2018年1月12日金曜日

なぜ、日本語は外国人に人気があるのか

問いが、ちょいとアレなのだが。
 掲示板に表題のようなものがあったので、ちょいと面白いと思った。

 まず、問いと転記して、その後に書込みを転記し感想を末尾でのべたい。

■問い
 日本語をけなしたいわけじゃない、日本語って日本の外では全く役に立たないし、難易度も高い。
 自分が日本文化の良さを分かってないからかも知れないけど、自分は日本に行って素晴らしい国だなとは思ったけど夢中にはならなかった。
 東京に30年間以上住んで、日本人と結婚して、日本語を話すアメリカ人達に会ったけど、彼らはそれでも外国人のように扱われて、決して日本人だとは思われていなかった。
 自分はオーストラリアに住んでいる、ここでは日本語がく最も人気のある言語なんだ。特に学生達に人気がある。
 自分も数年間小学生時代に学んだんだけど、今ではほとんど覚えていない。
 一体日本語の何がそんなに魅力的なの?何か意見はないか?

 自分は中国に住んでいたことがあって、大学とかで中国語の勉強をしたけどこれはキャリアに繋がっているっていう認識があった。グローバルレベルでたくさんの人が話しているからね。
 どうして日本語より中国語を学べるような教育システムにしないんだい?

■書込み

中国語(流暢に話せる)と日本語(そこまで流暢ではない)を学んでいるけど、日本語が多くの人を惹き付けるのには納得できる理由があると思う。もし仕事のキャリアで考えるなら中国語の方が良いだろう。でも言語を学ぶならその国の文化に興味がある方がモチベーションが湧く。
 日本は変な国だけど、それでも先進国だし民主主義だよね。一方で中国には汚染や一党制、日本に比べて生活水準が遥かに低いとか、魅力を損なう要素がたくさんあるんだよ。
 日本はTV、音楽、etcなどに遥かにたくさん登場するし、これが言語を学ぶ助けにもなるんだ。

端的に言うと日本はより近づきやすい存在なのさ。
 とはいえ、自分は数年間北京に住んでいて、ここをとても気に入っているけどね。
 ここニ年間はその前の年よりも改善されて来ているよ。一年の間に空気質指数が500を越える時期はあるけど、そこまで頻繁にはないね。大体の日は大丈夫だよ。
 それに大都市が必ずしも汚染されているわけではないよ。
 例えば河北省周辺はかなり酷いけど、南方の街は問題ないね。

・中国は無礼な人が多くて、街も汚いみたいな印象を受けていると思うね。
 西洋人が日本をイメージするとき、ゲームや美麗なアニメーション、知性ある人達を想像するけど、中国をイメージするときは「中国で育った」という理由で店に売れ残っているフルーツを想像するんじゃないかな。
 
・中国と言えば、安い、低品質な製品、人権の軽視、環境に悪い政策って感じだね。日本ほど文化的に惹き付けられるものは無いわ。
 日本ならゲームがあるし、映画やアニメ、漫画、本、音楽があるからね。
 日本で面白いものはたくさんあげられるけど、中国はインファナル・アフェアやThe Legend of Sword and Fairyくらいしか思いつかないね。

・日本の「経済不況」っていうのは、数十年前の日本の経済ブームを知っている西洋人が考えがちな大雑把な考え方だと思う。日本がそのままのペースで成長し続けるっていうのは不可能だから。
 日本は高度な経済力を持っていると言って間違いないと思う。世界で最高峰の経済力だし、日本人の勤勉さと高い教育水準を考えるに、日本が崩壊する可能性なんてないと思うね。
 日本語に人気があるのは、英語を除いて考えたときに、日本語のTV、映画産業は高度に発展していて、日本特有のユニークなスタイルを持っているからたくさんの人に魅力的に映るからだと思うよ。
 例えば日本のアニメーションに匹敵するものは存在しないから
 そしてアニメ以上に他言語を聞くことになるメディアもないと思うよ。
 別に日本に行かなくても、日本のメディアを見る機会はたくさんあるのさ。


