2017年6月16日金曜日

日本がレアアースの輸入大国である意味

科学技術において、日本は中国より100年先行している。
 中国人から、日本はレアアースで暴利を貪っているとかだ—そうな。
 それは、日本から中国へレアアースの精錬技術等が流出しないからだ。

 当然であろう。
 悔しかったら、中国人がこれから100年という歳月を費やして、レアアースの精錬技術を開発すればいいこと。
 日本が中国人へ教える理由もない。企業秘密というものだろう。

 まず、そのあたりの記事を転記しよう。

 --ここから--

2016/11/26()
 中国は希土類(レアアース)を戦略資源に位置づけてきた。
 2010年に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件の際、中国が日米に対する制裁措置として輸出規制を行ったで分かるとおり、中国はレアアースを政治的な切り札として使用した。
 産業のビタミンと呼ばれ、ハイテク製品にとって必要な物質であるレアアースだが、それ単体では大きな価値はもたない。
 精錬、加工し永久磁石などに使用することで大きな付加価値が生まれる。

 中国メディアは、中国は必要とされるレアアースの大半を生産しているが、そのレアアースで儲けているのは「日本や米国」だと。
 中国がレアアースの「資源としての価値」に見合わない低価格で、ずっと輸出を行ったきたと紹介する一方、「中国にはレアアースの価格決定権がなく、日米は安く仕入れたレアアースを加工し、製品化することで巨額の利益を得ている」と主張。

 例えば、中国のレアアース関連企業の北方稀土の純利益率は1%に満たないと紹介し、中国のレアアース関連企業にとって、レアアースの生産は薄利多売どころか、実際は「政府からの補助がなければ赤字」であるのが現状だと論じた。

 また記事は、日本は中国から長年にわたって大量のレアアースを輸入し、その一部を備蓄にまわしていると主張。
 レアアースを加工し、付加価値の高い製品を作って世界中に輸出し、暴利を貪っていると批判する一方で、「日本はレアアース関連製品を生産するための設備や技術を中国に輸出しようとせず、中国がレアアース関連製品を生産することを阻害している」と主張。

 生産国でありながら、中国がレアアースで儲けられないのは、日本にも責任があるとの見方を示している。

 --ここまで--

 だから。
 上でもふれた。
 口惜しかったら、今から100年掛けて、精錬技術でも、関連設備でも開発すればいいこと。
 中国人が、日本に較べて100年遅れなら、当然ではないか。日本に責任がなんて、なんのことだ。
 日本に責任など、これっぽっちもない。

 また、中国が日本に対して安売りをしなければならない理由を述べている。

 --ここから--

2016/12/13()

 中国は世界で必要とされる希土類(レアアース)の大半を生産、一方で中国国内では貴重なレアアースを「安売り」しているという批判が強い。
 そもそも中国がレアアースを安売りせざるを得ないのは、中国にはレアアースを加工し、付加価値のある製品を作れないためという指摘もある。

 中国メディアは、中国は世界のレアアース供給の90%以上を担う存在であるにもかかわらず、中国がレアアース産業において価格決定権がない理由を考察し、中国は「日本がいかにレアアースを大事に利用しているか、日本から学ぶべきである」と主張。
 中国がレアアース生産で独占的な地位にあるのは「レアアースが中国国内にしか存在しないためではなく、中国ではレアアース生産にかかるコストが低いためにすぎない」と指摘。

 だが、中国は長期間にわたってレアアースを大量に採掘し、中国のレアアース埋蔵量はすでに世界全体の30%以下にまで低下していると主張。
 一方、中国がレアアースの輸出量を制限して以来、日本や米国はレアアースの貯蔵を大々的に開始し、特に日本は廃棄された製品からのレアアースを回収を強化している。
 さらに、日本はインドやカザフスタンなど、中国以外の国からのレアアース調達も推進していると紹介し、中国のレアアース産業における地位は低下してしまうと危機感を示した。

 さらに、日本は近年、「レアアースを使用しない、もしくは使用する量を著しく減少させた製品の開発を推進している」とし、中国レアアース産業にとっては恐ろしい成果を挙げていると主張。
 日本がレアアースを輸入に依存している現状は変わらないとしても、こうした成果によって「輸入依存度を低減させることにつながるのは間違いない」と指摘し、レアアースが国内で生産できない日本のほうがレアアースを重視し、大事に扱っていると主張、「中国は日本が如何にレアアースを貴重な資源として扱っているか、日本に学ぶべきである」と指摘している。

