2017年12月24日日曜日

日本の原発、ポーランドへの輸出成功

目の前を、様々な事象が流れる。ボーと見ているだけでは「なにかを見過ごしてしまう」。
 ともあれ、目の前を流れる事象の核心を掴んでおこう。
 そのことが暮らしていく上でのミスを減らしてくれる。

▲なにか、色々なことに影響しそうな話だと思える。
 なにより、原発の製造・建造技術を保持することの大切さを思う。

 なぜかというと。
 日本の数年後には、原発を新設しなければならなくなるからだ。
 それは、再生可能エネルギーなるものが喧伝されている。しかし、太陽光にせよ、風力にせよ、補助的なエネルギー発生装置でしかない。

 エネルギー源をどこに求めるか—ということは、国家の命運を左右するほどのものだ。
 そのことは、先の大戦当時と、現時点でも差はない。
 現時点でも、主たるエネルギー源は、火力発電、水力発電、原発であることに代わりはない。
 先日、原発新設の議論が始まるという記事があった。再掲しておきたい。

 --ここから--

 経済産業省は、原発の新設や建て替えの必要性に関する議論に近く着手する。

 2030年までの国の政策方針を定めた「エネルギー基本計画」改定に際し、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」を踏まえた50年までの長期的視点を新たに盛り込む。
 温室効果ガスを8割削減する日本の目標に向け、二酸化炭素を出さない原発をどう維持するかが焦点となる。

 3年ごとの基本計画の改定検討を担う経産省の会議で先月、分科会長である坂根正弘氏が「原子力と地球温暖化問題の両面からアプローチしないと答えが出ない」と発言。
 「50年を考えながら30年の議論をしたい」とも語り、50年までの原発活用を議論する方針を示した。
 政府は電源構成に占める原発の比率を30年度に2022%とする目標を掲げている。
 30基程度が必要だが、原則40年の運転期間を60年に延長すれば、計算上は既存原発だけで達成できる。

 しかし、その後は全原発を60年運転しても50年度ごろに比率は10%程度にまで低下。
 再生可能エネルギーに安定性やコストの課題が残る中、温暖化目標達成には新設によって原発比率を維持するかが論点となる。
 経産省は当初、今回の計画改定は小幅にとどめ、原発新設には踏み込まない方針だった。
 だが有識者委員から検討を急ぐべきだとの意見が続出。
 来春から議論を本格化させる方向に転じた。
 ただ、原発の安全への国民不信は根強く、来年度前半とみられる取りまとめまでにどこまで議論が深まるかは不透明だ。」

 --ここまで--

 冒頭でふれた。
 繰り返しとなるが、どこから、エネルギーをもってくるかという問題は、国家の命運を左右するほどのものだ。
 国民からどう思われようと、議論すべきは議論すべきと筆者は考える。

 以下、新聞から抜粋。

 2017-12-21
 日本が、欧州ポーランドの次世代原発建設事業の誘致に成功した。
 2011年、福島原発事故直後、脱原発政策などで原発輸出競争で苦境に陥ったが、政策を修正し、既存の設備の欠点を補完するなど日本の原発産業界が海外市場で競争力を取り戻しつつある。
 日本経済新聞が21日、日本政府と民間部門が力を合わせて、次世代原子炉である「高温ガス炉」を2030年までにポーランドで建設すると伝えた。
 日本政府は来年初め、ポーランド政府間と合意を締結し、出力16万キロワットの原子炉を建設する。
 この事業には、日本原子力研究開発機構を中心に東芝、三菱重工業、日立製作所などの企業が参加。

 高温ガス炉は、ウランを燃料に使用するが、冷却剤として水の代わりにヘリウムガスを使用する。
 化学反応や蒸発が起こらず、水素、水蒸気爆発も発生しない。
 冷却電源を切っても炉心が溶けず安全性も高く、二酸化炭素の排出量も少ないという。
 ただし、高温ガス炉は出力が20万~30kWで一般の原発よりも小さい。
 日本は、一般の原発輸出には限界があると判断して、次世代高温ガス炉輸出に主力する方針だ。

