2013年6月13日木曜日

安倍さんが、元外務省の田中さんを批判している。

現職の首相が、元外務省の一個人を名指しで批判するというのは、よほど異常なことであろう。
 よほど異常?

 いや、いや、だから。
 そんな異常なことでも敢えてやろう—とするほど、安倍さんを怒らせたということなのだな。たぶん。
 この田中さんが。

 田中さんって一体なにものなのだろう。
 安倍さんをここまで怒らせるって。

 まず、安倍さんが田中さんを批判した記事から抜粋。

 安倍首相は、「フェイスブック」で、 かつて対北朝鮮外交を担っていた田中均元外務審議官を「外交を語る資格はない」と批判した。
 田中氏は毎日新聞のインタビューで、 「国際会議などで、日本が極端な右傾化をしているという声が聞こえる」 「中韓に日本を攻撃する口実を与えてしまっている」と首相の外交に否定的なコメントを述べた。

 対し首相は、11年前、 拉致被害者5人を北朝鮮に返すべきだとの田中氏の主張を覆した経緯を説明した上で 「あの時、田中氏の判断が通っていたら5人の被害者や子供たちはいまだに北朝鮮に閉じ込められていた」 「外交官として決定的判断ミス」と批判。

 なるほど、11年前の「恨み」があったということなのだな。
 次に、安倍さんを怒らせたであろう記事をご紹介。

--ここから--

 右傾化、日本攻撃の口実に 田中均氏に聞く

 -諸外国で日本の右傾化に懸念が強まっている。

◆外国での国際会議などで、日本が右傾化をしているという声が聞こえる。
 一方、安倍政権ができ、 アベノミクス効果などで日本も政治の停滞を抜け出すのではないかという期待の声もある。
 しかし、安倍首相の侵略の定義や河野談話、村山談話をそのまま承継するわけではないという発言や、 麻生太郎副総理らの靖国参拝、日本維新の会の橋下共同代表の従軍慰安婦についての発言などで、 いわゆる右傾化が進んでいると思われ出している。

?日本の右傾化を諸外国が利用している面もあるのでは。

 ◆中国との尖閣問題、韓国との竹島問題などで、日中、日韓関係が厳しい状況にある中、 中韓に日本を攻撃する口実を与えてしまっているという面はあるのだろう。
 この機会に日本をたたけと。

?米国はどうですか?

 ◆米国はアジアへの関心の「リバランス(再均衡)」政策を図っている。中国を大事にする、しないではなく、 東アジアを安定的な地域にしないと、米国の経済的、政治的利益が担保できないから、中国と向き合うことが必要だと。

 しかし、日本が中韓との関係で孤立しているように映っている。それは米国の国益にもそぐわないという認識が強い。 中国と向き合うためにも日本の協力が必要だが、日中が角を突き合わせている状況は具合が悪いとの認識がある。

?安倍首相は批判が出るとブレーキはかけますね。

 ◆侵略の定義とか、村山談話、河野談話、憲法96条の改正などで現実的な道をとろうとしていると思う。
 しかし、あまりそれを繰り返すと、根っこはそういう思いを持っている人だということが定着してしまう。

 参院選までは抑えるけど、それ以降はまた出てくるのではないかとの印象を生んでいる。
 それが日本の国益のためにいいかと。

?飯島勲内閣官房参与が訪朝しました。米韓への事前の説明が不十分だったと指摘されています。

◆私が北朝鮮と交渉した時もそうだが、日本の課題があるから、すべてを他の国に相談してやっていくということではない。
 拉致問題は極めて重要で、日本が自ら交渉し解決していかなければならない。
 だが、核、ミサイルの問題は日本だけでは解決できず、 関係国との関係を損なわないようにうまくやっていかなければならない。

 小泉元首相が常に言っていたように、 拉致と核、ミサイルを包括的に解決するのが日本の政策なのだと思う。
 飯島さんの訪朝がスタンドプレーだとは言わないが、そう見られてはいけない。

?最近の日本外交は二言目には、中国をけん制するというのが出てきます。

 ◆ロシアやインド、東南アジアとのパートナーシップを強化すること自体は正しい。だが、それを価値観外交と言えば、中国を疎外する概念になる。
 価値観外交と掛け声をかけることが正しいとは思わない。
 中国が将来覇権をとるようなことがないように共にけん制しようというのは、静かにやること。

 声を大にして「けん制しますよ」というのは外交じゃない。
 政治家は勇気を持って日中関係はいかに大事かを語らないといけない。


?課題山積です。

 ◆日本が自己中心的な、偏狭なナショナリズムによって動く国だというレッテルを貼られかねない状況が出てきている。
 日本の再生は可能だと思うし、政治の力でそれを実現してほしい。
 日本に国際社会からこれだけ注目が集まることは、 1年前は良くも悪くもなかった。
 それを無にしないことが大切でしょう。

--ここまで--

▲補足、感想など

 この田中さんって朝鮮系? まぁ、ありえそうだな。あの北朝鮮とのつながり方-といい。この記事、毎日新聞だぞ。

 文章を読む限り、田中さんは慎重に言葉を選んで答えているが、どこか「上から目線」だし、中国・韓国よりの姿勢が窺えるなぁ。

 おそらく、このあたりだな。
 安倍さんが、かっとなったのは。
 こいつ、「上から目線で」、かつ、「中国・朝鮮より」でものをいって---と。
 11年前、拉致被害者に対して、どう対応したのか—思い出してみろ--と言っているということか。

 う~ん、11年前—というところに一つの「話の核」がありそうだな。

 11年前なら。まだインターネットがボツボツ、でてきた頃だったということか。
 新聞とテレビを朝鮮系の人間に牛耳られている状況では、新聞テレビでネガキャンをやられると、一発で、議席など失ってしまう。
 つまり、今、安倍さんが腹をたてていったようなことをいうと、自分の足元が朝鮮系のマスコミに掘り崩されてしまったのだろう。

 今なら、インターネットがある。この記事のようにフェイスブックがある。
 反論も主張も可能だ。

 逆にいえば。
 いまだからこそ、「やっと言えるのだ」、安倍さんは。

 上で、怒っていると書いたが。
 怒っているのではなく、冷静に判断して、「はっきり、ものが言える時代がきた」ことを確信し、「たぶん朝鮮系の田中さんを批判」しているのだ。