▲日本ではどうもbse
に対する警戒感が弱くなっているようだ。
日本国内で食肉化される牛に対する警戒感が弱くなっても、まぁ、おかしくはないと思える。
実際にbse
に感染した牛だったという記事をこのところ、見たこともない。
そもそも日本でのbse
の発生の原因は、はっきりしていない。
2000年代始めに初めて日本で発生したのだが、あれこれ調べてもはっきりしなかったという記憶がある。
たしか、ヨーロッパのどこかから輸入した粉末ミルクの可能性が一番大きいということではなかったかな。
以後、全頭検査をしていたが、上でもふれたように国内でのbseの発生が確認できず、検査は縮小しつづけてきた。
以下、新聞から抜粋。
厚生労働省は、食肉処理場で自治体が自主的に実施している牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査を7月以降、全国一斉に廃止し、
検査は月齢48カ月超の牛に限るよう要請する通知を都道府県と政令市に出した。
BSE対策見直しの一環で、全頭検査をやめても食の安全面で問題ないと判断した。
厚労省は、現在は30カ月超とされる法的な検査対象の牛の月齢を48カ月超に引き上げる方針。
同省は改正省令を7月1日に施行する予定を明らかにした。
通知は農林水産省と連名。廃止要請の背景として、近年の国内外でのBSEリスクの低下などを挙げた。
▲補足、感想など
国内産牛肉からのbse感染のリスクが低下したことは確か。
でも、米国産食肉の狂牛病リスクが低下した訳ではない。
ちょいと、掲示板の書き込みを転記しよう。
--ここから--
2011/11/13(日)
アメリカのアルツハイマー病患者は450万人(2005年)
1975年は50万人だったので9倍に増えてる。2050年には1,100~1,600万人になると推定。
なぜそんなに凄い勢いで増え続けているのか?
実はアルツハイマー病とヤコブ病(人間のBSE)は症状がそっくりで区別ができない。
アメリカには農産物名誉毀損法があり莫大な損害賠償を請求される恐れがあるので
狂牛病の危険性を報道できず米国民は狂牛病についてほとんど知らない。
アメリカでは毎年20万頭のへたり牛が出る。それらも食肉として加工される。
ヨーロッパはアメリカ産牛肉の輸入を禁止している。
これらを総合するとアメリカ人のプリオンキャリアは数百万人から数千万人に推定される。
プリオンは輸血でも感染するのでアメリカ中に蔓延状態でもう止められない。
アメリカはもはや完全に手遅れ。もう手の打ちようがないので検査体制も縮小してしまった。
--ここまで--
米国の食肉業界は政治力が強いため、米国の政府首脳を動かして日本に圧力を加えてきたのだ。<要するに、オレたちアメリカ人はbse でアホになるが、お前たち日本人も一緒にbse でアホになれ--と言っているのだ>
それを受けて、日本の食品安全委員会も規制を緩和している。
ちょいと、流れを見てみよう。
--ここから--
★2012/09/10(月)
輸入牛肉規制緩和 国民の意見募る 食品安全委 11日にも
(2012年09月08日)
内閣府の食品安全委員会が、BSEの発生に伴う米国産牛肉などの輸入規制を緩和することについて、
パブリックコメントの募集を11日に始める。
意見募集は30日間行い、説明会も各地で開催。厚生労働省に対して10月下旬に答申。
★2012/12/10(月
政府は、ブラジルでBSEの発生例が確認され、
同国からの牛肉製品の輸入を停止。
国際獣疫事務局(OIE)からの連絡で、
BSE感染が判明したのは2010年12月に13歳で死んだ雌牛1頭。農林水産省は、原因などの情報を政府に問い合わせている。
ブラジルからの11年の牛肉輸入量は約1400トン、輸入量の0・3%。
ブラジルは口蹄疫の発生国であり牛肉の輸入は認めておらず、加熱処理した牛肉のみを輸入。
BSEを理由にした牛肉の輸入停止は03年12月に米国以来、9年ぶり。
★2013/02/01(金
牛肉輸入緩和を通知、国内検査も見直し BSE対策で厚労省
厚生労働省は、BSE対策で実施している米国産牛肉の輸入規制を、月齢で「20カ月以下」から「30カ月以下」に緩和する改正通知を検疫所長に出した。
カナダとフランスからの輸入も「30カ月以下」とし、オランダは
「12カ月以下」とした。
フランスとオランダについては、日本は輸入を認めていなかった。
