▲このブログで何度もふれた。
中国人の「パクリ」は、守破離の概念がない。
あるとしても、守破までで、あっと言う間に「離」に突入してしまう。
早く、お金に結び付けたいと考えるものだから、パクリの深さが浅いのだ。
結果として、生兵法は大怪我のもと—てな感じになってしまう。
中国人のもつ宿痾であろう。
自分達が蒔いた種ではある。自分の手でその果実を収穫するしかない。
以下、新聞から抜粋。
中国の「高速鉄道外交」が次々に頓挫。中国の鉄道がらみの失態がまた出た。
シンガポールに納入した中国製鉄道車両に不具合が相次ぎ、大規模なリコール措置がとられた。
中国の鉄道車両メーカーによるリコールは今回が初めて。
中国に持ち帰って修理を行う。
高速鉄道外交の頓挫に続く大規模リコールは、中国政府が進める「新シルクロード構想」に悪影響を与える。
シンガポールで6月、列車の輸送作戦が展開。
20メートルの列車が大型トレーラーに載せられ、ジュロン港に運ばれ、船で4000キロメートル離れた青島まで輸送
こう報じたのは朝鮮日報だ。
大規模リコールの対象になったのはシンガポールのSMRTが2011年以降、南北線、東西線で使ってきた「C151A型」。
中国の青島四方機車車輛が納入。
故障が相次ぎ、結局、大規模な交換、修理が避けられないと判断。
青島四方機車車輛は2009年にSMRTが実施した入札で日本の川崎重工業とコンソーシアムを組み、中国企業としてはシンガポールに鉄道車両を供給。
6両編成の35編成を納入し、金額は約276億円相当だった。
このうち26編成、156両が問題となった。
シンガポールに納入したC151Aは、川崎重工業が1980年代から製造したC151を改良したモデル。改良モデルは多くの欠陥が見つかり、運転中断が相次いだ。
2011年には電源を供給するバッテリーが爆発し、中国製バッテリーがすべてドイツ製に交換され、さらに車両や下部連結部分などでひびが見つかった。
SMRT幹部は「構造的な欠陥が見つかり、メーカーに修理を委ねた。
2023年ごろに完了する」と説明。長い期間がかかりそうだ。
中国の鉄道関連の失態といえば、2011年の温州市の高速鉄道による追突脱線事故の記憶が新しい。
救助活動は短い時間で打ち切られ、打ち切り後に生存者が発見されて、運転再開を優先した当局の姿勢に「人命軽視」「証拠隠滅」と非難が集中した。
習近平政権は数年、海外への鉄道輸出に力を入れるなど懸命だ。
だが、米国の高速鉄道プロジェクトが挫折し、さらにメキシコ、ベネゼエラ、インドネシアの高速鉄道事業も頓挫するなど、苦境にあえぐ。
資金力、価格競争力で大規模プロジェクトを相次いで受注してきた中国が、安全性やずさんな計画や採算などで弱みを見せたからとの指摘は多い。
そんなときに起きた中国製鉄道車両のリコールは、中国の信頼をさらにおとしめることになりかねない。
鉄道受注合戦にマイナスに作用するのは避けられず、同時に習政権が打ち出すインフラ建設を通じ欧州までの経済圏を構築する「新シルクロード(一帯一路)構想」にも影を落としそう。
(小熊敦郎)
▲補足、感想など
どのあたりに核心があるのだろう。
経済の根底にあるのは「信用」だということだろう。
社会主義的資本主義なんぞという「ぬえ」のようなシステムでは、その「信用の大切さ」というものが肚の底まで、理解できないということなのだろうな。
中国人の信奉しているものが、「中国人という十数億人という数と暴力」というものならば、その価値観の切り替えを求められている—そういうタイミングなのであろう。
ちょいと、日本のシステムについての記事を転記したい。
--ここから--
インドネシアを始め、破格の条件を提示し高速鉄道計画の受注に成功した中国ですが、
アメリカでは中止が決定、その他でも同じような動きが出始めている。
●米高速鉄道 米企業が中国との合弁解消 「計画の遅れ」理由に
中国の高速鉄道の輸出計画が挫折している。
6月に、ラスベガスとロサンゼルスを結ぶ高速鉄道、アメリカのエクスプレスウエスト社が中国鉄道総公司との合弁解消を発表。
今年の9月に着工する見通しが、
エクスプレスウエスト社は解消の理由として「中国企業がやるべきことを時間通りできていない」と計画の遅れが原因だと。
中国側は「無責任で契約違反だ」と批判、しかし、もともと習近平主席の訪米の成果としてぶち上げたプロジェクトであったようで、アメリカ企業が中国企業の実態を見て危機感を持ったらしい。
加えて、アメリカに「バイ・アメリカン法」があり、国内の公共事業ではアメリカ国内で生産された鉄鋼や製品を優先的に使うことが義務化され、
これをクリアしないと融資や認可が下りないですし、無視すれば罰金が課せられる可能性があります。
しかし中国には、過剰生産となっている自国の鉄鋼を使ってもらわなくては旨味はありません。
一方、中国では車両故障率の高さが問題になる。2015年に発生した列車事故は210件余りで、前年と比べて16%増加。
車両の故障による事故は45%も増加し、故障による事故が最も多いのは高速鉄道。
●輸出攻勢かける中国高速鉄道、車両故障率の高さが問題―
中国側も実績を上げるためにバラ色の計画を提出したが、実行の段になると前に進まないという中国の典型的なパターンです。
中国は外国との契約で、政治的な思考をするため、採算、完成の期日も明記しない。
カネについても、どんぶり勘定だから、揉め事が多い。
インドネシアの高速鉄道も、タダ同然で工事を受注するという条件で中国が獲得したが、遅々として進んでいない。
