2012年8月14日火曜日

原発依存割合の調査なんて、なんの意味があるのか。


▲世論調査と称して「原発依存割合」なるものを国民に聞いている。
一体、これはなんなんだ?
聞く方も聞く方だし、答える方も答える方だ。
この回答を導きだす前に、なにが原発に代替するエネルギー源なのかという見通しの方が先だろう。
例えば、国家プロジェクトとして、地熱発電でというなら、それなりに主たる試行錯誤の一つとなりそうだ。
それでも、20-30年くらいの時間が本格的な実用化のためには必要だろう。
まぁ、原発に代替するエネルギー源がなんであって、どの程度の発電能力があるものか現在時点ではさっぱり分からないというのが現実であろう。
だから。
上の問いなど、意味がない。また、答えても意味がない。
一体、なんのためにこういう問いで、国民の世論を尋ねるのだろう。
そこにどういう意味があるのだろう。
そして、国民をどこに誘導したいと考えているのだろうか。
以下、新聞から抜粋。

NHKが行った世論調査で、2030年の時点で望ましいと考える原子力発電に依存する割合を、 政府が示している3つの選択肢の中から選んでもらったところ、「15%程度」が39%と、先月に続いて最も多くなりました。
NHKは、今月10日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、 コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行い、 調査対象の64%に当たる1046人から回答を得ました。
この中で、東日本大震災の前の年には、国内の電力のおよそ26%を賄っていた原子力発電について、 18年後の2030年の時点で望ましいと考える割合を、政府が示している3つの選択肢の中から選んでもらったところ、▽「0%」と答えた人が先月より2ポイント上がって36%、▽「15%程度」が先月より1ポイント下がって39%、 ▽「20%から25%程度」が先月より3ポイント上がって15%でした。

▲補足、感想など
「瀬踏み」のようなものかな。
冒頭でふれたように、2030年(今から20年後くらいか)時点で、なにが主たるエネルギー源となって、どの程度の発電能力があるのかさっぱり予想もつかない。
つまり、なにも分からないのだ。
それを○パーセントとか言わせるのはなんのためだろうか。
原発ゼロというのは、いくらなんでも難しい。それならどの程度なら、国民が許容するのかという「瀬踏み」(川の深さが分からないために片足をつっこんで深さを確かめること)ということかな。
えっ、それで記事では15パーセントが一番多いって。
だから、残り85パーセントは、原発以外のものにしたいという感じなのかなぁ。
しかしなぁ、これはそもそも本末転倒の議論だ。
まず、なにが原発に代替するほどのエネルギー源になるんだ?
国家プロジェクトとして、太陽光、風力、潮力、地熱などを競争させる形で、効率の高いものを見つけるということの方が先であろう。
こういう代替エネルギー源を探し、実用化させるという行動・実験の過程で、原発からのエネルギー供給をこのくらいに押さえることができると始めて分かるものではないか。
こんなバカバカしい意味もない世論調査をするなよ。
それよりも、効率の高い原発に代替・併存できるようなエネルギー源を見つけるプロジェクトを早急に立ち上げ、行動に移せ。