2018年2月27日火曜日

習近平国家主席は、一体、なにがしたいのか


国家指導者の能力とは、その国家の「正しい方向性」が示せることだ。
 筆者には、中国の「習思想」なるものの中身が分からない。
 もしかして、強国建設 民族復興 ということが、習思想なる言葉のすべてなのか。

 唐時代のように、ユーラシア大陸で屹立した大国のようなものを目指すという意味なのか。
 識字率30%で、国民の殆どが無学文盲、無知蒙昧の状況下で。
 漢字オンリーの漢文という不完全言語を採用して、高度な概念を他者に正確に伝えることのできない状況下で。

 まず、新聞から抜粋してみよう。

 中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が、開幕。
 3月の全国人民代表大会(全人代)で決める憲法改正や政府人事を詰める。
 習近平総書記(国家主席)は憲法改正で自らの思想を打ち出し、長期政権の道を開く国家主席の任期撤廃とともに、権力基盤の一段の強化につなげる。

 中国の憲法改正のポイント
・国家主席の2期10年の任期を撤廃
・習近平、胡錦濤両氏の政治思想を明記
・習氏が掲げる「社会主義現代化強国」「中華民族の偉大な復興」「人類運命共同体」などを明記
・共産党の指導を優先させる方針を一段と強調
・新たな汚職摘発機関「国家監察委員会」の法的地位を定義

 党が公表した憲法改正案では、習氏が掲げる「新時代の中国の特色ある社会主義思想」を指導思想として明記。さらに、習氏が21世紀半ばまでの目標とする「社会主義現代化強国の建設」 「中華民族の偉大な復興の実現」まで明記し、外交で「人類運命共同体の構築を進める」との文言を盛る。

 いずれも習氏が多用する言葉だ。指導者として自身の権威を高める狙いだ。
 第1条の中に「中国共産党による指導は特色ある社会主義の最も本質的な特徴」との文言を追加。党の方針を優先させる習氏の考えを映した。
 胡錦濤前国家主席の思想「科学的発展観」も盛られるが、色濃く反映されるのは習思想だ。
 習氏の反腐敗運動を支える新たな汚職摘発機関「国家監察委員会」は「独立した監察権を行使し、政府機関の干渉を受けない」と明記。

 昨秋の党大会で2期目の治世に入ったばかりの習氏が権力集中を急ぐのはなぜか。
 まず、党支配の動揺への強い危機感がある。
 経済成長が鈍る一方で、貧富の差など課題は山積し、なお3千万人が貧困状熊だ。
 格差の拡大は、共産党の一党支配の正統性を揺さぶり続けている。
 加えて、習氏が2期目の治世を盤石にし、長期政権につなげるには、いま布石を打つ必要もあった。
 一党支配の中国でも憲法改正の機会は多くなく、今回は14年ぶり。
 この機会を逃さず、国家主席の「3選禁止」という制限をなくし、一気に長期政権への制度的条件を整える徂いが浮かぶ。

 重要人事では、王岐山・前政治局常務委員がどんな要職に就くかが焦点。
 引退するとみられる周小川・中国人民銀行総裁の後任、外交トップの楊潔○国務委員と王毅外相の処遇なども調整が続く。

 3中全会は5年に1度の党大会の翌秋に経済政策を協議するのが慣例。
 今回は1月に憲法改正のために中央委員会第2回全体会議(2中全会)を開いたため、人事を協議する場として前倒しされた。強権によって前例にとらわれない習氏の意向がのぞく。
 最終日にコミュニケを発表する見通し。

 任期撤廃、水面下で反発 
 「微博」で、中国人民大学教授が書いた「憲法における任期制規定の意義」と題する論文が話題になっている。
 国家主席の任期制限を定めた現行憲法は個人崇拝への歯止めだとの主張で、この制限を撤廃する方針が表面化した25日以降、「論文に敬意を払う」といった書き込みが相次いでいる。
 論文は、権力を死ぬまで握った毛沢東が文化大革命で中国社会を大混乱に陥れた教訓を踏まえ、任期制が導入されたと説明。
 指導者の終身制を防ぎ、平和的な世代交代を保証すると指摘。
 論文の発表は改憲案が表に出る前だったが、すでに習氏が長期政権を視野に入れているとの観測が広がっていた。

 習氏の政権基盤は盤石に見えるが、水面下では強引な手法や人事に対する反発が根強くある。
 汚職摘発の厳しさを恐れ、萎縮する官僚も多い。任期制限の撤廃で不満が一段と強まる恐れがある。