中国側がインドネシアに提示した計画書は、日本が提示したものと同じで金額だけが異なると日本側の案をパクった。
中国は匪賊国家であり、パクリにまったく罪悪感がありません。
中国メディアは、中国高速鉄道史を振り返る記事を掲載し、「中国は外国の技術をだまし取りゆっくり消化、その結果CRH380系と呼ばれる高鉄が存在するようになった」と、結果、「この『魔の手』により中国は高速鉄道輸出戦略において日本を打ち破る力を身に着けるようになった」と、悪びれる様子もなく説明している。
とはいえ、日本の計画書は日本の建設技術を前提としたものですから、パクったとしても、実現の段になって技術力の違う中国ができるはずもない。
また、着工が遅れる原因として、インドネシア中国高速鉄道社が運輸省に提出した書類に中国語表記のものがいくつも含まれ、担当官が読めない、という「問題」がある。
しかも、「中国側がインドネシア政府の債務保証を求めている」という話まで持ち上がり、インドネシアは衝撃を受けている。
政府の債務保証がないことが、中国案に決めた理由だったから。
アメリカの計画中止のニュースに対し、インドネシア関係者から、「早期に中止を決定できて羨ましい。
中国は机上の空論的な話が多い」と。
インドネシアでは「日本案のほうがよかった」という声が上がり、実際、インドネシア政府はインドネシア・ジャワの横断鉄道は日本に建設要請する予定だと、明らかになっている。
3月末、タイが中国と合意していた高速鉄道建設計画について、自己資金で一部区間の工事は自国企業が行い、残りの区間については延期すると発表。事実上の合意白紙化。
さらに、ベネズエラでの高速鉄道計画は、ほとんど放棄状態になっている。
中国の建設スタッフは現地を去り、工場は廃墟、金目のものは持ち去られた。
ベネズエラは原油輸出国、原油価格の暴落で危機に陥ったとの理由とされる。中国メディアは「採算を無視させた中国政府の国家戦略にある」と指摘。
高速鉄道が完成しても電力不足の深刻なベネズエラでは車両を走らせられないし、ベネズエラ政府も維持できない。
2015年11月に落札したメキシコ初の高速鉄道の契約が、落札から数日後に政府から取り消された。
中国企業とメキシコのペニャニエト政権との贈賄疑惑が浮上し、メキシコ政府は、計画そのものを無期限延期とした。
ブラジルでも、高速鉄道の建設計画が持ち上がり、2011年に入札が行われる予定にだった。
しかし、中国はブラジルの規定で「5年以内に鉄道事故を起こした会社は入札できない」ため、門前払い。
条件が厳しすぎてどの国も入札を見合わせ、高速鉄道の計画は進んでいない。
失敗続きの中国高速鉄道ですが、7月、中国共産党創建95年の式典で習近平主席は、中国の経済発展と国力増強を一党独裁の成果だと述べた。
英EU離脱は、欧州が輸出国の2位を占める中国にとっても、大きな痛手。
人民銀行は2016年の輸出が前年比1%減少するという予測を立てていたが、さらに悪化する可能性。成果を出さないと、習近平政権は打撃を受け、来年の党大会にも影響が出かねない。
6月、フィリピン次期大統領ドゥテルテ氏が、中国からフィリピン国内の鉄道建設に協力したいという申し入れがあったことを明らかにした。
中国の駐フィリピン大使は、マニラとクラークを結ぶ鉄道について「中国がやれば2年間で建設できる」と、大風呂敷を広げた。
しかし、中国はフィリピンでの鉄道建設計画を放棄した過去がある。
2004年頃中国はマニラ首都圏の鉄道整備への無償資金協力を提案、フィリピン政府は受け入れたが、工事の中断が相次ぎ、支援計画にも不備・不法な疑いがあるため、
アキノ前大統領が凍結。事業を引き継いだのは日本でした。
過去にもかかわらず、フィリピンに「鉄道を作ってあげる」と持ちかけるのですから、厚顔無恥ぶりに呆れるが、なりふり構っていられないのでしょう。
ドゥテルテ氏は、「マニラとバタンガスを結ぶ鉄道も作りたい」と応じた。
ドゥテルテ氏が騙されたふりをして習近平主席に一杯食わせるのか、見ものでしょう。
いずれにせよ、中国の海外投資はことごとく失敗している。
2013年の中国鉱業聯合会の報告では、資源関連の投資については、8割が失敗。
ずさんな計画が原因でしょう。
アフリカでの鉱山開発では、労働者を連れて行く中国のやり方に現地の反感が高まり、中国人襲撃事件も多数起きている。
また、ミャンマーで建設を計画していたダムも地元の反対が多くて凍結状態となっている。
インフラ輸出は、相手国の将来を左右するほどのプロジェクト。
習近平政権の手柄にするためだけに大風呂敷を広げても、必ず失敗、相手国の反中感情を高める。
世界は中国のインフラ輸出のインチキぶりに気が付いた。
習近平政権は、ますます苦境に追い込まれていく。
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冒頭のシンガポールの車両問題については、部品として日本製を使うと発表した。
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先日記事にした、シンガポールのMRT(都市高速鉄道)車両26台で、部品(ボルスタ)にひびが見つかり回収された問題で、シンガポールの陸運庁は、今後中国で組み立てられる車両の重要部品は、欠陥が見つかった車両以外も、すべて神戸製鋼の製品にすると発表した。
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