2016年10月21日金曜日

ひきこもりの自立は99%無理---か

そうだろうなぁ、と思う。
 他者と係るのが嫌という人。
 自らの劣等感に押しつぶされた人。
 自分でもなにかできると自分を信じきれない人--か。

 これを自立できる人にするためには、
 ✦他者と係るのが嫌ではない—と思う。
 ✦強い劣等感をもってはいるが、でも、オレにもなにかできると思い込むことが必要。
 ✦とにもかくにも、オレは「なにか持っている」と信ずる--自分の生きる力を信じなければなるまい。

 とりあえず、以下、記事を抜粋。

 内閣府が先月7日に公表した調査結果によると、仕事や学校に行かず、6カ月以上家族以外とほとんど交流せずに 自宅にいる「ひきこもり」(1539歳)の人は、全国に約54万人いるとされる。
 年齢層を広げ、外部との交流はあるがやはり仕事をしていない「ニート」を含めると、その数は確実に数倍になる。

 もちろん、行政の側もこういった状況を認識し、職業訓練や就業支援をはじめとしたサポート体制を整えている。
 しかし、何年も、ことによると10年以上も社会とかかわりを持たずに過ごしてきた人が、外に出て働くということは、やはり簡単ではない。

■「ひきこもり・ニートの99%は就労できない」が現場の常識
 公的機関のひきこもり相談員として、ひきこもりの自立支援に従事した経験を持つ伊藤秀成さんは、支援現場の常識は「ひきこもり・ニートの99%は就労できない」だとしている。
 多くの人が想像する「ひきこもり・ニートからの脱出」とは、「正社員として就労し、いずれ経済的に自立する」というプロセスだろう。実際に国は、そのプロセスをモデルとして支援を行っている。

 しかし、仕事として多くのひきこもりやニートと接してきた伊藤さんが、こういうケースに出会ったのはわずか一度。
 就労する意欲があっても「正社員」のハードルは高い。非正規雇用では、継続的に自立した生活を送ることができるか心もとない。そして、そもそも働く意欲のない人も存在する。
 ひきこもり・ニートにとって「正規雇用から経済的自立」というプロセスはかくも困難なものなのだ。

▲補足、感想など

 さぁ、どうだ。
 これを立ち直らせるというか、「自分を信じる力」を与える手段として、戸塚ヨットスクールなんてものがあるが、戸塚ヨットスクールの動画をみての、日本人の反応に筆者はギョとした。

 ユーチューブにある戸塚ヨットスクールの動画をみての、感想を転記してみよう。
 動画は、小学生くらいの子供を3日間ぐらいの体験入学をさせるというものだった。

 --ここから--

・親がバカだから子がもっとバカになる
・そうです。すべてのルーツは親です。
・そそ。何になりたくないって、この親のようになりたくないよな。戸塚自体は人間じゃないので論外だけど。
・強い子供を育てる✕ 大人が怖くて何も言えなくなる〇
・ライフジャケットがあるから大丈夫と大人は思うかもしれないけど、足のつかない水の中に投げ出されるってのは子供にとっちゃ命に関わる事態なんすよね。
 そんな自分を周りの大人が助けてくれないとあっちゃもう地獄っすよ。
 しかも終盤に出てきた親。疲れきった子供に重たい荷物を持たせて自分は軽い方を持つ。厳しくするのとパシリ扱いは違うんだよなぁ…アメとムチの使い分けもできないようじゃねぇ…

