▲表題を読んだだけで、ありえねぇ—と普通の人は思う。
つまり。
逆に言えば、安倍一強時代は、当分継続する—ということが分かる。
現時点では、安倍さんに代替するだけの器の人がいないのだ。
そう思わない—というなら、安倍さんに代わる人の名前を挙げてみよ。
表題では、小泉進次郎さんだという。
いかにも、若すぎるだろう。
オバマさんと、習近平さんと互角に戦えるか?
考えてもみよ。
このことは、「安倍降ろし」なんて、無駄なことだ—ということを意味している。
石破さんが総裁選に出馬するという話の「したって無駄だろう感」と同じだな。
以下、新聞から抜粋。
衆院を通過した集団的自衛権は、与党が過半数を占める参院での審議となり、
成立はほぼ確実だ。
しかし、法案の衆院通過後の世論調査で安倍政権の支持率が下落したように、雰囲気は与党にとって順風とはいえない。
さらに、来年の7月は参院選も予定。
そこで落選を怖れた参院議員たちが、審議や採決をグダグダにしてしまったら、
長期政権が確実視されていた安倍政権が来年中にも崩壊する可能性さえあるという。
政治評論家、池田和隆氏が解説する。
「元々、安倍首相は憲法改正を目標のひとつにしていました。世界情勢に対応するために
憲法を改正すべきという大義名分もあった。憲法改正には国民的な議論が必要で、それには時間を
要するという理由で長期政権を目指していた。
そのために“18歳選挙権”も実現させたわけです。
ですから高い支持率のうちに憲法改正に取り組むべきだった。
しかし安倍さんは
順番を間違えてしまった。突然アメリカでの演説で
今年の夏までに安保法案を成立させると約束した。致命的なミスです」
どのあたりが致命的なのだろう?
「憲法を改正する前に、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使容認をやってしまったのなら、
もはや憲法を改正する必要も大義名分もなくなったから。
わざわざ憲法を変えなくてもいいじゃないかとなってしまう。
安倍さんは憲法の価値を自ら貶めたのです。
同時に、長期政権化の大義名分も危うくなりかねません。憲法改正に向けて国民的な納得を得る時間を
要するから長期政権だったわけですが、もはや支持率から見ても憲法改正は無理でしょうから。
政権にしがみついていると思われれば支持率は下がる、選挙に勝てないから、自民党内から“安倍おろし”の動きが活発化する。
党内が空中分解することが目に見えています」
では、安倍政権が空中分解するXデーはいつ?
「来年の参院選で自民党が単独過半数を割ることになれば、責任論が起こる。
過半数を割ったら衆参ねじれとなって再来年以降の予算審議もままならなくなってしまう。
自民党議員は、次期衆院選に向けて“勝てる顔”を総理にして臨みたい。
特に1、2年生議員たちは党の顔で決まりますから。
となると、小泉進次郎さんが出てくる可能性もあると思います。
安倍さんは小泉さんを尊敬しています。
その息子に禅譲する形なら身の引き方としても格好がつきますしね」
安倍政権は、2020年までの長期政権も可能と。
しかし憲法改正よりも
先に集団的自衛権に手をつけてしまうという“順番のミス”で状況が一変してしまった。
もはや集団的自衛権の成立は待ったなしの状況と言わざるをえない。
しかし、来年の参院選で自民が敗北すれば、国民の声を政権に届けることはできる。
影響力があるのは、私たちが持っている「投票」という権利だ。
(取材・文/菅沼 慶)
▲補足、感想など
冒頭でふれた。
安倍さんから小泉進次郎さんへの禅譲なんて、ありえない。
そもそも、来年の参院選がどうたら—の判断が早すぎないか。
安倍さんに代替するだけの器の政治家なんて、今の時点では存在しない。
安倍一強時代が、もう4~5年は続くと考えるのが妥当だ。
日本の「これからの5年」を考える時、この視点は大事だ。