「金持ちにたかってやろう」というタカリ根性が横溢した文章といってもいいだろう。
 お前、金持ちだろう、オレ達ちゃ貧乏人だ。金持ちが貧乏人の面倒をみるのは当たり前じゃないか—と言っているだけではないか。

 金持ちには金持ちとなる理由あるだろうし、貧乏人は貧乏人である理由があろう。
 国家が混乱するには、混乱する理由があるからであろう。
 それを、金持ちは貧乏人の面倒を見るべきだ—なんて理由がどこにあるか。

 逆に言えば、なんとかいう国の国民であれば、自らの国土・国家を繁栄させるために努力すべきではないのか。
 それを、どこそこが繁栄している。じゃ、そこに行って「たかってやろう」という根性が卑しいといか、民族として不甲斐ないとは思わないか。

 この毎日新聞のevenki族工作員記者も、母国である韓国・北朝鮮という国家が混乱しているなら、みずからの力で、母国を繁栄させてやろう—とは思わないのか。
 そこがおかしいだろう。

 ハンガリーの国民投票はおそらく、難民割当を拒否するだろう。
 これは、欧州連合の解体 → ドイツ・マルク圏国家群 へと変化していく先駆けとなるものだ。