▲いや、口には出さないよ。三菱は。
でも、安いのどうの言う人は別に受け取らなくても---と。
考えてもみよ。
国と国との賠償問題は既に解決している。
だから。
日本という国とは関係がないのだ。
三菱マテリアルという一企業が、元敵国捕虜という個人に対して好意で賠償しようとしているのだ。
額は、まぁ、相場というか通常のものだ。
で。
この金額が安い—と個人が言うなら、あぁ、そうですか。では支払いません---と三菱マテリアルはでる。
はっきり言えば、「施し」ではないか。
施しが少ないからもらわない—という個人がいれば、別に頭を下げてもらってもらうものではあるまい。
賠償でもない、契約で金額が決まっているものでもない、単なる施し、喜捨の類いではないか。
以下、新聞から抜粋。
2015年7月、法制日報によると、日本メディアは、「第二次世界大戦中の中国人強制連行をめぐり、日本の三菱マテリアルと中国側被害者の交渉団は包括和解に合意する方針を固めた」と。
第二次世界大戦時の中国人強制労働被害者による対日損害賠償請求の動向に関わるこの情報は世間の注目を集めた。
だが、翌24日、第二次世界大戦中国人強制労働被害者訴訟弁護団は声明を出し、「日本のメディアは事実と異なる報道をしている。三菱マテリアルは、史実を認め、悔いる態度を一貫して示しておらず、『和解』には、全く誠意が込められていない」と。
訴訟弁護団のメンバーで、弁護士の鄒氏は、「三菱マテリアルは事実を直視することをあくまでも避け、責任の所在を曖昧にしている。
彼らの態度には、心の底から謝罪する気持ちは毛頭見られない。
このような状況のもとで、原告や多くの中国人強制労働被害者およびその遺族が、彼らと和解することは全く不可能だ」と。
日本のメディアの報道によると、第二次世界大戦中の中国人労働者の強制徴用をめぐり、三菱マテリアルと中国側被害者の交渉団は、包括和解に合意する方針を固めた。
この和解の主な内容は「三菱側が『陳謝』すると同時に、基金方式で計3765人に対し1人当たり10万元(約200万円)の賠償金を支払う」というもので、双方は近く、和解協定書を取り交わすという。
この「和解協議」は、民間企業が自発的に中国人被害者に謝罪の意を示すと同時に、損害賠償を申し出たものだ。
この情報が伝わるやいなや、日中両国には、関心が渦巻いた。
だが、これは事実ではなかった。
24日夜、訴訟弁護団は声明を発表し、この報道は事実ではないと主張、
「第二次世界大戦中国人強制労働被害者連合会三菱支部と原告は、三菱マテリアルと、『包括和解に合意することを決定』したことはない」と。
同メディアが報じた「三菱マテリアルが基金方式で被害者に一人当たり10万元の賠償金を支払う」という内容は、単に三菱側が一方的に提示した「和解」内容に過ぎなかった。
実際には、中国人強制労働被害者連合会三菱支部と三菱との和解交渉は、今年2月に中断したままという。
訴訟弁護士団が提出した「われわれはなぜ三菱との和解交渉を中断したのか」と題する声明では、以下の通り指摘されている。
三菱は、第二次大戦中に中国人を強制連行して過酷な労働を強いたという事実を、「受動的に労働を受け入れた」という表現で濁し、彼らを奴隷のように酷使して巨額の利益を貪ったことを否定し、一部労働者の死亡と過酷な強制労働との間に存在する法律上の因果関係を否定した。
また、事実を認めるという点で、加害と被害との関係に向き合うことを避け、自らが負うべき責任を回避してきた。
▲補足、感想など
冒頭でふれた。
日本と中国との間での先の戦争での賠償問題は解決済みだ。
日本で裁判をしても、絶対に戦時の問題など、賠償の対象とはならない。
また、日本政府の「コメントしない」と関係がないことを示唆している。
だから。
単に、三菱マテリアルという企業と、戦時にやむなく徴用していた敵国の捕虜個人との関係で、三菱側が、「好意的な喜捨」のようなものとして、一人当たり200万円を支払いましょうと申し出たということだ。
冒頭で触れたとおり、施しの金額が小さいという理由で、もらわない—というのならば、それは個人の問題だ。
では、払いませんよ、ご勝手に---と三菱マテリアルは言うだろう。
そして、これで先の大戦がらみの問題は、すべて片付いた—とほっとするだろうな。
また、仮に、再度中国で裁判とするとしても、大原則である「日中間での戦時賠償は既に解決済み」と繰り返すだけだ。