▲慰安婦の補償問題については、1965年の日韓基本条約にいきついてしまう。
この条約の内容について不満があるなら、国際司法裁判所へ訴えるしかない—と。
まさに正論である。
これを聞いて、あぁ、橋下さんは賢いな—と感じた。
だって、誰も反論できないのだもの。
以下、新聞から抜粋。
「今日の面会は中止です」。
5月24日、大阪市役所にメディアが殺到。
「間違いなく過去最高」(市職員)の記者が集まったのは、従軍慰安婦問題で注目を浴びる橋下大阪市長と2人の韓国人元従軍慰安婦の面会に立ち会うためだった。
ところが彼女たちは突然のドタキャンである。
予定は変更され、午後4時半、橋下氏の会見が始まった。
ほどなく橋下氏に「強制連行はなかったという思いは変わらないんですか?」という声が飛んだ。
質問の主は韓国人記者。
橋下氏は答える。
「日本軍が施設の管理をしたり関与していたとは思いますが、国家の意志として女性を強制的に拉致したり、売買したという事実はなかったというのが日本政府の見解です」
記者会見は、日本の官憲による強制連行を認めさせ、失言を引き出したい内外の新聞記者が執拗に突っ込み、橋下氏が冷静に反論する場面の繰り返しだった。
この後も韓国人記者は質問を繰り返すが、風向きが変わったのは、慰安婦に対する賠償問題に話が及んだときだった。
日本政府は’65年の日韓基本条約で賠償問題は解決済みという立場だが、韓国は賠償責任は残っているとの立場。
橋下氏が答える。
「賠償問題について解釈が違うというなら、これは条約の問題なので国際司法裁判所でやればいい。
日本は民間募金による金も出しているが、日本政府が賠償責任をという話になってしまうと、結局は日韓基本条約に戻る。
でも、これは国際法ですから動かすことはできない。
もし日韓基本条約がだめというなら、あとは国際司法裁判所しかないでしょうね」
この発言に対して反論はいっさいなく、韓国人記者も沈黙した。
「竹島問題でもそうだったように、韓国が国際司法裁判所への提訴に乗ってくるとはとても思えない。
堂々と日本の立場を主張した点で橋下さんは正しいと思います」(拓殖大学・s教授)
そのまま会見は終了。
橋下氏の驚異的な粘り腰で、図らずも韓国側の主張の欠陥が明らかになった。
▲補足、感想など
主張の欠陥が明らかに—というのはちょっと大袈裟だ。
1945年以前のことは、1965年の日韓基本条約ですべて完了したことになっている。
だから、1945年以前のことで条約の内容につき、不満があるなら、国際司法裁判所へ—というのは当然の帰結であろう。
こんな当たり前のことを公然という人間がいなかって—ということなのだな。
このブログで、いつもいっているように。
日本の政治家って、こう言ったから、支持票が☓☓票とれたはず—とか、票計算ばかりを考えている人間ばかりだ。
橋下さんのように、「気に入らないならオレをひきずりおろせ」と構えた政治家なんて、はじめて見た。
おそらく。
橋下さんって、田中角栄さんに非常に近い、なにか胸の奥底に「怨念」のようなものをもっている人間なのだな。
その怨念がいつも「熱」をもっていて、時々、表面に噴出するのだ。
今度の慰安婦に関する一連の発言がそんなことの一部であったのだろう。
維新の会に属する政治家って、橋下さんほどの「怨念」を胸の底深く燃やしていないのだろう。
だから。
慰安婦発言で、支持率が減るとオロオロするのだ。
上でふれた「票計算ばかりの政治家」だからだ。
政治家となってなにかをやろうとするのではなくて、いわば家業としての政治家、職業としての政治家でしかない—ということなのだな。
だから。支持率の動向をいつも見ている。
つまらん政治家だ。
橋下さんがこれからどうなるかは分からない。
今度は、支持を失うかもしれない。
しかし、橋下さんという人は、今度は維新ではなくて、「ニシンの党」(名称なんぞどうでもいいじゃないか)を立ちあげて、また出てくるぞ。
胸の底深くに燃えて熱をもつ「怨念」がある限り。