・それに日本は世界で二番目に大きい音楽市場を持っているからな。

日本は識字率がほぼ100%だし、教育をすごく重視しているんだ。識字率と教育と知性は相互に補強するからね。だから例え証明出来ないとしても、自分的には納得できるわ。


・日本は世界で最も科学の発展している国の一つだぞ。常に新しい技術を発明しているから。


 「みんなが日本語を勉強しているのはアニメがあるから」とは言わないけど、たくさんの英語話者が若い時から日本のマンガ、アニメ、ビデオゲームで遊んで成長するのは事実だと思うね。
 実際自分はマンガが大好きで、第二言語に日本語を選んだのもそれが原因だよ。
 自国に日本のメディアがあるなら、同じ趣味を持つ人と出会うのが自然だし、そこで日本語を使って楽しむ以外に特に何かを考えて学んでいるわけではないよ。

・自分が日本語を学んだのは祖母とコミュニケーションするためだよ。彼女は台湾語と日本語しか話せなかったんだ。
 
・日本は世界で三番目に経済が大きな国だし、11番目に人口が多い国だ。それに中国と違って、中流階級の多い第一世界の民主国家だ。


感想、補足など

 結局、外国人が日本語を好むのは、マンガ、アニメのせいか。
 当たり前すぎて、も一つ面白くないなぁ。

 ちょいと古いデータだけど、2012年頃の日本語学習者の数をみてみよう。

 --ここから--

★:2013/07/11()

 国際交流基金は、2012年版の海外日本語教育機関調査結果を発表。
 世界における日本語学習者数は前回の09年版と比べ約91%増の3984538人。
 国と地域別で最も多かったのは中国で、1046400人だった。
 国際交流基金の調査結果をもとに人口1万人当たりの日本語学習者数を算出すると、 韓国(1744人)、オーストラリア(1332人)、台湾(1010人)で突出している。

 国際交流基金によると、海外における日本語学習状況の調査は外務省が1970年に実施。
 その後、国際交流基金は7475年の第1回以来、調査を継続している。

 日本語学習者については、米国、韓国における人数が最も多い状況が続いたが、 今回の調査で中国の学習者数が初めてトップになった。

1位 中国       1046490人(265%)
2位 インドネシア   872406人(218%増)
3位 韓国       84187人(128%減)
4位 オーストラリア  296672人(76%増)
5位 台湾       232967人(59%減)
6位 米国       155939人(104%増)
7位 タイ       129619人(645%増)
8位 ベトナム     44672人(56%増)
9位 マレーシア    33077人(447%増)
10位 フィリピン   32418人(450%増)

 国際交流基金の調査結果をもとに人口1万人当たりの日本語学習者数を算出すると、以下の通りになる(人口は国連の2011年度版「世界の人口推計」による)

1位 韓国      1744
2位 オーストラリア 1332
3位 台湾      1011
4位 インドネシア  364
5位 タイ      188
6位マレーシア    116
7位 中国      78
8位 ベトナム    53
9位 米国      50
10位 フィリピン  35

 国際交流基金によると、韓国では高校において必修だった第2外国語が選択制になった。
 第2外国語の授業では、生徒が7つの言語のうちから1つを選んで履修できるが、 もともと選択率が高かった日本語は、第2外国語の授業を受ける生徒全体が少なくなったことの影響を受けた。
 学習者数で09年調査と比べて高い上昇率を示したタイ(645%増)、マレーシア(447%増)、 フィリピン(450%増)では、中等教育における日本語への取り組みが拡大。
 オーストラリアでは、初等教育におけるアジアの言語の学習が重視されていることが、人口1万人あたりの日本語学習者の多さにつながった。
 同国では、日本語学習者の約9割が、小中学校の生徒という。

 人口が多いため1万人当たりの学習者では少ないが、中国における日本語学習者は前回に比べて 265%増加し、100万人を超えた。
 国際交流協会によると、日本のポップ・カルチャーへの関心や、 将来の就職などの経済的・実利的な理由に支えられ、大学生を中心に学習者が増えているという。

 --ここまで--

 上の中国人の日本語学習者の増加ということは、日本のネット監視、日本語での誘導もなされているということだろう。
 --ここから--

2016/06/07()
 やはり世界最大の人口と労働力を擁する国家である。
 中国ではインターネット上の世論誘導でさえ、人海戦術で行われている一端が明らかに。
 米国大学の研究チームの調査では、SNSなどで年間5億件近くもの「書き込み」が政府が関与する人物の手によって行われている。
 書き込み1件ごとにわずかな報酬を得る「歩合制」のような賃金で働く学生もいるとされ、中国・電脳インテリジェンスの最前線は、地道なカキコで成り立っているのか。