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 中国での採掘の費用が安いことについて、掲示板で書き込みがあった。ご紹介したい。

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2012/10/05()

 なんで中国産が安価かっていうと、
 レアアースってのは鉱石から抽出するのに結構手間がかかって、有毒な廃液が大量に出るんだけど、 中国はこっそり垂れ流しOKだったから、廃液処理の分コストが浮いてただけなんだよね
 人件費よりこっちの理由の方が大きい。

 --ここまで--

 国土が汚染されることより、自分の懐にお金が入ることが最優先だったということか。
 あぁ、今でも同じか。

 以下、以上を踏まえて、表題の記事の抜粋を転記したい。

2017-06-13
 宇宙開発や原発、高速鉄道など、中国は急激に技術力を高め、中国国内では「もはや中国の技術力は日本を全面的に上回った」という声も存在する。
 確かに家電やスマホ産業においても中国企業の躍進が目立ち、日本企業は元気がないように見えるが、「中国の技術力は日本を全面的に上回った」という論調は正しいのか。
 
 中国メディアは、家電や半導体などの分野で近年、日本企業の敗退が目立つと伝える一方、経済に明るい人ならば日本の技術力は今なお世界をリードする水準にあることを知っていると、「日本の技術力の高さを知れば、背筋が凍る思いがする」と伝えた。
 日本の技術力の高さは消費者に届けられる製品ではなく、その製品を作るための機械や材料の分野から見て取れる、半導体の製造装置や材料、産業用ロボット、医療機器、建設用機械、光学機器など、日本企業が世界的なシェアを持つ産業は数多く存在すると指摘。
 
 日本は世界有数のレアアース輸入大国であるが、「一国の工業力はレアアースの消費量から推測することができる」とし、なぜならレアアースはハイテク製品にとって必要不可欠な物質であり、そのレアアースを大量に消費しているということは、ハイテク製品を生産し、輸出できることを意味する。
 
 また、基幹技術は一朝一夕に手にすることができるものではないとし、「世界のハイテク製品は今や基幹技術を手にして離さない日本や米国企業なしでは成立しない」と主張。
 製造業の高度化を進める中国にとって、「日本の技術力の高さは背筋が凍る思い」であると伝えた。

▲補足、感想など

 ふ~ん、なんだこの記事。
 中国人が捏造・ハッタリ・コケオドシをしない—てか。
 奇妙なこともあるものだ。

 ついでだから。
 2010年頃の中国がレアアースを輸出しなかった頃の顛末の記事を転記しておこう。

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2010/09/30()
  レアアース「脱中国」加速 日本から見返り期待、中国の思惑外れる? -

 大畠経済産業相は、日本経団連との意見交換で、平成22年度補正予算にレアアース (希土類)の安定調達策を盛り込む方針を明らかにした。
 今後、官民が一体となって、レアアースの中国依存から脱却を図る。
 中国側は、レアアース供給で揺さぶりをかけ、日本から 環境技術の移転を引き出そうともくろんでいたとみられるが、その戦略は修正を余儀なくされそうだ。

 中国は1980年代から鉄鉱石やウランなどから採取されるレアアースの輸出に着手した。
 安い人件費を武器に世界各国に供給し、昨年は生産量で世界の約97%を占めた。
 自動車や家電などハイテク製品の生産に欠かせないレアアースは、いまや中国の資源外交の切り札の一つとなっている。

 今年7月には、国内需要を優先するとの理由で、輸出許可枠を大幅に縮小。
 さらに尖閣諸島 での中国漁船衝突事件を受け、時事上の報復措置として、輸出を一時停止した。

 ただ、中国国内のレアアース生産をめぐっては、課題も多い。
 無許可で参入する業者が後を絶たない上、放射性物質を含む鉱物を放置したり、化学薬品を垂れ流すなどで土壌や水質の汚染問題が 深刻化している。
 9月上旬に訪中した日中経済協会は、中国政府にレアアース輸出制限の緩和を要望。

