2013年5月16日木曜日

交替に見る女優の力量。宮沢りえさん。


▲えっと、実質2日の稽古で2時間を越える舞台にたったということか。
 これは。これは。
 恐るべき力量というか実力だな。

 舞台の最終日には、観客から万雷の拍手であったという。
 こういう女優さんが存在するのだなぁ、と改めて感心した。

 以下、新聞から抜粋。

 東京芸術劇場で上演していた舞台「おのれナポレオン」(三谷幸喜作・演出)。
 天海祐希が心筋梗塞で降板し、宮沢りえが急きょ代役として起用された。
 数日の稽古期間しかなかったにもかかわらず、千秋楽の四公演を務め上げた。

 異例の交代劇だった。
 千秋楽公演。ナポレオン(野田秀樹)の愛人アルヴィーヌを演じきった 宮沢に終演後、観客から万雷の拍手が送られた。
 「天海版」が強さと妖艶さを備えていたのに対し、 「宮沢版」は優しく、かわいらしさを感じさせるアルヴィーヌ。違和感はなかった。

 ナポレオンの死を歴史ミステリーに描く戯曲。
 三谷と野田という、 日本の演劇界の最前線に立つ二人が手を組み、山本耕史、内野聖陽ら 人気と実力を兼ね備えた出演者による話題作。
 四月六日に始まり、五月六日の公演後、天海が「体がだるい」と入院。
 その後、降板が決定。

 「何度も再演された作品なら経験のある俳優を 代役に立てることもあり得た」が、新作でもあり 「普通ならここで打ち切り」だった。
 だが、野田と三谷が「何とか最後まで続けられないか」と模索。
 「天海版」を観劇している上、二人がともに信頼し、せりふ覚えが早いことで知られる宮沢に 「白羽の矢」が立った。
 「芸能界における“格”も無視できず、天海の穴を埋めることができる 女優として宮沢が起用された」と。

 ピンチを救った宮沢だが、驚くべきはそののみ込みの早さ。
 稽古を始めたのが八日午後で、舞台に立ったのが十日夜。
  「宮沢さんはすべて頭に入っていたようです」と芸劇。
 ただ、二時間二十分におよぶ舞台で、舞台上にいない時は、 袖で台本を確認する作業は欠かせなかっただろう。

 稽古は一カ月前くらいから始める。
 それまでにせりふを覚えておき、稽古で台本を読み合わせ、 立ち稽古と進んでいく。
 数日の稽古で本番を迎えるのは考えられない。

 今回の交代劇を平田満は「僕なら尻込みしてしまう。
 他の共演者の方の協力もあったのだろうが、かなり力量がいると思う。
 製作現場の大変さは想像もつかない」と話し、宮沢の代役出演を「すごいなあ」と驚く。

 そもそも俳優はせりふをどのように覚えるのだろうか。
 斉藤由貴は「台本を読んで、それを映像にして イメージをふくらませる」、田島令子も「字面だけ覚えてもだめ。 台本を覚えて、それが映像になって初めて頭に入ったことになる」。
 文字を映像に変換することがせりふ覚えのコツなのかもしれない。

 館長は「舞台はすでに 出来上がったものを見せているのではなく、常につくっているところを見せているもの」と話す。
 日々新たに生まれ変わるのが舞台といえる。


▲補足、感想など

 まぁ、稀有な才能だなぁ。

 宮沢さんという女優さん。
 これから、更なる「高み」に昇っていきそうだな。