2013年3月21日木曜日

なぜ2年たっても仮設なのか。東電・福島。


▲東電の福島で停電事故が起こった。
 理由は定かではないが、配電盤にネズミの死骸があったので、このネズミが接触した可能性が高そうだ—とのこと。

 う~ん、と筆者は思った。
 なぜ、「仮設」の配電盤なんだ?
 事故から既に2年も経過して---

 これは。
 東電という会社は、余程、技術者が冷遇されているのだなぁ。
 冷遇というか、なにかものいう地位に「技術者」がいないのだろう。

 それは、原発事故なんて未知の世界で踏み込んで、日々、様々な対応に追われていることは分かる。
 でも。
 事故処理の中で、処理の優先度というものがあろう。
 外部からの電気なんて、一番大切な部分であろう。

 そもそも、これこそが、原発の事故の核心部分ではなかったか。
 外部からの電力を引き込む用意がなかった、非常用の電源も軽油タンクを流失したことで電力を供給できなくなり、原子炉を冷却できなかったことが、「事故の原因の核心部分」ではなかったか。

 その重要な部分を。
 事故が発生してから2年が経過しても、まだ「仮設」のままなのか。ネズミが進入するようなもののままなのか。
 そこに、上でふれた「処理の優先度」というものを認識できない「技術者的視点の無さ」を感じる。

 まぁ、処理に当たっているのは、東芝などの多くの企業からの出向者であろう。
 そういう寄せ集めを統括するということの難しさは当然あろう。

 でも。
 そのことを踏まえても、原発の事故処理全体を見渡せるような、全体の進行を見渡せるような—そんな「技術者」がいない--ということを、上の「仮設」の配電盤は意味している。

 以下、新聞から抜粋。

 東京電力福島第1原発で18日夜に停電が発生し、燃料貯蔵プールの冷却装置など9つの設備が停止した問題で、 東電は20日、3、4号機プールの仮設配電盤の端子と壁面に焦げ跡を確認した。
 仮設配電盤は屋外のトラックの荷台に置かれており、焦げ跡付近にネズミのような小動物の死骸があった。
 東電は小動物が接触し配電盤がショートした可能性があるとして、詳しい原因を調べている。

 同日未明までに共用プール代替冷却装置も稼働し、停電から約29時間ぶりに9設備すべてが復旧。
 東電は同日朝から25人態勢で本格的な調査を始めたが、この仮設配電盤以外に異常は見つかっていない。
 仮設配電盤は原発事故直後に臨時的にトラックで運び込まれ、荷台に積まれていた。
 小動物の侵入対策はしていなかった。

 東電は順次、配電盤を屋内に切り替えたが、この仮設配電盤だけが最後に残り、今月中にも屋内に移す予定だった。
 また、東電によると、設備が停止した際、工事のため別々の送電網2系統を連結していた。
 ショートしたとみられる仮設配電盤は、1号機プールの冷却装置とは本来は別系統で、連結によって停電が大規模になった可能性がある。


▲補足、感想など

 東電で、技術系の人間がトップになったことがあったかなぁ。
 筆者が知っている限りでは、そんな例はなかったような---

 東電では、技術者は単なる点検・保守要員か。
 やはり、このあたりだろうなぁ。
 東電は、もっと「技術者」を重視せよ。経営に参画させよ。
 それがなければ、同じことをなんどでも繰り返しそうだ。