▲4256本か。
なんとも膨大な数ではある。
イチローは、4256本目は一塁線沿いへのポテンヒット、4257本目は、クリーンヒットで決めた。
大リーグの記録と直接比較できるのか—という批判があるが、まぁ、そのとおりだろうな。
でも。
それなりに評価されてもいい数字だと思う。
4257本目で一塁に出たイチローは、帽子を脱いて球場の観客へ向かって軽く挨拶をした。
ちょいと、ピート・ローズと比較した記事があった。それをご紹介。
以下、抜粋。
日米通算でローズの記録に王手、「僕は自分の感情をコントロールしようとする」
マーリンズのイチロー外野手が、ピート・ローズが保持するメジャー歴代最多安打記録の4256本まで、日米通算で残り1本と迫っている。
13日のパドレス戦ではスタメン出場し、4打数3安打2四球1打点3得点と活躍。
現在メジャー通算2977本で、日本時代の1278本と合わせて日米通算4255本。1本1本積み上げてきたヒットの数は、世界一になる。
イチロー自身は、日米通算4000安打を達成した時の会見で、両リーグを合算したヒット数について「ややこしい数字。
両方のリーグの数字を足しているものですから難しい」と表現。
では、メジャーでヒット数を積み重ねたピート・ローズについては、どのような思いを抱いているのか。
“ローズ超え”の記事を掲載した地元紙に対して、イチローは「僕らは真逆のタイプかもしれない」と明かしている。
ピート・ローズは1963年、21歳の時にレッズでメジャーデビューし、43歳シーズンの84年に通算4000安打に到達。
晩年は選手兼監督としてヒット数を積み重ね、86年の引退までに4256安打をマーク。
全力プレーがトレードマークで、「チャーリー・ハッスル」の異名を取った。
1989年に野球賭博に関わっていたことが明らかになり、永久追放の処分を受けた。
そんなローズについて、イチローは地元紙の記事の中で、以下のように明かしている。
「僕が見てきたところから言えば、プレーしている時にはすごい情熱の持ち主で、気持ちが入った選手。
彼のことを詳しくは知りませんが、見たところでは、僕らは真逆のタイプかもしれません。
僕は自分の感情をコントロールしようとします。自分の感情を周りに見せませんので。
でも、自分の中では感じているものはあります。僕もいろいろな感情がありますが、でもそれを見せません。
それが大きな違いですね。僕が見たところですが」
4000安打到達の夜には「フォーカスできない」と語っていたローズの記録
ヒットを放った後もポーカーフェイスを貫くイチローのスタイルは、変わらない。
ジョージ・シスラー超えや通算4000安打のヒットを放った時、そして09年の第2回WBC決勝で、
世界一を決めた後ですら、一塁上での表情は一切変わらなかった。
「感情を周りに見せない」という哲学を貫くだけに、「チャーリー・ハッスル」との明らかな違いを感じている。
対照的なスタイルで世界一のヒット数を積み重ねてきたローズを、イチローはいよいよ抜こうとしている。
2013年に日米通算4000安打に到達した夜、イチローは“ローズ超え”の可能性について質問を受けていた。
「10年連続200安打を達成した時に、ピート・ローズについて『是非超えたい』と言っていましたが」
と振られたイチローは「そんなとんがってましたかね、僕」と笑い、ローズについてこう語った。
「あの時、ちょっと僕に対して挑戦的というか、そういう話を聞いたんです。でも実は、そうではないらしいです。
なので、そんな誘導には、僕は引っかからない。そういう自分を演じているらしいですね、ピート・ローズさんは。それを聞いて、それはそれですごいなと思うし。
ただ、さっきも言いましたけど、明日出られるかどうかは今日決まる、みたいな日がずっと続いているので、そんなところに現段階でフォーカスすることはできないです」
ヤンキース時代には起用法が一貫せず、苦しむこともあっただけに、“ローズ超え”には「フォーカスできない」と話していた。
ただ、その数字は目前に迫っている。
世界一の安打製造機となった時も、イチローの表情が変わることはないだろう。
ただ、胸の中にはどんな感情が湧いてくるのか、興味深いところだ。
▲補足、感想など
イチローの感情?
イチローはそんなこと明かしもしないだろうし、こちらが興味をもっても仕方のない話だろう。
それよりも。
彼が一歩一歩積み上げてきた「仕事」を讃えてあげてほしい。
男が自分の一生というものを選択し、男が数十年という歳月をかけて、少しづつ積み重ねてきた「もの」に対して、それなりの評価をしてあげてほしい。
イチローが心密かに望んでいることって、そういうことだろうな。