2016年6月9日木曜日

再生可能エネルギーの買い取り制度を廃止。ドイツ

ドイツが太陽光発電等の電気の買い取り制度を廃止する。
 どこらが核心か。

 不安定な電気を高価で買い取るということが無理となった—ということだろう。
 逆に言えば、ここ当分(20年くらい)は原発が中心でやるしかない—と覚悟が決まったということではないのかな。

 2011年が福島原発の事故があった年か。以後5年が経過した。
 原発に代替するエネルギー源を探し求めたが、原発に代替できるものが結局、今の時点では見つからない—ということだろう。

 5年経過したことで、福島原発事故のショックから癒やされて、原発を見直してもいい—という雰囲気にもなったということか。

 結局、太陽光にせよ、風力にせよ、補助的なエネルギー源でしかない。
 中心となって、コンスタントに稼働できるものは原発のみだということが理解できたのだろう。
 現時点で、太陽光発電などに頼っていては、コスト増で家計がもたないとも言えそうだ。

 以下、新聞から抜粋。

 ドイツ政府は、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が買い取る 「固定価格買取制度」について、「時代に合った制度に見直す必要がある」として、来年から廃止する方針。
 ドイツ政府は、閣議を開き、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が20年間にわたって発電コストよりも高い価格で買い取るなどとする「固定価格買取制度」について、原則、来年から廃止する。

 「固定価格買取制度」は再生可能エネルギーの普及を促そうと、日本でも導入された制度で、 16年前に導入したドイツでは発電に占める再生可能エネルギーの割合が、3分の1に達しています。  一方で、発電設備が増えた結果、電力の買い取りにかかる費用が電気料金に上乗せされて料金が高騰し、 送電線の整備が遅れ、天候しだいで大量の電力が余ってしまうことが課題となっています。

 ドイツの経済・エネルギー相は「時代に合った制度に見直す必要がある」と述べ、 来年以降、新たに作られる発電設備の電力については、市場価格に近い価格で買い取ると。
 ドイツ政府は従来の施設については残りの期間、固定価格での買い取りを続けるとしていますが、小規模の電力事業者が発電設備を造れなくなる懸念も上がっています。

補足、感想など

 再生可能エネルギーで水素を発生させ、水素で蓄積させるというバイパスのようなものを取り付ければ、もう少し展開があるような気がするが、現時点ではいたしかたあるまい。

 日本でもこの制度があるが、買い取り価格はドンドン下がっていこう。
 結局、当分の間は、原発を中心とするエネルギー源に頼るしかないのだ—ということだ。
 で。
 インドで原発を造るという記事があった。

 --ここから--

 米国とインドは首脳会談で、東芝の米原発事業子会社ウェスチングハウス(WH)の原子炉6基をインドに建設することで合意した。
 受注が確定すれば、20113月の東京電力福島第1原発事故後初となる。

 東芝は原発と半導体を経営再建の柱に据えており、今回の受注で事業拡大に弾みをつけたい考え。
 日本や米国など先進国では原発の新設が停滞しており、先行きは不透明だ。

 WHはインドと176月までの契約締結を目指している。
 最新型の原子炉「AP1000」(出力125万キロワット)を建設する予定で、085月以来の受注となる。
 WH29年度までに世界で64基を受注する計画で、新たに6基はインドでめどを付けた。

 原発は現在、稼働停止中も含め世界に400基以上。
 事故が起きれば、需要が一気に冷え込む可能性もある。
 WHが米ジョージア州とサウスカロライナ州で計4基を建設中だが、福島事故後に安全規制が強化されたことなどから運転開始予定は19年以降に先送りされた。
 中国で建設中の4基も当初の稼働予定が大幅に遅れている。

 WH以外の案件でも、東芝グループで2基を建設する予定だった米テキサス州の原発が電気料金の値下がりで採算の確保が難しく、着工時期が決まらないなど難しい事業環境が続いている。
 --ここまで--

 冒頭でふれた。
 現在時点では、原発ほど安定的に電気が供給できるコンパクトな施設はない。
 また、原発に代替するだけのエネルギー発生装置は見つかっていない。
 福島事故から5年という歳月が経過して、やっと、本来の原発の価値というものが見直されつつある—と解釈するのが真っ当か。