▲週刊誌で、尖閣諸島の値段が表題のような数字となっていた。
筆者は、まぁ、そんなものだろうなぁ、と思う。
売買は確かに売主と買主との合意の元になされる。だから、合意するならいくらでも構いはしない。
ただ、個人 → 東京都 という売買となるので、価格は一般に開示せざるを得ない。
その時に、あまりに常識はずれであれば、売主にも迷惑を掛ける。
そのあたり、世間の目を考え、今までの経緯を考えれば、これ以上安いのもおかしい、これ以上高いのもおかしい—という線がある。
上の数字は、その上限だ—と記事にあった。
筆者も同感だ。
ただ、地権者は、この30年間、中国側から様々な嫌がらせを受けたようだ。
その中国からの嫌がらせに耐え、じっと所有権を維持し続けてこられた。
なにより、そのことに感謝したい。
以下、新聞から抜粋。
4月の石原知事による購入発言を受け、都が買収交渉を進める尖閣諸島地権者のkが、約40億円にのぼる 負債を抱えていることが明らかに。
k氏はs市の大地主であり、o近辺に多くの不動産を所有している。
登記簿謄本によれば、 m銀行は一昨年3月末、k氏が所有する物件に極度額24億5000万円の根抵当権を設定し、38件もの担保を取っている。
s金庫も昨年9月にo内の不動産に極度額15億円の根抵当を設定している。
しかし、s信金が設定した根抵当の担保は、土地2筆と平屋の建物2棟の4件のみ。
公示地価に照らし合わせると、2億3000万円の価値にしかならない。
「根抵当権の極度額は担保評価額の110%が一般的、担保としては足りないですね。
尖閣列島の所有者だから取りはぐれはないだろうという見込みで貸し込んだのではないでしょうか」
彼が負債を抱える理由を、k氏に聞くと、 次のような答えだった。 「地主は相続対策として、ある程度の負債を抱えておくのが常識ですから」 だが、ある都幹部はこのk氏の負債に影響していると。
「k1さんは事業に失敗し、それをk2氏が埋め合わせしたと聞いています」
一方で、都がk氏側と売却金額上限20億円で合意に至っている。
「20億という数字は『上限』というよりも暗黙の了解。世間の常識から考えてそれ以上になるべきでないというラインが20億です」
東京都は20億円という価格について「詳細はお答えできません」と回答。
都が寄付金は、現在約14億円に上る。寄付金を 購入資金とする以上、石原都知事は地権者との交渉経緯、購入金額の妥当性等について、説明することが求められる。
▲補足、感想など
まぁ、前段は余計な勘ぐりというものだろう。
尖閣諸島の値段については、記事にあるごとく、---20億という数字は『上限』というよりも暗黙の了解。世間の常識から考えてそれ以上になるべきでないというラインが20億です—で、そのとおりだと思う。
ついでながら、野田さんの尖閣諸島国有化のコメントは、野田さんの対中国、対国内の世論を考えてのポーズというかカッコツケだということが明らかだ。
先日、国から地権者へ申し出たようだが、別に本気で買うという気もないような姿勢だった。
“こんなに努力しているのに、地権者が売ってくれないんだよなぁ”—と対中国・対国内—へアピールしているのだろう。
これは-と思う。
東京都と地権者のk氏との話はもうほぼ決着しているようだ。
東京都が実際に尖閣諸島へ上陸し、一応の過程というか、順番を追って売買が成立した形となるまで、もうすくだろう。
冒頭でふれたように、散々、30年の長きに渡って、中国から嫌がらせを受けつつも、個人で所有を維持し続けてこられたk氏になによりも感謝申し上げたい。
20億円という数字がその苦労に報いる数字となっているかどうかは分からないが、世間の常識という視点からはそのぐらいで収めざるをえない。
そのあたり、ご容赦願いたい。