1979年から1982年にかけて、訓練中に訓練生の死亡・行方不明事件が複数発生。
 1982年に起きた少年の死亡に関し、警察は当初は過ぎた体罰による事故と見ていたが、遺体から無数の打撲・内出血の痕跡・歯2本の損壊などが確認された。
 警察は捜査の時期を伺っていたが、1983年に5月にスクール前の道路を走っていた暴走族に対して一部のコーチが暴行して逮捕されたのをきっかけに、傷害致死の疑いでスクール内を捜査が始まった。
 その後、指導員が舵棒(ティラー)と呼ばれるヨットの艤装品(舵取りのための道具。一部では「角材」と報道された)で少年の全身を殴打し、その後ヨットでの訓練を続けていたことがわかり、組織ぐるみの犯行として6月には校長が、その後もコーチや元訓練生、そして支持者等の関係者が逮捕され、他の死亡事件についても起訴された。
こんなんやるのは教育者ではない、唯の鬼畜や
・支持者どもは死んだのはコロされて当たり前のクズなんだって暴言吐いてますからね。
 戸塚を信じて志願入校した普通のご家庭の普通のお子さんのどこが殺されて当たり前の存在なんですかってんだ。 
・戸塚は「体罰は教育」とか言いながら、「刑務所に入ってた時に不当な扱いを受けた」とか言い訳してるからな。結局、自分が被害者になるのは嫌なんだろ?
・金をドブに捨てて子供に体罰を受けさせにいかせる意味がわからない
・親が厳しくすることに意味があるんじゃないのか?親が自分を甘やかしてるわ
・最後の方の泣き虫君「だずげでぐれぇぇぇぇ」(´;ω;)見てて泣きそうだわ。これのどこが美談だよ。
 人間の精神は負荷がかかると反対向きに動くんだよ。こんなところに行かされたら一生海に近づけなくなっちゃうよ。
・このスクールが発足した理由が、オリンピックでメダルを獲得するアスリートを養成するために作られた施設なんですよね・・・それで引きこもりに何故か効果があると評判になって今に至るらしいです
 そもそも戸塚はアスリートとしては一流かもしれませんが、教育者としての教育を受けたわけでは無いみたいですし、こういう方でも教育が出来るのはいかがな物かと思いますね
 メディアにも責任がありますね、大して根拠のない精神論で更正に効果がある!とかはやし立てて、そんなのただの気のせいでしかないのにも関わらず、メディアはこういうことが多すぎです
・現代は子どもが子どもを産む時代になっちゃってるからね。
 子育てをきちんと行う覚悟がなく、人任せにしかできないのであれば子どもを産もうとするな。普通に一種の虐待だろこれ。
・3歳児のヤツなんか、何父親がいい躾したぜみたいなドヤ顔してんの?
 溺れかけて海水を飲むって大人でも辛いし、こんな小さい子が肺に海水入ったらしぬかもしれないよ!
 親が虐待死者行方不明者がいる合宿をまず自分で入塾してからやらせろよ……
 今回の合宿で学んだ事は「この父親は生き長らえる為に子供をオモチャにするから頼りにならん」て事だわ
 放り投げとか気軽にしてるけど、普通に顔から落ちて水飲んだら気絶して簡単にしぬよ…母親側が見たら離婚すると思うね。
 そんなに溺れ死にさせたいなら自分でやれ!
・てめえでやってから、ってのは激しく同意。サイコパス親なんだろうね・・・。
・恐怖を克服するどころか新たな恐怖を植え付けられているんですがそれは…
・なんで死人が出たような施設に我が子を預けられるんや?死んだら取り返しつかんのやぞ?頭腐ってんのか?
・このビデオ見るとギョッとしますね。小さな子供たちがホントかわいそすぎる。帰りに子供の憔悴しきった様子に気が付かないバカ親に反吐が出ました。こんなの単なる虐待であり、育児放棄ですよ。
・憔悴しきった息子に気がつかないで、笑顔で車で寝るでしょうねとコメントしていた父親を見て、私も恐怖すら感じました。
あの息子さんが将来、ちゃんと人の気持ちとかをわかる人に育ってくれる事を願うばかりです。
・親が超絶狂ってる。入会金だけで300万以上だってさ。
・ああ、それであの志願入校を望んだ普通の家庭のお子さんに対して「お引き取りください」と言わなかったんですね。
 金になるから。
 そして挙げ句の果てに殺しておいて、自分の取り巻きどもに「あのガキは殺されて当然のクズなんだ」とほざかせてるんですね。どこまで腐ってるんだろうね。…と、そのように思われても仕方がないことやってますわ。
 更正施設なら、なおのことあの子に対して「お引き取りください」と言うべきでしたよ。
・戸塚何某が悪いのではなく、ここに預けて安心している親がアホウ。
子供が死んだり、障害おったら、訴えるんだろうなあ・・・。変な親。
・こんなとこに入れる親の元に生まれてきた子供たちに心底同情する。こういう親に限って自分の子供がぐれたら子供が全部悪いって決めつけるんだよね。私はまともな両親でよかった。本当に。この動画見て心から思った。
・老害「今の若者は根性がない!昔はこれが普通だった!」
・4、5歳の子供を雨の降る空の下海でヨットとかありえねぇ‼コイツ過去に何で自分が捕まったのか分かってんのか?

