▲大阪の産業界が、大阪市・府の示した「脱原発」に反発している。
筆者も、「脱原発」に反対する。
いや、ちょっと言葉足らずか。
30年後に「脱原発」と主張するなら、方向性の一つとして考慮の中に入る。
核心はなにか。
今、原発に代替するエネルギー源を示すことができない時点での「脱原発」ということに反対しているのだ。
逆に、脱原発ということを主張する人にお尋ねしたい。
原発に代替する「エネルギー源」は一体なんなのか?--と。
脱原発などといういかかわしいことを主張する人間は、なにか言うだろうなぁ。
風力があるとか、太陽光があるとか、地熱だ—とか。
このあたりだな。
それはある。しかし、どれもまだ「実用化」の段階に達していない。
筆者は、「技術職」に近い。
技術者の目からみると、上の議論はまさしく「シロウト談義」だ。
つまり、「いつ実用化するとも分からないものを当てにはできない」--ということだ。ここが一番肝心なことだ。
だから。
地熱とかなんだっけメガソーラーというものが実用化に耐えると実証されて、そこで始めて「脱原発」をするか否か---という議論が始まるのだ。
まず、「脱原発」ありきではない。
まず、原発に代替するエネルギー源の確保(地熱とか太陽光などによる発電が、原発に代替すると実証されることが先だ)ありきなのだ。
その一番大切なことを見失うな。
一番大切なことを、おろそかにするな。
上の筆者の主張を踏まえて、記事を読んで頂きたい。
以下、新聞から抜粋。
大阪府が来年1月に開催を予定していた「大阪新エネルギーフォーラム2013」が、府や大阪市が進めるエネルギー政策への反発から、共催する国や経済団体との足並みが乱れ、中止に追い込まれていた。
フォーラムは府や大阪市、近畿経済産業局、関西経済連合会など8団体が実行委員会を結成。
来年1月22~25日の日程で準備していたが、実行委の委員長を務める松井知事が6月になって、基調講演に府市のエネルギー戦略会議のメンバーを招き、同会議の活動報告をすることを提案。
府側は、同会議座長の植田和弘・京都大教授(環境経済学)を軸に調整を試みたが、同会議は6月、2030年までの原発全廃を盛り込んだ中間案をまとめるなど「脱原発」路線を敷いており、経済団体などが「産業振興というフォーラムの目的と違う」と反発した。
松井知事は「産業振興の前に、エネルギー政策の議論が必要だ」と植田氏の基調講演に強くこだわり、最終的に「足並みがそろわずに準備してもフォーラムは成功できない」として今月中止を決定。
▲補足、感想など
大切なことを繰り返したい。
まず、「脱原発」ありきではない。まず、原発に代替するエネルギー源の確保ありきなのだ。
大阪の財界の主張は、筆者の主張とほぼ同じ方向を向いていると思える。
逆にいえば、これは松井大阪府知事などが「短慮すぎる」のだ。
エネルギーをどこから確保するか—という問題は、一国の命運すらも左右する重要な問題だ。
このブログで何度もふれているが先の大戦の初期、日本軍が南進作戦を採用した理由をよく考えてみよ。
なんだっけ、石油の一滴は血の一滴—てなスローガンがなかったか。
だから。
そういう国の根幹を揺るがすような部分の決定には、シロウトに関与させてはならないのだ。
松井さんの方向性の出し方をみていると、この「シロウト」の意見に敏感に反応しすぎる。
リーダーというものは、大局的な見地から判断すべきであって、「シロウト」の意見を聞きすぎてはなるまい。
いや、話がどこかへいった。
元に戻せば。
まず、原発に代替するエネルギー源をどこに求めるか—その実証実験を急げ。
原発に代替すると実用化の目処がついた段階で、はじめて「脱原発」するか否か—という議論が開始されるべき。