▲先日、スーパーが飽和したと書いた。同時に、コンビニも飽和したようだ。
で。
これは百貨店がとうとう終焉を迎えるという狼煙だろうな。
なにか、スーパーとか、コンビニという形態が、次の形へ切り替わるタイミングでもあるのだろう。
以下、新聞から抜粋。
右肩上がりで成長してきたコンビニエンスストアの出店数が鈍化した。
業界再編が進み、セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの3強で国内の9割超を占める。
市場の“陣取り合戦”も終わり、各社は宅配や移動店舗など、新たな市場の開拓に知恵を絞っている。
「新しくコンビニが出来ても、あまり意味ないのになぁ…」。
東京に住む30歳代女性は自宅から徒歩1分のセブン-イレブンをよく利用する。ところが昨年、同じ距離の場所に新しいセブン-イレブンがオープン。「品ぞろえも一緒だし、あえて新しい店に行くことはないかな」と感想。
収益が見込める地域に集中して出店した結果、コンビニ店舗数は「飽和に近い状態」(ユニー・ファミリーマートホールディングスの高柳浩二社長)となっている。
平成29年3月末の国内のコンビニ店舗数は5万4822。
対前年同月比の増加率は2.2%増にとどまり、伸び率は鈍化。出店余地も限られている。
出店数の伸び悩みに加え、客数も頭打ちだ。
4月の国内コンビニの既存店客数は前年同月比で0.5%減少。マイナスは14カ月連続だ。
コンビニの「成長神話」に陰りが見える。
限られたパイをめぐり、コンビニは業界再編が進んだ。昨年9月、ファミリーマートとサークルKサンクスが統合し、店舗数で2位に浮上。3位のローソンも中堅コンビニのスリーエフやポプラとの共同店舗を増やしている。
首位セブン-イレブンを含め大手3社に集約され、各社が拡大路線から採算重視に舵を切り、出店数を絞り込んでいるのもコンビニの増加数が鈍化している一因。
ファミリーマートに至っては、30年2月のグループ店舗数は1万7683店と、前年同月比で442店の減少を見込む。グループの「サークルK」「サンクス」を「ファミリーマート」に統一する過程で、重複する店舗を閉鎖するためだ。
人手不足も足かせとなりつつある。
アルバイトの人件費が高騰し、コンビニ運営が苦しくなっている。
ためセブン-イレブンは店舗オーナーから徴収する加盟店料を9月から1%減額し、加盟店の負担を和らげる。
セブン-イレブンなどコンビニ大手5社は平成37年までに全店舗に自ら会計する「セルフレジ」を導入することも発表。
コンビニは、じり貧になってしまうのか-。この疑問にセブン-イレブンの古屋社長は「高齢者や働く女性などにコンビニを使ってもらえる余地はまだある」と反論。
セブン-イレブンは、セイノーホールディングスと提携し、商品を自宅に配達するサービスを強化する。狙いは、“買い物弱者”だ。
セブンは商品の宅配をセイノーに委託。試験的に約150店舗(3月末時点)で実施していた宅配サービスを、31年2月末までに全国3000店舗に拡大する。
宅配時などに次の注文を聞く“御用聞き”も行い、コンビニとは縁遠かった高齢者や忙しい女性のニーズをくみ取る。
また、都市再生機構(UR)子会社と提携し、団地内に出店した店舗で電球交換といった生活支援サービスも提供する。UR子会社が団地内でセブン-イレブンを運営。
コンビニを窓口に、水道トラブルの対処や粗大ゴミの搬出といった生活回りのサービスを提供する。郊外の団地では高齢者が増える傾向にあり、こうしたニーズが高いと判断。
4月に東京都東村山市で第一弾となる店舗を開業し、今後、100店舗まで増やす。
一方、移動販売を強化する動きも活発化している。
ローソンは商品を積んで移動販売する専用車両を、29年度末までに100台に増やす方針だ。
