チェスに比較して、将棋の場合、相手の駒を自分のものとして使えるため、ゲームのソフトとしては段違いの難しさだと聞いた。
ところが、とうとう、将棋ソフトがプロの棋士に勝ってしまった。
ソフトの開発者も涙ぐんでいたようだ。
まぁ、筆者など。
とうとう、ここまできてしまったが--と感慨深い。
以下、新聞から抜粋。
将棋の5人のプロ棋士と5種のコンピューターソフトが戦う第2回電王戦の第2局が30日、東京・渋谷の将棋会館で指され、佐藤慎一四段が将棋ソフト「ponanza(ポナンザ)」に141手で敗れた。
将棋ソフトが公の場で現役の男性プロ棋士に勝ったのは初めて。
第2回電王戦第2局で将棋ソフト「ponanza」に敗れたプロ棋士の佐藤慎一四段(30日、東京都渋谷区)=共同
中盤では佐藤四段が優勢な局面もあったが、ポナンザが終盤で鋭い攻めを決めて逆転勝ちした。
終局直後、ポナンザ開発者の山本一成氏は「非常に光栄。今日はたまたま運が味方したところもある」と感激に声を詰まらせながら語った。
佐藤四段は「勝てる局面もあったと思うが、しっかり決めきれなかった。これも実力と受け止めないといけない」と言葉を振り絞った。
第1局では阿部光瑠四段がソフトを破っており、プロ棋士対ソフトの対戦成績は1勝1敗となった。
船江恒平五段とソフト「ツツカナ」が対局する第3局は、4月6日に将棋会館で指される。
1970年代半ばに開発が始まったとされる将棋ソフトは、約20年かけてアマ初段の水準に到達。
以降、ソフト開発手法とハードの進歩で急速に強くなり、2010年には女流棋界の第一人者である清水市代女流六段を、12年には現役を退いて長かったとはいえ名人経験もある故・米長邦雄永世棋聖を破った。
今回のポナンザは、1秒間に3000万~4500万手を読む能力を持つ。
自身もアマ強豪である山本氏は終局後の記者会見で「膨大な計算能力を持つコンピューターと対等に戦える、人間の偉大さを改めて実感した」と語った。
チェスでは、97年に米IBMの「ディープブルー」が世界チャンピオンに勝利している。
▲補足、感想など
さて、核心はどこにあるのだろう。
記事にあるように、ソフトは一秒間に3000万~4500万手が読めるそうな。
人間はどのくらい?
確か、昔読んだ記憶では、プロで200手読めるとか—ではなかったかな。
つまり、人間対ソフトとの争いとは、200手と3000万手の争いだというのだ。
いや、そんな馬鹿な。
それだけの差があれば、もっと早くに、ソフトが人間に勝っているさ。
おかしいのはこの人間の200手なのだろうなぁ。
筆者が、この200手くらい読めるそうな—とか聞いたのがもう30年も前の話だ。
記者から尋ねられて、プロの棋士が面倒くさそうに、まぁ、200手くらいなものじゃない—てな感じで答えたのだろうな。
人間の頭脳の方が、3000万手と数えることはできないとしても、頭の中ではそれに近い能力で考えていた—ということが、真っ当な理解であろう。
これは—と思う。
コンピュータというものが、人間の能力を越え、いよいよ「人工頭脳」という名称に近いものになりつつあるということなのだな。
最後の砦は「囲碁ソフト」かな。
ちょっと検索してみると、まだ、囲碁の世界では人間の方が強いようだ。
囲碁ソフトが人間に勝つようになると、これは----。
電脳世界へいよいよ突入だなぁ。