✦謎の情報工作集団「五毛党」
 米ハーバード大のデータ分析研究チームの報告が話題を呼んでいる。
 中国政府が報道や情報の統制をするため、SNS上で年間、約4億8800万件もの「カキコ」をしていたことが分かったからだ。
 中国当局はグーグルやフェイスブック、ツイッターのようなソーシャルメディアを日常的にチェック。 当局にとって、都合の悪いキーワードが拡散していないか厳しい監視の目にさらされている。

 ネット監視の担い手として「五毛党」と呼ばれるネット情報工作集団の存在がよく知られている。
 韓国・中央日報が昨年4月に伝えた米自由アジア放送の報道によれば、五毛党は2006年に中国・安徽省の宣伝部に約600元(約1万円)の月給で雇われた担当者が、コメント1件あたり「5毛」(0・5元=9円に相当)を受けとり、始まったとされる。
 五毛党の数は約1千万人にのぼり、約4割が学生。
 中国のネットユーザーが約6億5千万人と仮定すれば、65人に1人程度が政府の息がかかった人物になるという。

✦話題をすり替え、不満をガス抜き
 五毛党は、中国政府への批判などのネット情報にどう対処していたのか。
 ハーバード大のチームは、漏洩した中国江西省の地区当局をめぐるネット宣伝活動のメール内容を分析。この五毛党とみられるネット上の動向を報告書にまとめた。
 従来は、ネット上の論争に対して、中国政府を擁護する立場で積極的に発言し、強引な批判を誘導などを展開していると思われていた。

 しかし、報告書によると、実際には穏やかに論争をかわすという絡めての手法をとっていたという。
 CNNは「むしろ論争などを引き起こすような意見は控え、一般ユーザーの注意をそらし、焦点をずらすような書き込みが多い」と報告書は指摘した。
 つまり、SNSの流れとは関係のない話題を書き込み、議論が白熱しないように水を差していくというわけだ。

 また報告書は実行部隊の実像について、これまでの少額報酬を得てカキコする一般人というイメージを疑問視。
 官庁職員が掛け持ちしている可能性も指摘。報酬を得ているかは不明だが、「勤務評価」で有利に働く可能性はあると分析している。

✦中国「中間層」はストレス増
 ネット上に批判的な意見があらわれるのは、現実に起きている問題に強い不満があるから。しかし、習近平政権は「反腐敗」運動を掲げて、汚職の取り締まりに力を注ぐ方針を掲げる一方で、言論統制は厳しさを増している。
 米国務省は、人権報告書(2015年版)で、中国共産党体制を批判する書籍を出版・販売する香港の書店関係者5人が連続失踪した事件について、中国当局の関与を指摘。
 超法規的手段を用いてでも批判的意見を封じ込めていると非難。

 情報統制への強硬姿勢は変わらず、6月4日には、天安門事件から27年を迎えたことを伝えるNHK海外放送のニュースが数分間にわたり、中断された。
 米ウォールストリート・ジャーナルによると、最近、中国のインテリ中間層の不安の高まりがSNS上で目立つという。
 経済成長の鈍化に伴う家計や社会情勢の先行きに不透明感が広がっているためとみられる。

 同紙が紹介したギャラップの世論調査では、世帯所得に満足していると答えた中国人の割合は2014年の66%から15年は58%に低下。
 中国人の40%が大きなストレスを経験したとし、過去10年の調査でもっとも高い数字だったという。
 ネットに現れた世論の真摯な訴えが、わずかな報酬や役人の評価のために閉ざされているとすれば、怒りや不安がますます、たまるに違いない。

 --ここまで--

 記事にある五毛で書込みを請け負う手合(つまり、日本語学習者)が、日本の大手掲示板でも出没するという。
 まぁ、ご自由に書けばいいのではあるまいか。
 中国人にミスリードされるような日本人では、どうせ使い物にはなるまい。まぁ、1千万人も五毛党っているのか。大層な人海戦術ではある。