 これに対し、商務省幹部は「このまま輸出を続けると中国の埋蔵量はあと15~20年で枯渇する」と説明。
 さらに、李克強副首相は「中国は国民1人当たりの資源量が少ない。資源の節約と環境 保護が重要だ」と強調。その上で、「日本の技術に期待している」と、暗に見返りを要求した。

 経済団体関係者は「レアアースをエサに土壌改善など日本の環境技術を引き出す作戦」と解説する。
 中国はレアアース生産量では世界一だが、埋蔵量は3割強にすぎない。
 カザフスタンやベトナムなど 世界各地に眠っており、12年には米国や豪州で新たな生産が本格化する見通しだ。
 桜井経済同友会代表幹事は「中国一国依存は企業経営上危険だ」と指摘。
 財界人は 「中国の思惑通りにはいかない」と話している。

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 上の後、どうなったか—みよう。

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2013/09/21()
 平成22年9月7日に起きた尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖での中国漁船衝突事件後、 中国が日本への経済制裁とみられる措置をとって約3年。
 ハイブリッド車(HV)のエンジン にも欠かせない資源、レアアース(希土類)の輸出規制の強化は日中双方にどのような影響 を及ぼしたか。

■輸出66%減、代償大きく
 対日経済制裁の象徴となったレアアースの事実上の禁輸。
 レアアース価格は急騰、日本は 脱レアアースと中国依存からの脱却を迫られ、企業の投資もかさんだ。
 しかし、その後は 供給過剰に陥り、中国のレアアース採掘業は低迷。
 資源物資を外交交渉のカードにした 代償は、決して小さくはなかった。
 中国・内モンゴル自治区の包頭市。世界最大のレアアースの技術基地を目指した広大な 工業団地の入居企業は少なく、閑散としている。

 同市に隣接し石炭産地として知られた オルドス市でも、100万人収容できる新市区の住民が3万人に満たず「鬼城」とさえ呼ばれる。
 「町を建設したとき、レアアースで収益を上げている包頭や(包頭から約150キロ離れた 鉱山都市の)バヤンオボの富豪の投資も期待したが、バブルははじけた」。

 不動産と石炭、そしてレアアース需要の冷え込みが重なり、街の景色を変えた。
 中国最大のレアアース生産業者、包鋼稀土の株価は今、30元(約480円)程度。
 ピークだった3年前に比べて、約3分の1に下落。
 中国税関総署の統計によると、昨年の レアアースの輸出額は前年から66・1%減少し、9億600万ドル(約900億円)に とどまる。

 「今年も減少傾向は止まらない。昨年夏ごろから、多くの関連企業は実質的な生産停止に 追い込まれている。在庫を少しずつ減らしているのが現状だ」。
 厄介な問題はほかにも起きた。レアアースの密輸出だ。
 輸出規制後、収入が減ったレア アース企業の従業員が密輸業者に転じたケースもあるという。

 レアアースは地面の表層近くにあるため採掘が比較的簡単で、密輸業者が「土」として 運び出し、安値で売りさばく事案が急増している。
 密輸出されたレアアースが香港や台湾 などを経由して日本に渡ったものも少なくなく、密輸出が「レアアース産業に大きな打撃を 与えている」(中国工業情報化省の蘇波次官)。
 正確な統計データはないが、公式輸出量の 約1・2倍と推測する中国メディアもある。

 「昨年の釣魚島国有化の時、中国政府が日本に対し経済制裁を実施 しなかったのは、その2年前の反省があったからだ」。
 中国外交関係者はこう漏らし、 日本の官民を挙げた急速な脱レアアースの動きの影響を「見誤った」と語る。

 --ここまで--

 このあたり、掲示板への書込みもあった。

 --ここから--
2013/08/09()

 ウチにも中国のレアアース企業がもの凄い接待攻勢をかけてくるよ。
 俺みたいな下っ端にも二言目には「先生!」だから苦笑い。
 まあ、他にも鋳型の企業とかやたら風俗につれて行こうとするし、なりふり構わなくなってるというかマジで中国経済はヤバイって思うわ
 連中の目つきが以前と違うもん。必死すぎてちょっと引く。

 --ここまで--