▲白人がイエローを蔑視している—という発想ではあるまい。
そうではなくて、日本という国が19世紀後半に極東に出現することで、産業革命組 対 100年遅れ---という対立が発生したと考える方が妥当だろうな。
日本は、19世紀後半の明治維新以来150年もの間、100年先行した「産業革命組」諸国の背中を追い続けてきた。
20世紀前半では産業革命組と衝突し、惨めな敗戦となった。
しかし、敗戦後も「産業革命組」の背中を追い続け、21世紀の初めには、「産業革命組」の背中さえ見えないところまできた。
対して、産業革命組も、この100年遅れの日本、200年遅れの中国などを「無視」し続けることができなくなった—という現象が発生したということではあるまいか。
いや、長々と書いたが、なんのことかというと、アメリカの情報機関が日本政府、日本の大企業を盗聴していたという事実が公表されたということだ。
上のように考えれば。
産業革命組 vs
100年・200年遅れ組 という構図が今も継続しているということなのだろう。
以下、新聞から抜粋。
Wikileaksや伊・エスプレッソ紙が報じたところによれば、アメリカ国家安全保障局(NSA)は、日本の内閣や各省庁、三菱など大企業を盗聴していたことが明らかになった。
■第一次安倍政権などがターゲット
Wikileaksのプレスリリースによれば、盗聴対象となったリストには2006年9月26日に発足して2007年8月27日まで続いた第一次安倍政権や、
三菱の天然ガス部門や三井の石油部門といった日本の大企業、宮沢洋一経済産業大臣などの政府関係者、そして日本銀行などが含まれている。
アメリカは日本の貿易摩擦や技術開発計画、気候変動政策、原子力やエネルギー政策などに関心を持ち、盗聴を計画。
日本側は、こうした政策に関する情報をどこまでアメリカに共有するべきか懸念を持っていたが、実際にはアメリカ政府は、多くのことを知っていたようだ。
■ファイブ・アイズにも共有
これらの盗聴内容は、米国から英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドにも情報共有されていた。
これら5カ国の結ぶUKUSA協定「ファイブ・アイズ」と呼ばれ、加盟各国の諜報機関が傍受した盗聴内容や盗聴設備などが共有されている。
今回リークされた内容には、ドーハラウンドと呼ばれるWTO交渉に際しておこなわれた盗聴のレポートや、
2007年にブッシュ米大統領と会談した上で示された、「安倍イニシアティブ」に関する盗聴レポートなども含まれている。
他にも、環太平洋パートナーシップ(TPP)の交渉に際して、アメリカが日本の戦略を注視していたことなども示されており、日本の貿易・産業政策にアメリカが高い関心を持ち、盗聴対象としてことが伺える。
ワシントンポスト紙が、外国情報活動監視裁判所(FISC)が2010年にNSAに対して許可した盗聴対象リストの中に、中国や北朝鮮、韓国、そして日本が含まれていたことを報じている。
▲補足、感想など
アメリカも否定はしていない。
盗聴など当たり前の世界だということだろうな。
じゃ、日本は盗聴されないような伝達手段を考えればいいこと。
新技術を開発する「契機」だと受け止めればいい。
冒頭でふれた。
産業革命組 対 100年遅れ という構図は、150年前から続いているのだ。
これからも、ずっと続くと考える方がまともな解釈だろう。