 特に二酸化炭素排出規制が厳格な欧州連合(EU)では高温ガス炉の導入に積極的という分析に、ポーランドを足がかりに、高温ガス炉輸出に力を入れる。
 高温ガス炉は現在商用運転は行われていない。
 ただ、日本の原子力機関は、世界で初めて高温ガス炉の研究炉を茨城県に作って出力3万キロワットの稼動に成功している。
 日本企業は来年中にポーランドの現地企業が参加するコンソーシアムを構成して、2025年までにポーランド国立原子力研究センターに出力1万キロワット級の研究炉を建設する計画だ。

 最終的には2030年に商用炉(商業発電用原子炉)で運転を開始するのが目標だ。
 日本の原子力機関は、すでにポーランドに技術者を送り、現地調査を行っている。
 商用炉は、1基当たり約500億円水準で、ポーランドの発注量が2基の場合、約1000億円規模を受注することになる。

補足、感想など

 日本は、次世代型(高温ガス炉)の原発をポーランドに建設しようとしているということだ。
 だから、東芝、三菱重工、日立 と日本の3社が揃っているということなのだな。

 なにより、原発製造技術を維持できることに価値がありそうだ。
 日本で原発の新増設が必要だという記事から。

 --ここから--

2017/09/15()
原発の新増設必要=政策議論に期待-勝野電事連会長

 電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は記者会見で、原発について 「足元の再稼働のみならず中長期的には新増設・リプレース(建て替え)が必要になる」と語った。
 「資源に乏しいわが国で原発の果たす役割は大変大きい」と強調。
 エネルギー基本計画の見直しなど、 経済産業省が進めている中長期の政策議論で、新増設の必要性が検討されることに期待を示した。
 
 勝野会長は、「安全の確保、技術、人材基盤を維持する観点からも将来にわたって 原発を一定規模確保することが必要だ」とも訴えた。

 --ここまで--

 今のところ、原発に代替できる程の恒常的にエネルギーを発生できる装置は発見されていない。
 少し、可能性があるとしたら、潮流発電であろうが、今年ぐらいに実験機ができたばかりで、実際に実用的なエネルギー源となるには、数十年の歳月が必要だ。
 そして、その代替的なエネルギー発生装置が実用化される前に、既存の原発の耐用年数が切れてしまうのだ。
 それを踏まえての、上の記事にある「原発の新増設が必要だ」という記事なのだ。
 筆者も、まったく、同意する。

 同時並行的に、水素エネルギーというものへの開発に力を傾注している。 
 その記事をみてみよう。

 --ここから--

 環境に優しいとされる、水素エネルギーを本格的に活用する「水素社会」の実現に向けて、政府は、2030年ごろに水素を燃料とする発電を商用化し原子力発電所1基分に相当する100万キロワット規模の発電を目指す基本戦略の案をまとめた。
 政府は、「水素社会」を実現するため、ことし4月に関係閣僚による会議を開くなど、基本戦略の策定に向けた検討を進めてきた。

 結果、このほどまとまった基本戦略の案によりますと、水素エネルギーの普及には調達と供給のコストを下げることが不可欠だとして、水素を取り出す石炭などの海外資源の確保や、水素の効率的な輸送を可能にする技術など、国際的な調達網の構築を進めていくとしています。
 そのうえで、2030年ごろに水素を燃料とする発電を商用化し、原子力発電所1基分に相当する100万キロワット規模の発電を目指すとしています。

 さらに、水素を燃料とする次世代のエコカー、「燃料電池車」についても、「燃料電池バス」を、2030年度までに1200台程度導入するとした新たな目標を盛り込んでいます。
 政府は、今月中に関係閣僚会議を改めて開いて、こうした内容を基本戦略として正式に決める方針。

 --ここまで--

 原発に代替するエネルギー源を確保する試みで、潮流発電などと並行して進められているものであろう。
 いずれが、優位に立つのかは分からない。
 次世代型原発である高温ガス炉が主力となるのかもしれない。

 いずれにせよ。
 再度の繰り返しとなるが、エネルギー源をどこに求めるかという問題は、国家の命運を左右する程のことだ。 
 日本が先の大戦時、石油を求めて南進作戦を採用した理由を忘れまい。