2015年7月5日日曜日

通学の罰---って。アフガニスタン。

女性が教育を受けると罰を受けるのか?
 なんなのか。
 これって。

 イスラム教の影響なのか?

 アフガニスタンで、通学していた若い女子学生に酸をかけるという事件が起こった。
 アフガニスタンという国では、文明化するということは罪なのか。

 文明化するということは、善なのか---という根底からの問いがなされているのかな。

 以下、新聞から抜粋。

 「通学への罰」、女子生徒3人が酸かけられ負傷 アフガン

 アフガニスタンの西部ヘラート州で、登校中の女子生徒3人が顔に酸をかけられて負傷した。
 教育当局の責任者によると、3人は州都ヘラート市内最大級とされる女子学校の生徒で、年齢は16~18歳。

 市内の病院へ運ばれたが、病院長によるとその後家族が引き取り、別の場所へ移動した。
 3人のうち2人は重体だったという。

 同病院長が3人の話として語ったところによれば、犯人はオートバイに乗った2人組の男。
 生徒らに酸を浴びせながら、「これは学校へ行くことに対する罰だ」と話したという。
 警察報道官は、犯人の捜索に全力を尽くしていると述べた。


補足、感想など

 文明化を拒否するなら、オートバイに乗らず、走って事件を起こせばいい。
 すると。
 文明化を拒否しているということではないのだな。

 問題の核心は、「女性が教育を受ける」という部分か。
 イスラム教徒の男性には、「女性が教育を受ける」ということが我慢できない—ということになる。

 男尊女卑というものではなくて、「女性を表に出したくない」てな感覚だろうな。

 ちよぃと、手元の資料を検索してみると、女性の警察官が射殺されるという事件があった。記事をご紹介しよう。

--ここから--

 2013/07/05(金) 
 アフガニスタンで、女性警察官が、武装集団の銃撃を受けて死亡した。 
 同国で公の役職に就き活躍する女性たちが直面する脅威が、改めて浮き彫りとなった。 

 死亡したのは、イスラム・ビビ警部補(37)。 
 社会で活躍する女性の代表的存在とされていたが、それを快く思わない人々から しばしば殺害の脅迫を受けていた。ビビさんの実の兄弟も脅迫者の1人だった。 

 ヘルマンド州の州政府当局者がAFPに語ったところによると、ビビさんは 4日朝、息子に職場まで車で送ってもらっている途中に、身元不明の集団からの銃撃を受けた。 
 重傷を負い、病院に搬送されたが、救命治療を受けている最中に死亡したという。 
 息子も負傷した。 

 3人の子を持つビビさんは、抑圧的なタリバン政権が2001年に崩壊して以降、 改善されてきた女性の社会進出の機会を体現する存在とみなされていた。 
 現政権へのイスラム主義勢力の襲撃が相次ぐヘルマンド州で、 最も高い地位に就いた女性警察官として活躍してきた。 

 ビビさんは今年行われた英紙とのインタビューで、 「兄弟も父も、姉妹たちも全員が私に反対している。実は、私の兄弟は3度、私を殺そうとした。彼は拳銃を振りかざしながら、私に(警察官を)辞めろと命令してきた。 
 実際に発砲はしなかったけれど。彼は後に政府から拳銃を取り上げられた」と語って いる。 

--ここまで--

 また、数年前、インドで酸を使った同じような事件があった。ご紹介したい。

--ここから--

■「顔を奪い、人生を取り去った」男たち

 9年前、ムカジーさんはインド東部ダーンバードの大学に通う学生だった。
 そんなとき男子学生3人がムカジーさんの自宅に押し入り、ムカジーさんに襲いかかった。
 男らをはねつけたムカジーさんに向けて、3人は錆びた道具を磨くために使われる「テザーブ」と呼ばれる酸性の液剤を投げつけた。
 液剤はムカジーさんの顔にかかり、両まぶた、鼻、両耳を溶かした。

 ムカジーさんは22回に及ぶ外科手術を受けたが、現在も失明したままで聴力も不自由だ。
 ムカジーさんを襲った3人は逮捕されたが、数日間か勾留されただけで保釈された。
 事件はそのまま、インドの司法制度に埋もれてしまっている。
 
 「私が拒んだことに逆上した彼らは、私から顔を奪い、私の人生を取り去ったのです」。
 
■急がれる酸暴力法の整備

 インドの法律では、酸による暴力はドメスティック・バイオレンス(DV)法の範囲となる。
 ムカジーさんは、自分と同じ酸被害者のために、 酸による暴力に特化した法律の制定を求めていきたいと考えている。

 一方、インドの隣国パキスタンでは2011年、酸による暴力に対する刑が重罰化され、最低でも禁錮14年、 最高で終身刑となったほか、100万ルピー(約150万円)以上の罰金も科されることとなった。

 ムカジーさんは言う。「私に酸を浴びせた男たちは、今も堂々と辺りをうろついている。もっと厳しい刑罰があったならば、 今頃は刑務所の中にいるはずなんです」
 ムカジーさんとは別の酸被害者の事件で最高裁で闘ってきたインドの弁護士アパルナ・バットt)氏は、 酸による暴力の被害者の治療費無償化と、酸の売買の規制を求める請願書を提出した。

 「インドには、酸による犯罪を、より包括的に定義する新しい法律が必要だ。
 そして被害者には医療とリハビリを無料で提供すべきだ。酸は危険な武器なのだから」

--ここまで--

 アフガニスタン、インド,パキスタン で同様の事件が起きているということか。
 インド人男性の女性への対応は、どうもカースト制度にもとづく、上のカーストから下のカーストに向かっての攻撃性が根底にあるようだが---

 かならずしも、宗教がらみでなくても、男性から女性に対する「軽くみる」というこの地域にある歴史的なものがありそうだな。