補足、感想など

 上掲の記事では結局、なんのことが分からない。
 習思想なる言葉で、検索すると、サンケイの記事がひっかかった。

 --ここから--

2017.10.26 【主張】「習思想」の中国 異様な権力集中に備えよ
 ■日米は国際秩序の破壊許すな
 異様なまでの権力集中と既存の国際秩序の破壊に等しい対外強硬姿勢を、強く警戒し、備えなければならない。
 習近平党総書記の側近で固めた党最高指導部が選出され、2期目の習体制が始動した。
 特筆すべきは、自らの名を冠した「習思想」を党規約に盛り込んだことである。
 毛沢東や、改革開放路線を敷いたトウ小平に並ぶ威信を確立させる意味合いだろう。
 この権威をかさに、米国と並ぶ「強国」を21世紀半ばまでに建設するという。

 ≪時代錯誤の管理国家だ≫
 北朝鮮の核・ミサイル危機への対応にとどまらない。日本の安全保障と繁栄にとって、中国こそ「最大の脅威」であるとの認識が必要。
 習氏による「新時代の中国の特色ある社会主義思想」に、目新しさがあるわけではない。
 それでも「毛沢東思想」「トウ小平理論」と肩を並べる指導理念に上げたのは、権力欲の体現といえよう。

 この指導者が次の5年で何をなそうとするのか。
 独善的な統治はあらゆる領域で強まるだろう。富国強兵のアクセルを踏み込み、覇権主義を推し進める。
 江沢民、胡錦濤の長老に連なる政敵を、反腐敗闘争の名の下に排除。
 「法治」といいながら国民の権利制限は続き、人権や言論の自由を求める民主運動の弾圧は苛烈さを極めよう。

 外国メディアの規制・監視の強化はすでに始まっている。「新時代」どころか時代錯誤に等しい退行といえる。
 習氏は、南シナ海の人工島建設を「成果」と言い放ち、「海洋強国の加速」を鮮明にした。
 対外的にも、膨張主義が露骨さを増すということだ。
 東・南シナ海での公船活動は頻度を増し、国際法規を無視する海洋権益の獲得にも拍車がかかるだろう。台湾有事への警戒も強めなければなるまい。

 今世紀半ばまでに米軍に比肩する「世界一流の軍隊」を築くと宣言したことは、アジア太平洋における米軍の軍事プレゼンスを追い越すとの決意表明である。
 経済規模を膨らませる中国が、軍事との両面で米国を凌駕する「世界最強国」となる。
 これが習氏の野望だろう。
 一方、習氏は「自国第一主義」を掲げたトランプ米政権を意識し、中国がグローバル化と自由貿易の「旗手」であると、自賛してきた。

 ≪対中牽制の枠組み築け≫
 「一帯一路」を起爆剤に、中国の価値観に有利となる経済覇権を築き上げる目論見である。
 その本質が日米欧主導の国際秩序への対抗にあるのは明らかといえる。
 沖縄・尖閣諸島への野心も中国膨張主義の一環ととらえるべきで、南シナ海とともに東シナ海での脅威の高まりに備えるべきだ。
 南西諸島を守るための防衛力増強は喫緊の課題である。

 こうした中国を前に、日米両国が同盟の抑止力を高め地域の平和と安全を守る重要性は増大する。自由と民主主義の理念を共有するアジア太平洋の国々と、手を結ぶ努力も日米が担うべき課題だ。
 中国が自由貿易に口を出すこと自体、日本と価値観を同じくする側の揺らぎの表れだ。
 政府は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の重要性を改めてトランプ政権に訴え、復帰を促すべきだ。

 中国国内では現在も、スパイ行為に関わったなどとして日本人8人が拘束中だ。
 反日宣伝、反日教育も続いている。国民の生命や国益が危機に瀕したときに国を挙げて対処する姿を、政府はどれだけ見せてきただろうか。
 政府は年内に日中韓首脳会談を開催する調整を進め、安倍晋三首相は日中首脳の相互訪問を呼びかける。
 必要なのは、日本の国益や名誉、普遍的価値を守り抜く決意を相手に示すことだ。

 --ここまで--

 サンケイの記事を読んで、やっと少し見えてきた感じがする。
 要するに、習「皇帝」となるということか。
 民主主義も共産主義も関係がない。王政復古という発想なのだな。
 まぁ、時代錯誤な---
 オレの思うままに政治を操り、アメリカにも対抗する国家に中国を仕立てあげるぞ—と言っている訳か。

 まさしく、中国膨張主義だな。
 これで、西欧の金融機関への3700兆円もの債務にアップアップしている国なのか。

 これから、一波乱も二波乱もありそうだな。