2014年3月3日月曜日

歌麿の肉筆画、深川の雪が見つかる。

見つかる—という表現もおかしくはある。
 どこかの個人が所蔵して楽しんでいたのであろう。

 たぶん、所有というか持つまでの経緯がなにかあぶなくて、そのあたりは顕在化しないものだろうな。
 なんでも、戦後の混乱期に、歌麿の肉筆画などがアメリカ人によって強引に買い取られていたらしい。
 それを避けるために、この絵だけは--と秘蔵したのかもしれないな。

 値段にすれば、数十億円—という骨董であろう。
 美術館で購入し、展覧されるということが一番いい対応であろうな。

 以下、新聞から抜粋。

 江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿の代表作の一つで、戦後、所在が分からなくなっていた、「深川の雪」が、日本の古美術商で保管されていたことが、明らかになりました。
 「深川の雪」は歌麿が描いた三部作の一つとして知られ、「日本の浮世絵の中でも記念碑的な作品と言え、 近世絵画史において重要な作品が見つかった意義は大きい」と。

 「深川の雪」は、江戸時代の代表的な浮世絵師、喜多川歌麿が描いた、歌麿の代表作です。
 「吉原の花」「品川の月」と共に、歌麿が三部作として描いた「雪月花」の一つとして知られています。
 ほかの二つの作品は、アメリカの美術館に所蔵され、「深川の雪」は、 昭和23年、展覧会に出品されて以降、所在が分かっていませんでした。

 「深川の雪」は、縦2メートル、横3メートル50センチほどの大きさで、浮世絵史上最大級の掛け軸です。
 東京・深川の料亭を舞台に、27人の遊女や芸者が遊びに興じたりする姿が、筆遣いと色鮮やかな配色で生き生きと描かれています。
 古美術商のもとでおととしから保管され、その後、 専門家が鑑定した結果、歌麿本人の肉筆画であることが確認された。

 専門家が分析した結果、歌麿の晩年期に当たる19世紀初頭に描かれたとみられる。
 鑑定を担当した、文華館館長は、「深川の雪は歌麿芸術の集大成とも言え、日本の浮世絵の中でも記念碑的な作品である。
 近世絵画史、ひいては日本の美術において大変重要な作品が見つかった意義は大きい」と。

 また、「深川の雪」を保管してきた古美術商は、 「ほかの二つの作品が海外にあるため、深川の雪だけは国内にとどめたい、 国内の美術館に買い取ってもらったうえで公開」と。
 「深川の雪」は4月4日から6月末まで、箱根町の「岡田美術館」で公開される。


▲補足、感想など

 テレビでチラッとみた。
 もう書かれて200年を越えるのだが、絵の具の色が色褪せない。
 余程、いい岩絵の具を使用しているのだろう。

 3部作のうち、2部はアメリカに—か。
 この絵だけでも、日本国内に留めたい。

 あぁ、遊女達の口紅の色が印象的だった。
 1800年代初めころ、上唇には赤色を、下唇には緑色(なんとか紅とか説明していたなぁ)を塗っていたのだ。
 日本人ってやつは、江戸時代からぶっとんでいたのだなぁ。