2013年5月26日日曜日

自民党は二枚舌—と橋下さん。

橋下さんの批判はまぁ、当っているといえば当たっている。
 ただ。
 与党で政権をとっている—ということは、従来の与党の方針というか姿勢を急に180度転換するということが難しいということだ。
 政府として約束したことを、政権が変わってからといって、反故(ほご)にはできない—ということなのだろう。

 だから、
 自民党のやりかたは、二枚舌というよりは、テーブルの上下(うえした)と理解した方がより「実情」に近いのではあるまいか。

 橋下さんの主張は、責任を負っていない人間からすれば、当然だが、実際に政権を担(にな)っている人間にとってはやや過酷な決めつけ方だろう。

 安倍さんだったら、はっきりと口には出せないが言っているさ。
 「そりゃ、確かにテーブルの上では笑顔でああいうことをしゃべっているが、テーブルクロスの下では、充分に相手の足を蹴っ飛ばしているじゃないか—と」

 以下、新聞から抜粋。


 維新の会代表の橋下大阪市長は、番組に出、 過去の歴史認識や慰安婦制度に関し、自民党の国内と海外に向けた発言が一貫していないとして「二枚舌だ」と批判。参院選に向けて追及していく。
 一方、在日米軍に風俗業活用を勧めた自身の発言については 「米国民と米軍におわびし、撤回する」と表明した。

 番組では、自民党の中山議員らと論戦。
 橋下氏は、講演で風俗業活用に関する発言を撤回する意向を示す一方、 「米軍の規律が守られていない状態が、在日米軍基地での人権蹂躙行為につながっている。
 (米軍に)綱紀粛正を図ってほしいと言い方を変える」と。

 中山氏は「これだけ発信し、影響が出ている」と指摘し、橋下氏に歴史認識を問いかけたのに対し、 橋下氏は「侵略と植民地政策を認めて、周辺諸国に損害と苦痛を与えたことをおわびすると言っているのに、国内向けには強制連行はない、自虐史観はだめだと。この二枚舌がだめだ」と主張した。

 対し、中山氏は「自民党が二枚舌なら、あなたたちは4枚舌、5枚舌だ。それだけ国のことに関与するなら、 市長を辞めて国に出たらどうか」と反論。


▲補足、感想など

 米軍への風俗を勧めるという話は、本筋としては正論だが、米軍から「おせっかい」「それはこっちできめることだ」--と反論されれば、まぁ、その通りだろうなぁ。
 その意味で撤回するというなら、筋としては通る。

 冒頭でふれたように、橋下さんに批判は、「与党」に対してはやはり厳しすぎる言い方だろうな。
 野党の時は、自民党もなんでも言える。
 ただ、与党となり、現実に国の運営をしている立場ならば、「継続性」というか従来の与党の姿勢を急に変えることは不可能だろう。
 
 与党となって、まだ半年もたっていないのだ。

 実際に安倍さんとか麻生さんのやっていることをよくみてみればいい。
 冒頭で筆者がふれた「テーブルの上下<うえした>」と使い分けているではないか。
 安倍さんは、今はこれしかできないのだ。

 橋下さんもそのあたり、わかってあげよ。理解してあげよ。