周辺に店舗が少ない地方や過疎地での需要を取り込む狙いで、セブン-イレブンやファミリーマートも移動販売に取り組んでいる。
銀行ATMやチケット販売、税金徴収、宅配ボックスなどなど…。
これまでにない新しいサービスを提供し、成長を続けてきたコンビニ。
出店の伸びが鈍化しても、サービスの進化は続きそうだ。
▲補足、感想など
コンビニにここまでやられては、スーパーも苦しかろう。どう、コンビニと棲み分けるのかな。
ましてや、百貨店はまず生き残れまい。
セブンアンドアイのスーパー、百貨店部門を見てみよう。
--ここから--
■コンビニ外は成長の姿みえず
井阪氏の面目躍如となったのは、4月に開いた17年2月期決算の説明会だ。
米国で中堅コンビニのスノコLP(テキサス州)から約1100店舗を取得すると発表。
33億ドル(約3650億円)というセブン&アイで過去最大のM&Aに踏みきり、米国でコンビニ首位の地位を固める。
国内コンビニ事業では「現状42.7%のシェアを50%に高めたい」と宣言。
コンビニ加盟店から受け取る経営指導料を減らして現場を支援する施策や、セブンイレブンの創業40年超の歴史で初めての全面的な店舗レイアウト刷新を打ち出した。
セブンの矢継ぎ早の攻勢に、競合幹部は「セブンは一体どうしたんだ?」と危機感を募らせる。
一方、井阪体制でコンビニ以外の事業では思い切った手は打ち出せていない。
ヨーカ堂は販促費の削減で17年2月期は営業赤字を解消、セブン&アイ・フードではデニーズでのドリンクバーの導入など店作りの見直しに乗り出した。
ただ、いずれも経営環境が厳しく、明確な成長戦略はまだ描き切れていない。
そごう・西武では首都圏の店舗に経営資源を集中するとして16年10月、競合のエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)に関西の3店舗を譲渡すると発表したが交渉は難航。
今月11日には譲渡対象を2店舗に減らし、10月の譲渡実現を目指すと発表したが、残る地方店舗をどうするかは未定のままだ。
百貨店や総合スーパーなどの事業について、切り離すのか、新機軸を打ち出すのか、鈴木氏も十分には成し遂げることができなかった各事業の連携を具体化できるか――。
コンビニ以外で大きな決断を下せるかが、井阪氏の経営者としての試金石になる。
--ここまで--
他の百貨店の様子をみてみよう。
--ここから--
2017/05/25(木)
三越伊勢丹ホールディングスの杉江社長は、海外での百貨店の新規出店計画を凍結する。
業績の立て直しに向け、地方・郊外店も含む国内百貨店事業に注力する方針だ。
三越伊勢丹は東南アジアでの新規出店を一時検討していたが、杉江氏は「出店は当面ない」と述べた。
大西洋・前社長のもとで進めていた東京・新宿の大型免税店の出店計画についても「実現は厳しい」として、事実上棚上げ。
コスト削減については、早期退職制度を拡充する。
傘下の事業会社、三越伊勢丹は社員約5400人の半数近くを管理職が占めており、今年中に早期退職者への退職金を積み増して人員削減につなげる。
不振が続く地方・郊外店については、各店舗の具体的な再建策を11月に打ち出す方針。
業績が改善しない場合、「閉鎖しなければならない店舗もある」との認識を示した。
--ここまで--
このブログでふれた。
この三越伊勢丹も、銀塩カメラがなくなる直前の富士フイルムのようなものだ。
主力商品がなくなってしまうのだ。
上の記事を読んでいると、まだ、どこかに可能性がある—てな感じで判断しているように見える。
でも。
もう、フイルムは要らないのだ。誰も買う人はいないのだ。それが充分に分かっていても、ドイツのアグファ、アメリカのコダックは為す術なく倒産した。
百貨店の競合相手は、アマゾン・楽天なのだ。それが分かっているのかなぁ。
どこか、追い詰められ感が甘いと思うが。