2015年10月14日水曜日

越水と堤防掘削に因果関係はないと国土交通省。

表題の言い方は正しい—と感じる。
 なぜって、鬼怒川の治水にどうしても必要だとするならば、そこは買収されて国有地となっていた筈だ。

 買収されていない—個人のもっている土地を所有者がどう使おうと勝手ではないか。
 堤防に隣接した個人所有の土地を掘削したから、堤防がどうとかなった・越水した—という言い方は、本末転倒であろう。

 現状の堤防で充分治水はできる—と判断したからこそ、隣接地を買収していないのであろう。
 まぁ、堤防の嵩上げのためにこれから買収する予定であった--かもしれない。
 しかし、未買収だというならば、堤防に隣接した土地の所有者個人の責任を問うことはできない。

 つまり、現状の堤防で充分だと判断したか、予算が間に合わなかったということであろう。
 この時。
 少なくとも、買収されてもいない個人の土地をどうしたこうしたと所有者を責めることなどできない。
 要するに、関係ない—。

 以下、新聞から抜粋。

 国土交通省関東地方整備局は、茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊地点から約4キロ北の地点で水があふれる「越水」が起きたことに関し、この場所にあった自然堤防を民間業者が掘削したこととの因果関係を否定する調査結果を示した。

 この地点の越水は、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設した民間業者による自然堤防の掘削が関東・東北豪雨での氾濫の一因との指摘があった。
 整備局は「掘削しなくても越水は発生していた」としながらも、あふれた水の量や勢いに掘削が与えた影響は「不明」としている。

 整備局の調査によると、越水の高さはもともとの自然堤防の一番低い箇所で約70センチだった。
 調査では、この越水地点より約600メートル下流でも、別の越水が発生していたことも新たに確認された。
 自然堤防が崩れ、水の勢いで地表が深さ約6メートル掘られていたという。

補足、感想など

 何度も繰り返すが、個人の責任にする—ということは間違っている。
 だから。
 国土交通省の発表でよい—と感じる。

 鬼怒川で越水が発生した主たる原因は、過去100年以上もの観測データからも予想のつかない程の雨が降ったということであり、また、予想もつかない程の降雨量があるのは、地球の温暖化が原因ということ。

 現状、地球の温暖化が改善する傾向はない。
 ますます、過去100年の記録を塗り替えるような雨が降るということになる。

 すると、コンスタントに予算をとって、全国の堤防を嵩上げするという工事を継続する必要があるということだ。

 今回の鬼怒川上流での降雨には間に合わなかった。
 だから。
 次回発生するであろう「想定外の降雨量」には間に合うよう、堤防の改良工事を急ぎたい。