▲目の前をなにげなく事象が流れていく。この流れ去る事象の裏側になにが有るのだろうか。
さて、表題の核心はなんだろう。
一つ目は、原発の再稼働がなかなか順調にいかないため。
二つ目が、原発に代替するだけのエネルギー発生源の本命とみられるものが見つからないからだ。
で。
環境省が推進する風力発電を、補助手段としかみてない経済産業省は、恒常的にエネルギーを得られるものとして、火力発電の必要を訴えるのだ。
筆者は、原発の再稼働及び新設をもっと推進するというのが、最も正しい方向性だと感じている。
以下、新聞から抜粋。
環境省は地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)の排出削減に向け、「脱石炭火力」を実現するため、洋上風力発電など再生可能エネルギーを推し進める。
石炭火力が液化天然ガス(LNG)の2倍のCO2を排出していることを踏まえ、LNGの設備更新など高効率化も目指す。
ただ、石炭火力の燃料費が安いことから、石炭火力の新増設計画を進めている経済産業省は反発している。
中川雅治環境相は、平成34年の運転開始を目指す石炭を燃料とする中国電力三隅発電所2号機(島根県浜田市)の建設計画について、「容認されるべきものではない」とする環境相意見を経済産業相に提出。
中川氏は記者会見で「事業の撤回を含めて考えてほしい。石炭火力から卒業してもらわなければならない」と述べた。
石炭火力は国内で約40基の新増設計画があるが、環境省は本音では石炭火力に否定的だ。
一方、経産省は石炭火力軽減を早急に進めるのは困難と考えており、両者には隔たりがある。
✦世界的潮流
ただ、「脱石炭火力」は世界的な潮流だ。
昨年11月にドイツ・ボンで開催された「気候変動枠組み条約第23回締約国会議」(COP23)では、石炭火力発電所の廃止を目指す「脱石炭発電連合」が設立された。
英国、カナダ、フランスなど昨年12月現在で58の国、自治体、企業が加盟し、フランスは2022(平成34)年までに、英国は25(同37)年までに、カナダは30(同42)年までに石炭火力発電を廃止する方針だ。
こうした世界情勢を受け、環境省は
(1)洋上に浮かぶ浮体式構造物を利用する「浮体式洋上風力発電」
(2)再エネが余ったときにためて、足りないときに取り出して使える「ハイブリッド蓄電池」
(3)農業をしながら農地の上で太陽光発電をする「営農型太陽光発電」-などを最大限に活用し、国際社会に日本の優れた技術を問いたい考えだ。
✦不安定懸念
これに対し、経産省の担当者は「フランスは原発を多く使っているため石炭はいらない。カナダは水力が多いが、ダムを造る時代ではない。再エネは高価だし、エネルギーの安定供給に向け、効率の良い石炭火力が必要だ」と反論する。
再エネは季節や天候によって発電量が大幅に変動し、不安定なものが多いことも懸念材料だ。
現在、日本はエネルギーの約30%を石炭火力に頼っている。
政府が閣議決定した平成42年度の電源構成目標によると、石炭火力比率を26%、原発を20~22%、太陽光などの再生可能エネルギーを22~24%とするなどとしており、相対的に石炭火力の比率は高い。
環境省幹部は「再エネ産業を活発化させることこそアベノミクスであり、環境技術は日本の成長産業になり得る」と強調する。
再エネか石炭か-。
東京電力福島第1原発事故以降、原発再稼働が簡単には進まない中で、エネルギーミックスの差配が問われている。
▲補足、感想など
混乱の核心は、原発の再稼働へ日本の国民がなかなか賛同してくれないからだろうな。
でもなぁ、と思う。
いまだに原発に代替するだけのエネルギー源候補は見つかっていない。
原発のいつくかが再稼働しても、10年以内くらいに、耐用年数が一杯となり、稼働できなくなる。
原発の新設を計画しても、うまく、国民を納得させることができるかどうか分からない。
で。
原発の大部分が、耐用年数一杯となり、新設もできない状況となる—という状況を経済産業省は想定しているのだろう。
だから。
今の内に、火力発電を増設しておこう—と。
それは、世界の潮流からは外れるかもしれない。しかし、エネルギーを確保することは、そんな世界の流れがどうこうということより、大事なことだ。
環境相の想定は、アイデア倒れとなる可能性が高い。理想論だけでは、実際に必要なエネギーが賄えない—と経済産業相は、想定しているということだろう。(電気は蓄積できないという初歩的な知識を思い出してみよ)
まぁ、はっきり言って世耕さんの方が環境相より賢いということだろうな。
本質論から言えば、冒頭で触れたように、原発の再稼働及び、新設を促進すべきだ。
原発でエネルギーを確保することの大切さをもっと、国民に向かって訴えよ。
世耕さんの口のうまさなら、国民を説得できるだろう。