また、省令を改正し、食肉処理場で実施しているBSE検査の対象を
「21カ月以上」から「30カ月超」に引き上げ。施行は4月1日。
★2013/04/03(水)
BSE対策の国内検査免除「48カ月以下に」 食品安全委
内閣府の食品安全委員会は調査会を開き、BSE対策で
国内の食肉検査を免除する牛の月齢を「48カ月以下」に緩和することを容認する評価書案を了承。
これまで検査免除の月齢は「20カ月以下」が対象だったが、4月1日から「30カ月以下」に緩和。
安全委は意見公募を経て厚生労働省に答申。同省は関連省令などの改正を進める。
日本では飼料規制などの効果で2009年度以降はBSE感染牛が確認されていない。
原案では「日本のBSE発生防止対策は適切に行われている」と判断。BSE発生の可能性はほとんどないと。
その上で
(1)日本では例外を除いてBSE感染牛の月齢が48カ月以上
(2)欧州連合(EU)の感染牛の約98%が48カ月以上と推定
(3)仮に日本の牛がBSEの原因となるたんぱく質「異常プリオン」を摂取しても極めて微量で潜伏期間が長くなる
――などの理由から検査免除の月齢を「48カ月以下」に引き上げても「人への健康影響は無視できる」としている。
牛肉の輸入を巡っては、今年2月から米国、カナダ、フランスの月齢がいずれも「30カ月以下」、
オランダが「12カ月以下」に緩和。調査会では、輸入を認める月齢についても「30カ月以下」からさらに緩和した場合のリスク評価を検討。
★2013/04/05(金)日刊ゲンダイ
安倍「国民の健康」も「食の安全」も放棄
なにが「守るべきものは守る姿勢で交渉していく」だ。安倍首相はTPP交渉参加を表明する際、「食の安全」を守ると強調した。
その舌の根も乾かぬうちに放棄である。
2月に米国産牛肉の輸入規制を緩和したのに続き、7月にもBSE全頭検査を廃止する。
BSEの全頭検査は01年に国内初の感染牛が発見された直後から続いてきた。
05年に21カ月未満の牛が検査対象から外された後も、ブランドを守りたい自治体は独自に予算をつけ、全頭検査を継続し
てきた。
ところが厚労省は「もはや日本はBSEを克服した。
非科学的な全頭検査は税金の無駄遣いだ」と、完全廃止を各自治体に要請。
トンデモない話だ。
「世界で全頭検査を続けているのは日本だけ。
しかし、そのおかげで23カ月の若い牛のBSE感染を発見し、ブランドを守った。
BSEにはまだ解明できていない部分があります。
予防原則の立場に立てば、簡単に規制を緩めるべきではない。
そもそも、自治体が独自の判断と予算で続けている検査を、中央官庁の指示でやめさせるなんて傲慢」
米国産牛肉が輸入緩和されたことで牛丼各社の割引キャンペーンが間もなく始まるが、手放しでは喜べない。
★2013年04月19日 BSE:全頭検査廃止を要請 厚労省、7月1日から
厚生労働省は、食肉処理場で自治体が自主的に実施しているBSEの全頭検査を7月以降、全国一斉に廃止し、検査は月齢48カ月超の牛に限るよう要請する通知を都道府県と政令市に出した。
BSE対策見直しの一環で、全頭検査をやめても食の安全面で問題ないと判断。
厚労省は、現在は30カ月超とされる法的な検査対象の牛の月齢を48カ月超に引き上げる方針。
同省は改正省令を7月1日に施行する予定を明らかにした。
通知は農林水産省と連名。廃止要請の背景として、近年の国内外でのBSEリスクの低下などを挙げた。
★2016/03/24(木)
フランス農業省は24日、狂牛病、BSEの発生を
アルデンヌ北東部で確認したことを明らかに。
初期段階の検査によるもので、最終確認は今後になる。
同省によると、欧州でのBSE発生は2015年以来3例目。
--ここまで--
日本国内での全頭検査を早く廃止しろ<確かに、日本国内での全頭検査の廃止はもう納得がいく>—というのは、米国産牛肉との「ブランドの格差」がつくため、米国産牛肉の売れ行きが悪いのはこれが原因だとかアメリカは考えていたのだろう。
なら、じゃまなものを廃止してしまえ—と圧力をかけてきたということだろうな。
結局のところ。
自分の命を守る、自分の頭を狂牛病から守るは、「自分自身」しかいないのだ—ということがよく分かろう。
頼みは、己の目と己の才覚のみ。
依然としてbseリスクの高いアメリカ産牛肉などを避けるということしか手段はない。
国だって、厚生省だって、食品安全委員会だって、安倍さんだって頼りにはならないのだ。