2017年12月23日土曜日

文化大革命 矢吹晋著 講談社現代新書 1989年10月刊 感想

数年前か。
 中国政府が、文化大革命を「錯誤だった」とか、総括していた。
 その記事を転記しようか。

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2016/05/17()
 【北京時事】17日付の中国共産党機関紙・人民日報は、多くの犠牲者を出し社会に混乱をもたらした文化大革命について、「完全な錯誤だった」とする論評を掲載。
 文革開始(1966年5月16日)から50年たったことを踏まえたもので、改めて党の公式見解を確認し、「歴史の教訓をくみ取り、前進する」よう訴えた。

 人民日報は「文革のような過ちを繰り返してはいけない」と指摘。
 「現在、われわれは歴史上のどの時代よりも中華民族の偉大な復興の目標に近づいている」として、社会の発展を目指すよう呼び掛けた。

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 錯誤の名の下に多くの生命が奪われた。その幾つかの書き込みをみよう。

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2012/11/14()
 文化大革命時代、毛沢東によって殺された人間の数は諸説ある。
 米国ワシントンポスト1994717号に掲載されたプリンストン大学の研究成果によると8000万人以上が殺された。 また世界的ベストセラーとなった「マオ(ユン・チアン著)」によると7000万人以上が殺された。
 フランスで1997年に出版された「共産主義黒書(ステファン・クルトワ著)」によると6500万人以上が殺された。
 以上のデータからは、6500万人以上~8000万人以上となる。

 しかし江沢民時代、中共が公式に発表した数字によると2000万人だ。
 朝日新聞の「知恵蔵」もこの数字を記載している。
 しかし2000万人だって十分すぎるほど凄まじい死者数だ。
 
2011/07/07()
 文革は、それまでの伝統をすべてぶち壊して、 絵の具を洗い落として、真っ白なキャンパスから もう一度描きましょう、みたいな思想。
 だから、伝統職に就いてる人は、問答無用で処刑された。生き延びた人も、伝統を後世に継がせる事が出来なかった。
 分かりやすく言うと、例えば日本の瓦職人が全員消えて、 日本の屋根がすべてトタンとか、瓦以外のモノに変わる。 当然、古い仏閣などの修復も出来ないから、瓦に似た何か、で代用したり。
 瓦の型をとって、コンクリート製の屋根に色を塗る、とかそんな アホみたいな事をするようになる。
 職人がいないので、事実上伝統そのものが絶たれて消える。
 今の中国は昔の伝統を一回リセットして別の国になってると考えていい。


493 ::2011/07/07()
 文革なんてちょっと調べればいくらでも実態が出てくるが、早い話2次に渡る5ヵ年計画が超大失敗に終わり、 その無能さ無責任さを糾弾されて失脚した毛沢東とその取り巻きが政権奪取の為に池沼並みの民衆を煽動した。
 新華社通信の元記者が言うには2回の五ヵ年計画と文革の犠牲者は推定で5千万人。
 これは世界中が真っ二つ に割れて大量破壊兵器を駆使して殺しまくった第2次世界大戦の死者より多い。

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 文化大革命の概略は理解頂けるだろう。
 さて、表題の本について、アマゾンにいくつかの評が載っていた。評価の高いものから選んで転記したい。

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 本書は現代中国史の中で狂気の時代と言われた文化大革命について、三つの視点から書かれた解説書である。
 第一部の「文化大革命の十年」では、文革とは何だったのかを時代を追いながら総括している。 
 第二部の「毛沢東思想の夢と現実」では、文革のナゾの核心に触れるため、文革を引き起こした張本人である毛沢東の思想に迫る。
 第三部の「文革の推進者たち、被害者たち」では、文革の主要な登場人物に分けて、その栄枯盛衰を追う。

 文革を理解するキーポイントの一つに、「毛沢東は死ぬまで第三次世界大戦不可避論に立脚していた」ことが書かれている。
 「革命によって帝国主義が打倒されないかぎり、戦争はなくならない」と狂信していたとするとするならば、不可解な文革の成り行きが多少なりとも理解しやすくなる。

 1966年に「大きな学校」という「1958年に提起した人民公社構想と酷似している」組織形態を持ち出したのは、彼の「人民公社路線への断固たる確信」の現れであり、それは彼の夢でもあった。と同時に彼の空想的社会主義の限界を示すものであった。

 第三部の主要登場人物「紅衛兵」「江青と葉群」「林彪」「劉少奇」「周恩来とトウ小平」は、誰一人とて欠かすことのできない文革の犠牲者たちである。彼ら一人ひとりにスポットを当てて解説しているところが本書の特徴であり優れた点であると思う。

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 以上を踏まえた上で、筆者の感想を述べたい。

 中国人を考える上で、識字率の低さというものを考えなければ、なにも見えないと思う。
 20世紀の半ばで5%くらい、1960年代であればせいぜい20%程度ではないのか。
 文化大革命というものは、「群盲、像をなでる」という感じではないのか。
 盲たって、盲ではない、文盲の意味だ。
 象にあたるものが、社会主義とか共産主義とかいうもの。
 
 紅衛兵といった若者は、中学生、高校生ぐらいであろう。
 中国では、新聞が読めるのが高校生になったぐらいかららしい。

 この文化大革命という本の中で、毛沢東を中心として話される言葉が非常に単純で短い。
 人民公社にみるごとく、お花畑思想の禄に学殖のない皇帝が、思いつきで色んなことを試み、失敗した段階で、やっと新聞が読めるか読めないかという無知な若者を扇動した結果、とんでもない社会的混乱を引き起こし、その混乱の中で、数千万人という文化人が殺害されていったというとことだろうなぁ。
 群盲、象をなでている内に、象が暴れ回り、象によって多くの人間が踏み潰されたとでも言えば、当たっているか。