▲ドイツという国・国民も早とちりだなぁ—と思う。
なにか、世界に先駆けて-というような感覚が好きなのだろうが、根底で科学的な知識不足なまま、理念だけでつっぱしってしまう—というところがあるのだろう。 昨年の日本の福島原発事故を教訓として「原発廃棄」を早々に決めたのはいいが、代替するエネルギー源が見つからず、フラフラしている状況だ。
原発の替りに、太陽光エネルギーにエネルギー源をもとめたのだが、買取価格の高さが国民にとって想像以上の負担となり、苦しくなった。
以下、新聞から抜粋。
ドイツの電力事情=再生可能エネルギー法の見直し
再生可能エネルギー法の見直し
7月1日から再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度をスタートさせた日本に 衝撃的なニュースが飛び込んできた。
ドイツが太陽光発電の買取制度を大幅に修正することが決定したという。
開催された上院と下院の両院協議会において、以下の政策変更が決まり、同29日に内容を盛り込んだ法案が成立した。
・太陽光発電の買い取り価格の20~30%の引き下げ。
・太陽光発電の累計設備容量が5200万kWに達した後は太陽光発電の買い取りを中止
国民負担が非常に大きくなっていること(月間消費電力量が約300kWhの一般的需要家の負担額が 月1000円を超え、そのうち約半分は太陽光発電に起因したものとなっている)こと
シュピーゲル誌は「太陽光はドイツ環境政策の歴史の中で最も高価な誤りになる可能性がある」と指摘している。
▲補足、感想など
どこに核心があるのだろう。
要するに、早とちり—ということだろう。
昨年の日本の福島原発事故をみて、ドイツはこりゃまずい。ともあれ原発の廃止を—と後先も考えず、原発からの撤退を決定した。
頭でっかちというか、技術的な裏付けもとらず、理屈ばかりが先行して、行動・決断したものだろう。
原発を廃止 →じゃ、どこからエネルギーをもってくればいいんだ? →太陽光発電で と将来のエネルギー源の目処もまともに立たないまま、即行動した。
ところが、太陽光発電の効率が悪くかつ設備が高額な故に、高い価格で太陽光発電による電気を買い取らなければならない。
その負担増に国民が耐え切れなくなった—というのが現在であろう。
当たり前であろう。
そもそも太陽光発電というものが実用段階にはいっていまい。
だから、これはドイツのメルケルさんの「早とちり」なのだ。
本来の対処方法として、原発を稼働させながら、代替エネルギー源を開発・実用化させる—という併存期間を20-30年くらいもたなくてはならないものだったのだ。
ところが、日本の事故をみて、「原発こわい・こわい」という感覚が先にきて、エネルギーをどこに求めるか—という一国の命運すらも左右する肝心なポイントを見失ってしまったのだ。
メルケルさんが女性故の「短慮」かもしれない。
技術的な常識というか技術的な教養に欠ける決断だったといわざるを得まい。
ドイツは、もう一度、日常の生活を維持するためのエネルギーをどこに求めるのか—再考するタイミングが来ている。