2016年9月14日水曜日

韓進海運、破綻のその後

破綻の処理に7000億円以上もかかるらしい。
 その費用をどこも出すことができない。
 韓国政府は、韓進海運のグループ会社へ責任をふり、破綻した韓進海運はない袖はふれない—と。

 要するに、どうにもならない状況だ。
 韓国人のこういう処理能力の無さには呆れるばかりだ。

 結局のところ、朴大統領が、どこかからお金を借りて、一括処理しその後、責任を追求するしかあるまいが---
 朴大統領には、その決断ができない。
 日本を責めることは得意だが、こういう破綻処理は至って苦手のようだ。

 以下、新聞から抜粋。

 「韓進海運の破綻」の影響は韓国経済自体が破綻するほどの破壊力を秘めたものだった。まさに「輸出国家の危機」である。

✦世界中で入港拒否&差し押さえ、宙に浮く140億ドルの積荷
 最悪の形で破綻した韓進海運

 韓国の輸出ルートは、北朝鮮に「陸」を押さえられているので、「海」と「空」の手段しかない。
 「空」というと空輸になるが、飛行機に積める荷物の重さや量は限られており、コストが高くつく。 
 そこで「海上(船)」の輸出ルートを選ぶが、今回の韓進海運破綻で、輸出ルートが他国に押さえられつつある。
 韓進海運破綻を発端とする物流混乱は、現在でも継続中。
 なお被害が拡大している。

 まずは経緯から。
 数ヶ月前から、韓進海運が破綻するというニュースが出ていた。そのニュースに注目していたので、成り行きを見守っていた。
 そして、831日に韓進海運は破綻し「法定管理」となった。
 裁判所が数ヶ月をかけて、倒産させるか、再建するかを判断する。
 そして、現時点では倒産させるという意見が多い。

 さて、ここまでなら「韓国最大手の海運会社が負債を残して破産」という話で終わる。
 しかし、破綻の仕方が最悪だった。8,300社から荷物の仕事を引き受けた状態で破綻したのだ。
 法定管理になった日、港湾使用料・備船料を600億円ほど滞納していた理由で、韓進海運は外国の港への入港を拒否された。

 現金で払わない限りは入港できず、コンテナも差し押さえとなった。
 その荷物の規模は、総額140億ドルともいわれている。約12,500億円である。
 こうして物流混乱は始まった。

✦米国・中国・日本からの「超高額訴訟」という悪夢

 韓進海運を再建するには、6,000億円ほど必要といわれる。
 そして、港湾使用料・備船料などの滞納を含めて7,000億円があれば再生できる、当然、そんな金はどこにもない。
 荷物を差し押さえや入港拒否を解除するには300億円ほどが必要とされ、現在でもそのお金すら支払われていない。

 港に入れずにいる韓進海運の船の荷物は、米国・中国・日本で9割を占める。
 米国には、「ハロウィーン」や「ブラック・フライデー」のために用意された荷物が運ばれる予定だった。
 その中には、ウォルマート、Amazonなどの荷物が多数存在している。
 仮にこれらのコンテナがブラック・フライデーの準備に間に合わない場合には、140億ドルはくだらない超高額訴訟が待っている。

 韓国経済は自らを死に追いやるようなことをしでかしたわけだ。
 しかも、韓国政府は韓進海運を助けようとせず、韓進グループに金を出させるという対応を行った。
 この事態を重く見たアメリカ政府は、要人を韓国に送り、韓国政府に混乱を鎮めるように要請。
 しかし、いまだに収まっていない。
 韓国政府がやっているのは、責任のなすりつけ合いである。

 現実的に、韓国政府は大宇造船海洋の構造調整で公的資金を投入して批判を浴び、韓進海運を助けるというのは難しい。
 しかし、どう考えても大宇造船海洋よりも世界的な影響が大きい。
 助ける義務はないが、荷物を適正に処理しなければ、韓国経済が破綻するほどの超高額訴訟が巻き起こる。
 そうなってしまえば、もうどうしようもない。

 1日ごとに賠償額は膨れあがっていくわけで、コンテナの中身が生鮮食品ならば、すでに商品価値がないかもしれない。
 そういった意味でも、一刻も早く荷物を降ろすことが重要だ。
 それなのに、韓国政府は事態の緊急性に気付いていない。韓国庶民の認識レベルも低い。

 唯一、サムスン電子だけが事態の緊急性に気が付き、韓進海運が払わない港使用料を立て替えて、自分のところの荷物だけを降ろさせて別の船で運ぶということをしている。
 このあたりは、サムスン電子の対応力といったところだ。

✦韓国経済「自滅」の理由。なぜ韓進海運は破綻したのか?

 そもそも韓進海運の破綻の原因はなんだったか。
 ダンピングによる赤字輸送を続けていたことが原因である。
 ライバル企業のシェアを奪うために、相手のコストの半額以下で請け負っていた。そして勝手に自滅したのだ。

 この件で良い影響も出てきている。
 韓進海運が破綻したことで海上運賃が150%ほど急上昇し、他の海運会社の株価が軒並み上昇している。海上運賃が適正価格に戻っただけとも言える状況だ。

 現在はブラック・フライデーに向けた準備で海運業は大忙しであり、韓進海運の破綻を事前に察知して準備していた台湾・中国・日本などの海運会社がシェア獲得に乗り出している。
 さらに、世界の海運大手「マースク」まで進出してきた。
 韓進海運が潰れたことでアジア、北米ルートのシェアは激変していくことになる。
 韓国は海への輸出手段を他国に委ねることになるが、それは自業自得。

 以上がこれまでの経緯。
 さすがに今週中には混乱は収束に向かうとは思うのだが、韓国のやることなので実際にどうなるかは未知数。
 対応を誤れば韓国経済はたちまち破綻に追い込まれる。

補足、感想など

 記事にあるように、韓国政府が乗り出すしかない。
 まぁ、朴大統領の「手腕の見せ所」かもしれない。

 ただ。
 口ばかり達者で、他者への嫌がらせ能力ばかりが高く、実務能力の乏しい民族なので、このままグダグタした状況が続くのかもしれない。

 まぁ、日本人は関与せず、静観しつづけよう。