2017年5月22日月曜日

小池東京都知事は、落とし所が分からない。その9

落とし所なんて、分かりきったことか。
 そうじゃなくて、いつ「落とすか」ということなのだろう。

 この小池さんの判断ってなんだろう。
 どういう意味があるのだろうか。この判断を遅らせるということに。
 筆者には、その部分がどうしても理解できない。

 東京都民は、この判断を後ろに伸ばすということを支持しているのか?
 なぜなのだろう?

 この問題は、豊洲へ移転するか否か—しかない。
 そして、否としても、そこになにかある訳ではないのだ。
 つまり、豊洲移転しか選択はないのだ。
 豊洲の安全性がどうたら—ということなら、遮水性のある舗装とかで充分であろうし、キチンと仕事をしながら遮水作業を続ければいいことだ。

 総合的に判断したって、その答えしかない。
 じゃ、なぜ、総合的判断を後ろに伸ばすのか----
 さて?

 以下、新聞から抜粋。

 豊洲か築地か-。東京都の市場移転問題がヤマ場を迎えつつある。
 小池知事は今夏にも「総合的な判断」を下す方針、7月に東京都議選も控え情勢は混沌としている。
 豊洲移転案と現在の築地での建て替え案それぞれのメリット、デメリットを議論の経緯も含めて解説。

 小池都政に『既定路線』という考え方はない」。
 建物は完成し、開場を待つばかりだった豊洲市場に小池知事が待ったをかけたのは昨年8月末。
 2年間続けるはすの地下水モニタリング調査がまだ終わっておらず、安全の確認が不十分というのが大義名分だ。
 だが5800億円余りをかけた事業の最終段階での延期は、都知事選を圧勝した小池知事の力業だった。

 情報公開を重視する小池知事は驚くような事実を明るみに出した。
 9月10日、豊洲市場で土壌汚染対策の盛り土が施されていないことを公表。
 盛り土をしていると都民や都議会に説明してきたのと食い違う実態は、年間予算13兆円の巨大官庁、都庁の政策決定のずさんさやそれを見過ごしてきた都議会の機能不全ぶりを浮き彫りにした。

 市場問題は 「誰が、いつ、どこで、何を決めているのか分からない。総無責任体制」と都政をブラックボックスと断罪する小池改革の象徴になった。小池知事は中央卸売市場長を更迭、現副知事を含む歴代幹部18人の懲戒処分に踏み切った。

 都議会も調査権限を持つ百条委員会を設置。豊洲移転を決めた石原慎太郎知事らを証人喚問して責任を追及する動きをみせた。
 小池知事による移転延期は都政の透明性を高めた。
 一方で豊洲に移転するかどうかの判断は難しさを増している。

 今年1月、地下水調査で、最終9回目のデータが過去8回より悪化、環境基準の最大79倍のベンゼンを検出した。
 3月公表の再調査でも同100倍と傾向は変わらず、豊洲の安全性に疑問が深まった。

 ただ豊洲は地下の土壌とはコンクリートなどで遮断されているため、土壌汚染対策の専門家会議は「地上は安全」との見解を示している。
 都議会でも自民党や公明党など豊洲移転を推し進める立場の会派が多数を占める。 

 移転延期のマイナスの側面も出てきた。
 投資をした市場業者らへの補償や築地、豊洲の両市場で重複する維持管理費など、延期に伴う費用は4月中旬までで95億円と都は試算。
 4月下旬には築地の仲卸業者が移転延期を不当とする住民監査請求を起こした。
 移転延期の影響は2020年東京五輪に及ぶ。
 築地市場の跡地を使い、五輪の主要輸送道路に想定していた環状2号の整備は停滞。
 すでに地下を通る予定の本線は五輪までの開通が困難になっている。

 豊洲移転に賛否が交錯する中、小池知事に政治決断のフリーハンドを持たせようと、知事特命の市場問題プロジェクトチームは豊洲移転の対案として築地市場を建て替える構想を打ち出した。
 築地ブランドを生かせるのが売りだ。豊洲市場は減価償却費を除いても年27億円の赤で、経営が厳しいとの見立てもある。
 しかし移転を取りやめれば、豊洲整備のための借金の返済繰り上げや補助金の返済などで19年度にも資金繰りが行き詰まる。

 工期7年、工費734億円と見込む築地再整備は 「現実味がない」との指摘も出ている。
 移転の可否は小池知事が重視する7月の都議選の行方を左右する。
 4月末に実施した世論調査で豊洲への移転について聞いたところ、都内在住者では「移転させるべきだ」が51%、「移転させるべきでない」は29%だった。

 その後、豊洲で土壌汚染対策を巡り専門家会議が紛糾、築地では有害物質を検出するなど状況は流動的な面も残す。
 選挙に有利に働くのは豊洲か築地か難しい判断になるだけに、判断自体を都議選後に先送りするのが得策だとの見方に傾く可能性もある。

補足、感想など

 築地の建替えは論外だろう。
 そうじゃなくて、収め方を見いだせないでは—という記事があった。

 --ここから--
2016/11/18()

 就任から100日。「課題のあぶり出しから、答えを出していく段階にきた」そうだが──。
 114日、小池百合子都知事は築地市場移転問題の工程表を発表した。
 会見で示されたのは、「4つのステップ」なる手順のみ。
 曰く、(1)安全性の検証、(2)環境アセスメント、(3)必要な追加対策工事、そして最後の(4)農林水産相への認可手続き。
 この4つをクリアすれば移転できるそうだが、「各手順にはそれぞれ月単位の時間がかかります。
 中でも(2)の環境アセスメントが、最長で15カ月もかかるという説明。
 『東京五輪までに移転できないのでは』という声さえ出ていました」(同)

 ひとつだけ進展があった。政治アナリストの伊藤惇夫氏によると、
 「私が注目したのはステップ(3)です。追加対策工事ということは、豊洲の施設の不足分を補うという意味。
 つまり、他所への移転や、築地を引き続き使う可能性は低いということがわかる」 とした上で、
「それ以外は、『答えはわかりません』という発表をしたのと同じです。
 8月末に小池さんが豊洲移転延期をぶち上げたのは、 地下水調査の結果を見てから判断したかったため。
 それで問題がなければ移転に踏み切るはずだった。
 ところが“盛り土問題”という手に負えない事態に発展してしまった。
 責任問題や業者への補償を取り上げて問題を引っ掻き回すも、移転をいつ行うか、収め方を見出せないから。
 都民が求めるのは新市場の開場のメド。決断を延ばせば延ばすほど、小池都政への不信感は増すでしょう」
 あぶり出されたのは、都知事の力量だった。

2017/03/03()
 (豊洲問題)小池百合子はロジックが重要な行政の長としては非常に問題がある。
 築地はコンクリートで覆われ地下水は利用しないから大丈夫だと言うときに、何のためらいもなかったのだろうか。
 豊洲もコンクリートで覆われ、しかも建物下は地下空洞で土もなく、地下水も利用しない。

(豊洲問題)僕が豊洲について「地下水は飲まないのになぜ環境基準を適用するのか」と指摘したときに、小池さんは感性の問題と答えた。
 感性に基づくならば、築地は豊洲よりもよほど危険だろうし、徹底調査が必要だと感じるはずだ。
 豊洲問題を政局に利用してきたので論理矛盾を起こしている。
 橋下徹

 --ここまで--

 要するに、豊洲移転しか選択肢はないが、そこに落とすだけの大義名分が欲しいということではないのかな。

 都知事が、「総合的に判断」して、豊洲へ移転します---で充分ではないのか。都のトップではないか。
 そういう収め方ができないのだろうか。