2021年4月4日日曜日

歎異抄入門 本多顕彰著 株式会社光文社 昭和43年4月刊行 感想

 

もう表題の本は、絶版となっていて、アマゾンではひっかからない。

 筆者は、歎異抄(たんにしょう)というこのなんとも近寄りがたい本にやっと表題の本を通じて少し近づけたように思う。

 歎異抄という書物は、浄土真宗の開祖である親鸞の言行を、その弟子達が記録したものだ。

 法然の浄土宗、その弟子である親鸞の浄土真宗という12世紀から13世紀に派生した「日本化した仏教」に筆者は親しみを感ずる。<なお、念仏だけでいいとする教えに既存の仏教徒から法然、親鸞は攻撃をうけ、法然は土佐へ、親鸞は関東地方へ流されている>

 それは、そもそも、宗教というものは、人がこの世で幸福に生きるためのツールの一つであるべきだと思うからだ。

 その視点でみると、例えばキリスト教の神父が結婚できないというような規制があることに、違和感を感じてしまう。

 表題の本から、筆者が気になった部分を転記してみよう。

 --ここから--

「如来の本願を信じよ、本願を信ずる人はみな救い取ってけっして捨てないという如来のご利益によって、無上の覚りをさとる」

「念仏をとなえる者はみな仏のさとりをさとる、というのは創造的宗教思想のきわめて大胆な開陳である」

「浄土はすぐそこにある。いや私たちの心の中にある。そこに生まれたら私たちは偉大な知恵と大きな慈悲とによって生かされるから、この上なく幸福になれるし、また真実の生きることができる」

 --ここまで--

 日本に新奇なものが入ってくると、たちまち「大衆化」してしまう。

 12.3世紀頃に、日本に入った仏教も「大衆化」「日本化」ということを免れなかったようだ。

 日本人による「大衆化」、あぁ、最近は、「魔改造」ともいうなぁ。

 日本の仏教の法然、親鸞による「魔改造」は、「浄土にいけるハードル」が段々低くなっていくことだ。魔改造の中身は、「念仏を唱えて、如来におすがりすれば、皆、浄土へいける」のだよ---となったことだ。

 12.3世紀頃の無学な農夫たちは、これを聞いて、どれだけ安心したことだろう。

 また、親鸞が「妻帯肉食」したことに、上でふれた「仏教の日本人による魔改造」を感じてしまう。(いや、魔改造というより、日本の仏教が、ひとつ”高み”へ達したという印象を受ける。その部分に人のもつ”本能”を肯定的に捉え、”あるがままで”で修行できるということになるのだろうなぁ)

 人間の本能である「性欲」などを抑制できる訳があるまい。上でキリスト教の神父の「非妻帯」に違和感を感じると書いた。

 そこにあるのは、筆者の「本能である性欲を抑制できるものなのか」という違和感というかどうにも納得できない部分なのだ。そこにキリスト教のもつ「弱点」のようなものを感じる。

 もう一度、この本から、筆者の気になる部分を書き出そう。

 --ここから--

「親鸞の宗教の本尊は、光明によってあらわれる真理なのである。そしてその本尊の居る国土は、光明土だというのだ。古往今来、こんな新しい宗教がどこにあるか。これこそ、つねに最も新しく、永遠に生きる宗教ではないか。人間は、この光明と真理の如来のふところの中に生きている。逆に、この如来は、われわれの中に生かされている。如来は、われわれの汚れを先刻承知で、承知の上で抱き取ってくださっている。あぁ、そうだったのだ、自力でもがくのではなかったのだ、と思って如来のふところに帰ってゆく-これが念仏だ、南無阿弥陀仏だ。」

 --ここまで--

★ついでに、日本人の「魔改造グセ」の裏側にあるものをみておこう。

-ここから-

2009/03/15(日)

   判るなぁ、その話。  おいらも、その口で、海外出るようになってから、日本の凄さ、日本人の異常な優秀さが判った。

   おいらの業界じゃ、日本製品てのは欧州や米国と比べてさえ、値段が倍近いんだが、その価格差を納得させるってのは本当に凄い。 人間の使い方も、まぁ、おいらは当事者だから手前味噌になっちまうけれど、 欧米と比べるとはるかに人間的だよね。ただ、それにつけ込む輩がいるのも事実。こっちにはそう言う事例は掃いて捨てるほどあるんでね。

   ただ、一つ気をつけなきゃいけないのは、欧米人はまだしも、途上国の人間の場合、日本人には考えられないレベルの思考力、想像力の欠如した人間が居るってこと。この連中を日本と同じ要領で使おうとすると、必ず失敗する。ってか、普通の日本人なら、まず先に怒り出すよ。だって、3分前にやった事と同じ事を同じに出来ないから。どうも記憶して、それを繰り返すって事が出来ないらしい。 で、こういう連中は、日本人に酷い扱いを受けた、って文句言うんだわ。 これが日本人が虐待した、とかの話の正体。

 実際にやられた経験があるから ね、これ。 まぁ、日本人が異常過ぎるって話でもあるんだがね。 

-ここまで-