2017年6月11日日曜日

映画、花戦さ 感想

なによりも、日本人の不思議さ・ユニークさを思う。
 いまでこそ、華道であり、茶道という形となっている。
 でも。
 基本、たかがお茶を飲むことであり、たかが花を器にいれることでしかない。

 その「たかが--」の部分にどれだけこだわり、どれだけの労力と人々が関わっているのだろう。
 世界で、たかがお茶を飲むことに、たかが花を器にいれることにこだわり、芸術の域まで高めたという民族を筆者は日本以外に知らない。

 しかも、お茶にせよ、生花にせよ、その完成の時期が、室町時代~戦国末期だったということに、また、奇妙な符合を感じる。

 表題の「花戦さ」は、茶道の完成者である千利休と、池坊専好との交流を中心として、また、千利休と豊臣秀吉の確執を描いている。

 千利休を佐藤浩市が演じているのだが、実にいい味で、茶道の完成者である威厳と落ち着きがあって名優の域に達したかなと感じさせる。

 時の権力者である秀吉と、美の探求者である千利休が折り合う訳もなく、利休は切腹を命じられる。
 利休の死後、反発する京都の人たちと秀吉の間で、揉め事が頻発する。
 この紛争を解決すべく、池坊専好が、秀吉に対して生け花での解決を目指すというのが、表題の花戦さの意味だ。
 池坊専好は、野村萬斎が演じているのだが、これはもう、萬斎の世界であり、活き活きと生きている。

 ちょいと、他の人の感想を転記してみよう。

 --ここから--

610
『花戦さ』池坊専好と千利休の交流、天下人豊臣秀吉との確執を軸に、しみじみと人の心を描く。華道、茶道が格式張らずすごく親しみやすく描かれていてよかった。やたらとアップで迫ってくる、野村萬斎の動の顔芸と佐藤浩一の静の顔芸が見応えあり😁

67
→画的な見どころは豪華な立花。題材に相応しい美しい花をたくさん見る事が出来る。
萬斎さんはいつもの萬斎さんだけれども、さすがの所作。
自由で可愛くて優しい専好さん。サブの位置・利休の浩市さまも控えた演技が素晴らしい。

66
『花戦さ』心を揺さぶられる映画でした。内容も素晴らしかったのですが和の心がこんなにも美しく映像から伝わってくることに感動しました。
日本の伝統文化を守らねば、伝えねばと思わせてくれる大切な映画になりました。

65
『花戦さ』茶戦さを仕掛けた第1部と、戦さを引き継いだ第2部を、第2部の主人公視点で通してやりました、みたいな。
序盤の展開はゆっくりだけど、太閤さんと利休さんの確執の辺りから話は一気に進む。 ある意味利休さんの物語。

 --ここまで--