▲表題は、白鵬関の言葉だ。
そして、その問いは、相撲協会に向かってなされるべきことであろう。
そして、判断するのは相撲協会だ。
目の前を、様々な事象が流れる。ボーと見ているだけでは「なにかを見過ごしてしまう」。
ともあれ、目の前を流れる事象の核心を掴んでおこう。
そのことが暮らしていく上でのミスを少なくする。
以下、新聞から抜粋。
白鵬・朝青龍がモンゴルのTV番組で「日本帰化に理解を」
「今まで帰化せずに土俵に立ってきた。(親方として)教えるために、なぜ帰化しないといけないのか?」
日馬富士による貴ノ岩に対する暴行事件が発覚する前の10月。
モンゴルで放送されたテレビ番組で、元横綱・朝青龍(37)を相手にこう語ったのは、横綱・白鵬(32)だ。
この番組「モンゴル民族の100人の偉人」は、モンゴルで注目を集める人物にスポットをあてる人気ドキュメンタリーで、白鵬をとりあげたこの回の放送時間は、3時間半に及んだ。
白鵬の発言の背景には、引退後、一代年寄となって白鵬部屋を立ち上げるには、日本国籍を取得しなければならないという相撲協会の規定に対する批判が込められている。
番組制作に携わったプロデューサーが舞台裏を明かす。
「対談は5月頃、収録された、帰化の話題は、ドルジさんが切り出した。台本にはなかったので驚きました」
もし白鵬が帰化すれば、モンゴル国民が反発することは必至という状況を慮ってか、朝青龍は、こう切り出したのだ。
「帰化はモンゴル人にとってがっかりする決断です。でも、帰化すれば白鵬伝説は続くし、白鵬部屋も作れるのです」
白鵬自身も、こう続けた。「(日本の相撲には)入口はあるけど、出口がない」
日本の相撲界における一大勢力となったモンゴル力士たちの本音はどこにあるのか。
▲補足、感想など
表題でふれた。
白鵬関は、相撲協会に対して、白鵬部屋を立ち上げるために「帰化は必要か」と問えばいい。
判断するのは、相撲協会だ。
相撲協会が判断するための「基準」は、ただ一つだ。
それは、「相撲というものを、これからも日本人が支持し続けてくれるか」という判断基準だ。
相撲は、日本の古(いにしえ)の神事から出発し、江戸時代に発達して、大衆から支持され、愛される「世界でもっとも稼げる格闘技」となったものだ。
相撲には、押出しなんて、「決め技」があることに着目せよ。
格闘技に、こんな平和的な決め技を、日本人がもちこんだことに注目せよ。
そして、こういう技が存在することに、歴史というか多くの試行錯誤の背景があることを窺わせる。
そして、こういう技が存在することに、歴史というか多くの試行錯誤の背景があることを窺わせる。
こういう「決め技」を持ち込むことで、女性から子どもまで支持されるものになったのだ。
白鵬関に話を戻せば。
日本人が、外国籍のままの「一代年寄」というものを認めるのか、支持するのか—筆者には分からない。
いずれせよ。
相撲協会は、「相撲というものが、これからも日本人に支持されるか」という判断基準を中心にして、「判断」していくしかない。(日本人からの支持を失えば、相撲はその時点でお終いだからだ)
結果として、白鵬関には冷たい対応になるかもしれない。
それは、外国籍の力士として、横綱として、素直に受け取るしかあるまい。
その時点で、モンゴルで新規の仕事を始めてもいいのではあるまいか。
そういう「人生の切り替え時」というものにぶちあたるのは、避けられない。