▲丸紅がインドネシアでウナギを養殖するそうな。
ウナギの完全養殖までまだ時間がかかりそうだ。<一応、成功したというニュースはあったが、実用化に達すまでには時間が必要なのだろう>
そこで、インドネシアでシラスから養殖して—というのだが。
このニュースをみて、筆者は「えっ」と思った。
ウナギの産卵地というものは、世界中にばらついているのだな—と。
日本とか中国など北東アジア付近のウナギの産卵地は、マリアナ海溝付近だったと記憶する。
このところ、このマリアナ海溝付近から太平洋を回遊するシラスが減少して、シラスの価格が暴騰したというニュースがあった。
対して、インドネシアはシラスが豊富にあるとのこと。
これにはおそらく2つの理由があろう。
あ、インドネシアのウナギの産卵地は、現在時点では場所は不明であろう。
インド洋とか南太平洋だということで、上のマリアナ海溝とは別ということ。
い、ウナギの食べ方として、そんなに種類がある訳ではない。
日本の蒲焼という食べ方がもっとも美味しく食べる方法であろう。
だから、醤油という調味料の普及したところでなければ、食べる人もそうはいない。
すると、日本を中心にして、台灣、韓国ぐらいしか、ウナギを食べる人がいない。
インドネシアでもウナギがいることを知っていても、食べ方というところでこれといった料理がなくて需要が乏しいのだろう。で、数が減らない。
以下、新聞から抜粋。
シラスウナギ(稚魚)の不漁でウナギの価格が高騰する中、丸紅はインドネシアでウナギの養殖事業に参入し、
今年から本格的な輸入を始める。
国内で消費される輸入ウナギの多くは中国や台湾産が占めているが、丸紅はシラスウナギが豊富なインドネシア産を
新たに加えることで、安定供給を実現したい考えだ。
丸紅が養殖・輸入するのは、インドネシア周辺に生息する「アンギラ・ビカラー種(インドネシアウナギ)」。
2009年から
インドネシア・ジャワ島東部で試験的に養殖を続け、餌や水温などの養殖方法を改良し、日本で流通するウナギと
遜色のない味を実現した。
丸紅が生産過程を管理し、抗生物質を一切使わないなど、安全性にもこだわる。
生産したウナギは、本州と四国の
一部大手スーパーで4月から販売を始めた。
価格は中国などからの輸入ウナギと同程度だが、生産量の拡大などで
コスト削減を目指すという。
今年度は、かば焼きに換算して年間約100トンを生産し、5年後をめどに約600トンまで
増産する計画だ。
▲補足、感想など
シラスウナギの減少の原因は明らかであろう。
マリアナ海溝付近を産卵地とするシラスウナギを乱獲したということだ。
上の記事は、このマリアナ海溝以外の産卵地からのシラスウナギをとって、養殖するということなのだ。
産卵地がニホンウナギなどと異なる—という点がポイントだ。
せっかく、新しい産卵地のシラスを使う—ということで、乱獲を防いで、資源を保護しようとしているのであろう。
それが、600トンという上限を決めた理由であろう。
しかし、このウナギの産卵地のばらつきを見ていると、インドとかオーストラリアとかにもウナギ(多分、別種の)がいそうだなぁ。
筆者など、ウナギの産卵地としては、上のマリアナ海溝、メキシコ湾のサルガッソーぐらいしか知らなかった。
もっと、世界で点在しているということなのだな。
資源保護の観点からも、インドネシアのウナギの産卵地も確認しておきたいものだ。