2014年8月31日日曜日

昭和20年代、30年代のシステムを見直せ。

いや、なにかというと、大阪市の地下鉄の延伸計画のことだ。
 昭和30年代というのは、半ば以降は、高度成長期であるが、昭和30年代始めはようやく戦後の傷が癒えたころだ。

 まぁ、貧乏な時代だといってもいい。
 しかし、貧乏云々はともかくとして、昭和20年代から30年代半ばぐらいまでの日本のシステムを見直すべきだ—という気がしてならない。

 地下鉄を作っても、その建設費用と利用する人口とのバランスがとれないのだ。
 だから、地上を走行する電車でいいではないか—というものだ。

 昔のチンチン電車にしろ-と言っているのではない。
 今なら、同じコンセプトのものでも、技術的に様々のバリエーションがあろう。
 その技術をもって、2010年代にそぐうチンチン電車をつくろうではないか。

 また、昭和20年代の「ムラ社会の価値」を見直そうではないか。
 筆者の住居の近くでも、2世帯住宅が徐々に増えてきたようだ。
 高齢化した人口を、ハコモノだけでは対応しきれないのだ。

 高齢化した世代を、家族で、地域で相互に面倒をみる—言わば、新ムラ社会というものを作ろうとしているのではないのか。

 振り返れば、昭和30年代半ばからバブル崩壊まで、 ムラ社会の崩壊 → 核家族化 という一方方向へ進行してきた。

 ところが、人口減少などを受け、ここにきて。
 核家族化 → 新ムラ社会の構築 というものが始まったような気がする。
 ただ、新しいムラ社会が構築される場所が、昭和20年代30年代とは異なる。
 おそらく、大都市の周辺部が中心となるものと思える。

 それは、上でふれた地下鉄を作ることはできないが、電車なら可能という場所と重なるような気がする。

 以下、新聞から抜粋。

 大阪市にLRTを…市営地下鉄4線「採算ムリ」 審議会、延伸・新設で答申
 2014/8/29

 大阪市営地下鉄で今里筋線など3路線の延伸と、1路線の新設について検討していた市の諮問審議会「大阪市鉄道ネットワーク審議会」(会長・斎藤近畿大学教授)は、採算性などの試算結果から、 いずれの整備も「事業化の可能性は極めて厳しい」とする答申を提出。

 検討されていたのは未着手となっていた地下鉄路線で、財政難で整備計画が凍結している
 今里筋線(今里-湯里六丁目)▽長堀鶴見緑地線(鶴町-大正)▽千日前線(南巽-弥刀(みと)方面)- の延伸と、敷津長吉線(住之江公園-喜連瓜破)の新設。
 審議会は、各路線の需要予測に基づく採算性や費用対効果などを試算した。

 この結果、市営地下鉄は民営化の是非が議論されているものの、公営、民営いずれの場合でも「極めて厳しい 試算結果」と結論づけた。

 ただ一方で、検討路線の周辺地域は「人口密度、高齢化率が高く、町の活性化に合わせた公共交通の改善に 取り組む必要がある」とし、次世代型路面電車「(ライト・レール・トランジット)」など幅広い交通システムの導入を検討するよう提言した。

 市交通局は「答申の趣旨を踏まえ、今後、市としての考え方を整理していく」と。


▲補足、感想など

 低負担でものを考えるということ。
 路面電車も、新ムラ社会の構築—もだ。

 路面電車を「無人化」で運行する—というようなことを考えるべきだろうな。
 新ムラ社会の構築なども課題は多そうだ。

 二世帯三世帯住宅というようなものを考える時、もっと遮音性を高めた建築材料も必要だろう。
 また、多世帯住宅の設計のコンペのようなことをやってみればどうたろう。
 行政側も、多世帯住宅を建築する場合には、建ぺい率を緩和してやるとか建築費用の補助をするとかを考えたらどうだろうか。

 核心は、高齢化社会というものを個人とかなんとかホームだけでは収容しきれないのだ。
 だから。
 多世帯住宅を多くして、隣組のような複数の家族・地域で包括的に面倒を見合うという方向へいかざるをえない。

 ムラ社会の価値の見直し、ムラ社会の再構築ということを真剣に考えるタイミングが来ている。