▲弱点ねぇ。
まぁ、強いて言えば、弱点と言えなくもない—てなところかな。
話は変わるが、電車の中で文庫本を読んでいる人をみる。
あの大きさで、ページ数250ぐらいで、一つの物語が入る—ということに感心しないか。
あれこそ、「日本語の力」なのだ。
英語では、文庫本なんてなりたつまい。
ついでに思い出した。
昔、英語って、ラジオからの放送を聞いて、そのまま淀みなく理解できるのだ—とか聞いてビックリした記憶がある。
核心部分は、漢字だ。
日本語では、漢字は読む速度を速くするが、耳で聞いたとき、同音異語が多いこともあって、頭の中で噛み砕くのにちょいと時間がかかる。耳からの場合、淀みなく--てな具合にならない。
漢字というものがもつ「能力」のいくつかの面だ。
まず、記事から抜粋。
「2050年の日本」は活力と魅力ある超大国として栄えるという予測の書『JAPAN
RESTORED(日本復興)』 が出版され、話題となっている。
著者のプレストウィッツ氏は、商務長官顧問を務め、
自動車や半導体貿易交渉に立ち、ジャパン・バッシャーとして知られた人だ。
同氏は、日本は「2050年には英語力が高まり、日本の国力を高める」と予測。
真意はどこにあるのか。
特派員の古森義久氏が、プレストウィッツ氏に問うた。
──『日本復興』では、日本でも公用語に英語が加わり、英語力が高まるというシナリオが描かれている。
日本を見ていると英語力向上は難しいのではないか。
「国際的にみた日本の弱点は英語能力が他の国々より低いことだ。
スカンジナビア諸国やドイツだけでなく韓国や中国にくらべても低いと言える。
原因は英語の教え方だ。
日本の英語の先生は読むことはできても話せない人が多い。
英語教員にテストをする。落ちた人に2年間の再勉強を義務づける。
日本の公用語が日本語と英語になれば、日本の長所が諸外国にずっと多く理解され、日本の地位も国力も飛躍的に高まる」
──ハードルが高いと思われるのが、日本の軍事力強化だ。
本書では日本が核兵器を保有するとしているが、内外で抵抗が大きいと考えられる。
「日本の安全保障環境が激変していく。北朝鮮が核兵器の開発を続け、アメリカや日本に核ミサイルを正確に撃ちこむ能力を確保する。
中国も核武装を強化するだけでなく北朝鮮の冒険主義を許容する。
中国も北朝鮮も日本敵視だ。アメリカは北朝鮮に武力攻撃を仕掛けることはしない。
こんな環境では東京にいる人間は切迫した不安を感じるだろう。
核の脅威を封じるには日本も核を持つのが最適の措置だ。
日本はいざとなれば核武装を敏速に達成する。
インドのように公然とそうするか、イスラエルのように秘密裡に動くか。」
──その際、アメリカはどう対応するのか。
「アメリカがこれから頼りにする同盟相手は日本だ。日本が強く大きな役割を果たすことは
アメリカの期待でもある。
米英関係はよく『特別な関係』とされ、イギリスへの期待は大きかった。
イギリスは国力が衰え、中国に接近している。日本がアメリカの最重要な同盟相手だ。
アジア情勢では中国の膨張が最大の不安定要因だ。米側では中国をWTOなど
既成の国際秩序に招き入れれば、穏和な行動をとると期待した。
だがその期待は外れた。
中国は対決姿勢を強めてきた。貿易の拡大で中国共産党の独裁的パワーが強くなった。
だが中国の膨張はアメリカにとっては当面は直接の脅威ではない。しかし抑えねばならない。
中国は日本にとって直接の脅威である。そうなると日本がまず中国との対峙の先頭に立つことになる」
▲補足、感想など
プレストウイッツさんのいうことは、まぁ、正論だろうな。
だからといって、日本人の英語が上手になるとは思えない。
やはり、島国だからだろうな。
陸続きで、川一つ向こうでは異言語を話しているという環境にいないからだろう。
確かに、もう少し、英語に慣れてもいいとは思う。
同時に、冒頭でふれた日本語の優位な点を充分に認識しておきたい。
文化というものを過去から引き継ぎ、未来へ渡していく手段は、「言葉・文字」なのだ。
同時に、他国からの文化的な侵略を防止する障壁ともなりうるものだ。
自分達の子供が、文庫本の価値が分かる—そういう環境は守り続けたい。