・私の周りには上記のような話をすると「信じられない!」と反応する正反対な教育を受けてきた友人達がいますが、どの子も本当に素直で明るくて、大企業に就職していたり、自分で会社を立ち上げていたり、仕事が評価されてビジネス雑誌でインタビューを受けていたりするのを見ていると微笑ましいと共に自分も育ち方が違えば同じようになれたのかな・・・なんて少し寂しい気持ちになります。単なる「甘え」だと思いますが。

・恐怖を更なる恐怖を与えて、乗り越えたと言えるのでしょうか。
また、海に放り投げる事をやらないではなく出来ないのはマスコミのせいと仰っていますが、マスコミに体罰がダメだと大きく伝えさせたのは戸塚ヨットスクールのせいでしょ。
 それに過去に2人行方不明になっていて、2人亡くなっているのだから。
 助ける事が出来ないのに、海に放り投げるのは傷害致死ではなく殺人です。
 また、未来ある子供の命を奪ってしまう前に一刻も早く廃校してください。

・こんな所に入れる親がおかしい。殺人犯だぞ。怖いと泣いてる子供を海に放り投げるは、溺れて海水飲んでるのに放置するは。明らかな虐待。こんなに小さい子達に恐怖しか与えない。可哀想で見てられない

・おそらく、戸塚のことをよく調べもしないで入れてるんだと思います
 戸塚のやってることは教育ではなく脅迫です、人の心を恐怖で支配して思い通りにさせてるだけです、何の意味もありません

・”このやり方を正しいと思う親が自分でやらずに人に預けて目の届かないところでやらせてニコニコ迎えに来る姿はどうしようもなく胸糞悪い”
 まさにコメント通り、胸糞悪いの一言。
 本来なら親が自分たちの恥ずかしい姿や失敗する経験も含めて子供に姿を見せないといけない役割なのに、何で赤の他人にあっさりと任せてしまうのか。
 「いやちがう、それをしつけるのはお前ら親の仕事だろーが!」と、これを見て思わず口に出た。
 
・「わかったぁ? 何生意気な口きいてんだ!」…こんなことを言われたら、極力何もしゃべらない方が良い、という考えに育ちそうですね。

・ただ、どんな時に体罰を受けるのか?と考えた時に
 まだこの世を生きて34年しか経たないこの子ども達が海に放置される程の、投げ込まれる程の、溺れさせなきゃいけない程の、殴られる程の悪事をした子ども達なのか?
 このスクールは、子どもの悪い面ばかりを掘り下げて体罰を受けさせる事、子どもを殴る事が目的になってるのではないか?

・体罰を受ける理由がないのに理不尽に叩かれたり、投げ込まれたり、放置されるのがこのスクールの何よりの問題点だと思うのは私だけだろうか。
・この世はある意味地獄だ現代の腐った人間達が指導者として児童の前に立つ。児童に恐怖を与えて躾と言う者は殺されて当然だろ。そして、お前らは人に害を与える老害は精神病院に隔離して欲しいだろ?
 人殺す犯罪者は刑務所に隔離して欲しいだろ?そして最も何を望む?完全に改心するか、その人が死んでいなくなることを望むはずだ

 教育でも躾でもない。海に放り投げるなど虐待である。体罰というひとつの教育方針だという人がいるが、海を怖がっただけでなぜ赤の他人から罰を受けなきゃならない?
 恐怖による支配で子どもを育てようなど、大人に従順な、大人にとって都合のいい人間を製造したいだけ。

・あと案の定昔は体罰があった今の子供はどうこうと言ってる人がいますが、子供の為を思って敢えて厳しく接する『教育』と恐怖と暴力で支配する『虐待』は全くの別物です。そして戸塚が行っているのは有罪判決も出た『虐待』にすぎません。

 --ここまで--

 なんというか、筆者からこの感想文をみると、小賢しいなぁと感じる。
 悪い意味で、皆、賢くなったんだなぁと思う。
 そして、この日本にひきこもりの多い理由も「こう考える親」が多いということで理解できる。

 簡単に言えば、ひきこもりからの「立ち直り」とは、自分で自分を信じる、自分でもできる---と信頼する力を与えるということだ。
 第一、今も戸塚ヨットスクールというものが「存在」しているいう事実を直視すべきだろう。
 戸塚さんを悪しざまに書いている人が多いが、「ひきこもりを立ち直らせる効果のある訓練」だと世間が認めているからだろう。
 でなければ、とっくの昔にヨットスクールなんて、つぶれているさ。

 ヨットの訓練を通じて、さんざん海の水を飲んで、「こんななにもできない無能なオレだが、それでも『オレにできるなにかがあるはず』と自分を信じることができた」ということではないか。

 ひきこもりの自立とは、結局、「自分にもなにかが絶対できる筈—と自分を信じることができる」ということに過ぎない。
 自分の力を信じる、自分の可能性を信じる。こんなアホなオレにも絶対できることがある—と信じる。
 それだけではないか。

 この視点から、上の「戸塚ヨットスクールの動画をみた人達の感想」の空疎さというものを感じないか。
 教育がどうたら、体罰がどうたら—なんて、「ウソ」っぽさはどうだ?
 人間が、「こんなオレにも絶対にできることがある筈」と自信をもつことの大事さに比べれば、教育がどうたら、体罰がどうたらなんぞ、クソ食らえ—という世界だな。