▲枝野さんが、原発として昨年春までに許可のおりていたものについて、工事継続を明言した。
筆者は賛成だ。
このブログで、筆者は、「原発ゼロ」などという非科学的・非合理な発言を聞くと憂鬱になると書いた。
原発をなくすというなら、原発に代替するエネルギー源を示してみよ—とそれこそ、何十回も書いた。
その筆者が、この枝野さんのコメントを聞いて、少し、気分が楽になった。
大切なことを繰り返したい。
日本という国が、どこからエネルギーをもってくるか—という問題は、一国としての命運を左右するほどのものだ。
そういう重大な問題について、日本ではシロウトばかりが集まって、実にお気楽に方向性が決定されている。
原発ゼロなどと簡単に口に出す人達にお尋ねしたい。
原発ゼロというなら、原発に代替するエネルギー源を示してみよ。そして、それは日本人が通常の生活を継続するに足るほどに安定的に供給され続けるものなのか。
それを答えてみよ。
それに答えることもできず、軽々に原発ゼロなどと口にする人間は、軽率かつ愚鈍な人間だ。
以下、新聞から抜粋。
「30年代に原発稼働ゼロ」を目標とする政府の「革新的エネルギー・環境戦略」について、 枝野幸男・経済産業相は、三村申吾青森県知事らと会談し、政府方針を伝えた。
枝野経産相は、戦略決定時に不明確だった建設中の3基の原発の扱いについて 「設置許可の出ている原発は変更しない」と述べ、原発の新増設とは見なさず建設継続を認める判断を初めて示した。
建設中の3基は、中国電力島根原発3号機(松江市)とJパワー(電源開発)大間原発(青森県大間町)、 東京電力東通原発1号機(同県東通村)。
いずれも東日本大震災などの影響で現在工事を中断しており、 早期に再開しても40年間の運転期間中に「原発ゼロ」の目標時期を迎える。戦略との矛盾が今後、問題になりそうだ。
このうち東電の1基については「賠償や事故対応の問題があり、建設を議論できる段階にない」と述べた。
会談には原子力施設が立地する県内4市町村長も同席。
三村知事は「原発を再稼働しながらゼロを目指す方針が立地地域の理解を得られるか疑問」と苦言を呈した。
▲補足、感想など
これは—と思う。
この「原発ゼロ」という言葉じたいが荒唐無稽なのだ。
いずれ、撤回というか有耶無耶になるものと解した方が正しかろう。
2030年頃になれば、原発と他にエネルギー源が併用されていると考える方がより妥当性が高い。
核心はなにか。
それは、この「原発ゼロ」という言葉があいまいで、かつ、日本人特有の「情緒性」にひっぱられた言葉だということだ。まぁ、「ゆとり教育」という言葉に似ている。
人間が通常の生活を継続していくためには、ある絶対量のエネルギーがどうしても必要だ。
だから、他に原発に代替するほどのエネルギー源がない以上、もう30年くらいは、どうしても原発に依存せざるを得ない。
そのことを直視せよ。
この毎日、毎日の生活を通常通りに暮らしていくことの大切さを直視せよ。
原発か他のエネルギー源の開発といっても、日々の生活を成り立たせた上での選択なのだ。
原発ゼロ—などという、非合理な、荒唐無稽な言葉にひっかかるな。騙されるな。