2017年4月15日土曜日

中国は、北朝鮮を制御できない →金総書記を見捨てる

核心はなんなのだろう。
 北朝鮮が、中国へ核攻撃する可能性があるということ?
 ないしは、中国のなんとか軍区なるものが、北朝鮮のバックにいて、習国家主席の言うことなど、ホットケとか言っているということ?

 中国からすれば、北朝鮮への原油のパイプラインを停止して、食料などの貿易を停止すればいいことではないか。
 それができない—というのは、上で書いた理由があるのだろうなぁ。

 以下、新聞から抜粋。

 中国の王毅外相は、朝鮮半島情勢が取り返しのつかない事態に陥るのを防ぐ必要があるとの見解を示した。
 中国を訪問中のフランスのエロー外相との共同会見で語った。

 北朝鮮を巡っては、国連の制裁にもかかわらず6回目の核実験やさらなるミサイル発射実験を間もなく行うのではないかとの懸念が高まっている。
 ティラーソン米国務長官は先月、北朝鮮に対する戦略的忍耐の政策は終わったと発言し、北朝鮮の脅威が高まれば軍事行動も選択肢になるとの見解を明らかにしている。

補足、感想など

 あの上から目線の王毅外相がえらく弱気の発言だなぁ。
 中国経済はあぶないし、手下と思っていた北朝鮮は言うことを聞かないし—と、弱り目に祟り目ということかな。

 中国の専門家もなにか言っていた。

 --ここから--

 2017412日、米華字メディアによると、米国のトランプ大統領は中国が北朝鮮に強い影響力を持っていると見なしているが、専門家からは「北朝鮮と韓国は中国の言うことなどまったく聞かない」との指摘が出ている。
 北朝鮮が挑発を繰り返していることを受け、トランプ大統領は「北朝鮮に圧力をかけない」として、繰り返し中国を批判している。

 しかし、中国国際問題研究院の専門家・阮宗沢氏は、朝鮮半島情勢は非常に不安定な状態に陥っているが、諸外国は中国の北朝鮮に対する影響力を過大に見ており、「実際にはそれほどの影響力はなく、しかも影響力は小さくなっている」と指摘している。
 阮氏は、核実験や弾道ミサイル発射実験でも、在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備でも、北朝鮮と韓国は中国の言うことにまったく耳をかさないとした。

 韓国は真っ先に北朝鮮の攻撃対象となることが予想され、追い詰められた北朝鮮が核攻撃を仕掛ける可能性も排除できないため、戦闘には必ずしも積極的ではないと指摘した。

 --ここまで--

 トランプさんとの会談で、習近平さんが「協力はしないが、邪魔もしない」と姿勢をとったことで、トランプ大統領は、「貿易で中国を甘く見る」としたものだろう。

 そのあたりを韓国の新聞が伝えている。

 --ここから--

 中国の公式メディアは、トランプ米大統領が中国を為替操作国に指定しない見通しだという点を伝えた。
 しかし、トランプ大統領がその見返りとして、習近平国家主席に「北朝鮮の(核・ミサイル)問題を解決しろ」と告げたいわゆる 「ビッグディール」を持ちかけた事実は報道しなかった。

 中国外務省も前日、「貿易と北朝鮮の核問題を関連づけるトランプ政権のやり方をどう考えるか」とする質問に「両国は互いの立場に耳を傾けている」と口を濁した。
 トランプ提案に対する中国の苦悩がにじんでいる。

 日本経済新聞は複数の外交筋の話として、習近平主席が米中首脳会談でトランプ大統領に対北朝鮮制裁の強化を検討する意向を伝えたと報じた。
 しかし、中国が原油供給の中断など強硬な対北朝鮮制裁に乗り出すかどうかは未知数だ。
 強硬な制裁でも金正恩政権が核開発を放棄しなければ、それ以上カードがなくなり、その過程で北朝鮮が強く反発すれば、今はかろうじて残っている北朝鮮への中国の影響力までなくなりかねないからだ。

 中国外務省傘下の国際問題研究院関係者は12日、北京で開かれた外国人記者への説明会で、「外部では中国が北朝鮮に強い影響力を行使できると言うが、現実はそうではない。中国の言葉が全く通じない状況だ」と指摘した。

 中国人民大の時殷弘教授も「原油供給を中断したからといって、金正恩氏が核開発を放棄する保証はない。 原油を断てば、米国は別の要求で中国に圧力を加えることになる」との見方を示した。

 一方、環球時報は同日の社説で「中国が北朝鮮の政権の安全を保証するから核開発を中断し、北朝鮮は開放の道を進むべきだ」と求めた。
 中国公式メディアが金正恩政権の維持保証に言及し、北朝鮮に核開発の放棄を求めたのは異例だ。

 同紙は「北朝鮮の核活動に今後も耐えることはえきないという点で米中の共通認識が高まっている」とし、 「核を捨て中国と共に開放の道を歩むことが北朝鮮にとって最善の選択だ」と主張した。
 中国の軍事専門家、李傑氏らは香港紙の取材に対し、「北朝鮮と中国は1961年に『朝中友好協力相互援助条約』を結んだが、北朝鮮が核兵器を開発するならば条約を破棄する。
 戦争が起きても中国が北朝鮮を軍事的に支援することは難しい」と述べた。

 --ここまで--

 つまり、習近平主席とアメリカトランプ大統領との会談で、中国側は、「アメリカの北朝鮮・金総書記排除に協力はしないが、邪魔もしない」と明確に頷いたということだ。
 別の言葉でいえば、北朝鮮の金総書記を中国は「見捨てた」ということだ。

 だからこそ、トランプ大統領は、中国が為替操作国ではない—と大きく譲ったのだろう。
 それなくして、アメリカが譲歩する訳がない。

 で。
 北朝鮮は、相も変わらずの態度だ。中国・習国家主席に見捨てられた金総書記が吠える。

 --ここから--

 北朝鮮の朝鮮中央通信は、アメリカが「身動き」したならば、「本物の戦争の味を見せてやろう」と威嚇する報道官の談話を発表。
 朝鮮中央通信によりますと、北朝鮮外務省軍縮・平和研究所の報道官は談話で、アメリカによるシリアへのミサイル攻撃を非難した上で、 アメリカは主権国家に対する自分らの侵略行為を、朝鮮半島でそのまま再現しようとしているとしました。

 さらに「わが軍隊は、アメリカが身動きをしたならば、無慈悲な報復打撃で復讐の核のいかずち、懲罰の稲妻を激しく下し、 本物の戦争の味がどのようなものかをはっきりと見せてやろう」と威嚇した。
 その一方で北朝鮮の労働新聞は、13日に金正恩党委員長が出席した高層ビルが建ち並ぶ黎明通りでの竣工式を取り上げ、 北朝鮮への経済制裁を続ける国際社会に向けて、発展ぶりをアピールしました。

 --ここまで--

 後は、トランプ大統領の「判断のみ」にかかっている。