2016年6月30日木曜日

苦しくなればなるほど孤立化を選ぶ、中国

個人でも国でも同じだな。
 苦しくなればなるほど、閉じこもってしまう—他者との関係を拒否してしまう。
 それは、本質的に弱いからだろう。
 単に弱いだけではなくて、金盾という情報制限ツールでアホになっているからだろう。

 経済的に苦しくなればなるほど、他者との関係を大切にしなければならない。
 経済の根底にあるのは、「信用」だ。
 他者との関係を大切にして、信用を築きあげなくては、経済は発展しない。

 以下、新聞から抜粋。

 台湾で蔡英文政権が発足し1カ月がたち、中国の習近平政権は、中国に歩み寄る姿勢を見せない蔡政権へのいらだちを募らせている。
 中国の台湾問題研究者は、「中台関係はますます悪化する」と語った。

 27日付環球時報は、台湾に関する記事2本を掲載。
 内容は、「蔡総統のパナマ訪問」と「中華航空のストライキ」に関するもので、「民主進歩党政権は台湾の民意を無視」と書かれていた。

 5月、総統に就任した蔡氏は演説で、中国が求める「一つの中国」の原則に触れなかった。
 中国政府は「これでは未完成な答案だ」と談話を発表、台湾側に原則の確認を迫ったが、中国のメディアは蔡氏を批判せず、静観の態度を見せた。

 しかし、蔡政権は中国の要求を無視し、2014年のデモ「ひまわり学生運動」で台湾の行政院の敷地に侵入した大学生ら126人の刑事告訴を撤回。
 また、中国国民党の馬英九前総統の香港渡航を認めないなど、中国と距離を置く姿勢を鮮明にした。

 これを受け、中国は蔡政権への批判を強め、「両岸の当局間の連絡、交流メカニズムはすでに停止した」と発表。
 ほぼ同時に、台湾への経済圧力も強まり、台湾商品の中国への輸入は制限が加えられるようになった。

 北京の旅行会社社長によると、当局から「台湾への観光ツアーを減らせ」との指示を受け、特に蔡氏が率いる民進党が地盤とする高雄市、台南市などの台湾の南部地域に渡航しないように指導されたという。
 中国人観光客を減らすことで、経済面で蔡政権を圧迫しようとしているとみられる。

 同様の圧力は、陳水扁政権(00~08年)の時代にも実施され、蔡政権への打撃は限定的との見方も多い。
 北京で企業を経営する台湾人男性は、「中国の強引な手法に反発する台湾人も多い。これを機に中国への経済的依存を減らして東南アジアに進出しようと考える台湾人が増えている」と。

補足、感想など

 他者と適当な距離をとる—てな発想が、習近平さんにはできないのか。
 習近平さん自身が、金盾アホなのか。

 自分で台湾との関係を制限するというのは、自分にもデメリットがかかってくる—ということが理解できているのか。
 他者へ損害をかけている筈と発想するのだが、その反発から自分にも損害がかかってくるのだ。

 なにか、2012年夏に、中国側からなにをしても日本企業は逃げ出さない—てなご都合主義のレポートを読んで、「ここで一発、日本人を殴りつけておくか」てな発想で、官製反日暴動を引き起こした時の発想を全く同じだな。

 おかげで、安倍政権が成立する追い風をつくり、また、日本企業はこれをきっかけに中国から本格的に脱出しはじめた。
 また、日本人観光客が激減しはじめたのも、この反日暴動からであろう。

 いま、中国は苦しくて堪らないのだ。

 --ここから--

■真の世界経済の火薬庫、イギリスよりヤバい中国バブル

 中国の銀行融資と不良債権
 チャイナリスクは膨らむ一方で、収拾の見通しが立たない。中国の債務爆弾。
 中国の銀行融資残高と銀行不良債権の推移について。
 銀行融資は2008年9月のリーマン・ショック以降、年率15%前後、増加した。
 不良債権のほうは12年から徐々に増加し、15年から前年同期比50%前後のペースで急増中。
 融資残高に占める割合は今年3月末時点1・4%で、日本の13年の水準並みである。

 気をつけなければならないのは、中国の不良債権認定基準のいい加減さである。
 日米欧の場合、借り手が90日以上返済を延滞すると不良債権として分類する、中国の銀行は銀行が担保を高く評価し「回収できる」と認定すれば、不良債権に計上しなくても済む。

 国有商業銀行は主な貸出先が国有企業であり、共に党官僚が支配。党の裁量がものを言う。
 貸し倒れはありえないと国有銀行は判断すれば、当局が追認するというわけ。

 ラガルド専務理事のIMFも、いんちきなスタンダードを鵜呑みにすれば恥をかくと。で、独自の分析で不良債権を算出。
 IMFが4月に発表したグローバル金融安定報告によると、融資残高に対する中国の不良債権比率は14%、国内総生産(GDP)に対する比率は20・7%に上る。
 円換算の不良債権額は中国当局データから算出すれば、3月末23兆円だが、IMF報告では10倍、230兆円へとなる。

 1990年代のバブル崩壊後の日本と比べてみると、中国の不良債権問題の深刻さがわかる。
 日本の銀行の不良債権の償却ずみ累計と残る問題債権合計の対GDP比率はピーク時の2000年3月末で12%。
 中国はその水準をはるかに超え、不良債権は増え続けている。

 不良債権の元凶は鉄鋼、石炭、セメントなどのゾンビ企業群と、不動産バブル崩壊だ。
 国有銀行大手は不良債権処理を先送りして企業向け融資を増やし、ゾンビ企業は過剰生産体制を温存。

 習近平政権はさらに、不動産向け融資を促進させ、上海、深セン、北京など沿海部の大都市の不動産相場を急騰させている。
 バブル崩壊対策は、次なるバブルの創出というわけである。
 まさにめちゃくちゃ、中国は世界経済を破壊する不良債権を巨大化させることしか考えない。

 --ここまで--

 えっと、社会主義的資本主義なるインチキ経済が、今、まさに崩壊直前だということがわかる。
 そして、その苦しくて苦しくて堪らない時に、自分で孤立化しようとするのだ。

 日本の先の大戦前、国際連盟を離脱したタイミングを思いださせる。
 日本は、どんどん、孤立化して、やがて太平洋戦争に突入した。

 中国が戦争するという道を選ぶとは思わない。
 しかし、日本の例をみていると、経済的に苦しくなればなるほど、孤立化を選択してはならない—ということがよく分かる。

 台湾などと適当な距離をとって、台湾等から資本が入っくるような道を選べ。
 2012年の夏、官製反日暴動をおこしたお陰で、日本人の観光客が激減したことを思い出せ。

 他者と適当な距離をとって、孤立化を回避せよ。
 苦しければ苦しいほど、孤立化を避けよ。